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14話 復讐の後2
成長したラーマは、以前のようにオルテンシアと手をつないで歩くことは無くなった。
そのかわり、オルテンシアと並んで歩き、自分の興味があることや、その日楽しかったことを、次々とラーマは語って聞かせてくれるのだ。
そんなラーマを見ていると… 本当に大きくなったね…! とオルテンシアは胸がいっぱいになり嬉しくなる。
「ラーマの話はいつも面白いね! 聞いていると元気になるよ」
本当にありがとね… ラーマ!
「あはははっ…! オルテンシア、もっと面白い話があるよ?!」
「ふふふっ… 何? どんな話?!」
母親を病気で亡くしてさびしがるラーマに… 同じく家族を全員失い、失意の中にいたオルテンシアは、自分の持てるかぎりの愛情でラーマを慈しむことで… オルテンシアは自分の心の傷を癒してきた。
2人で明るい笑い声をあげながら、墓地まで来ると… ラーマの母クラベールの墓に、オルテンシアは手に持つピンクの百合をそなえてひざまずく。
胸に手をあて… オルテンシアは心の中で、クラベールに語りかけた。
「・・・・・・」
クラベールお姉様… 今夜、タリオ様に離婚の話をしようと思う。
今までお姉様の大切な旦那様を、僕にしばり付けてしまってごめんなさい!
それから、ありがとう…! 僕の我がままを、見て見ぬフリをしてくれて… ありがとうクラベールお姉様……
心の中で報告と感謝の気持ちを語り終えると、オルテンシアはクラベールの墓石を、そっとなでた。
「今まで、ありがとうございました… お姉様…」
背後から足音が聞こえて振りかえると… タリオが純白の百合を持って、オルテンシアの後ろに立っている。
「タリオ様…!」
「オルテンシア…」
穏やかに微笑んで、タリオもオルテンシアの隣にひざまずき、墓に百合をそなえた。
瞳を閉じて、タリオは亡き妻の墓に短い祈りをささげる。
祈り終えると、タリオはニコッ… と笑い、オルテンシアと同じように、クラベールの墓に触れる。
「オルテンシア… 君に話がある」
「はい… 何ですか?」
タリオはひざまずいたまま、オルテンシアの方に身体の向きを変えると… オルテンシアもタリオの話を聞こうと、ひざまずいたまま向き合った。
「オルテンシア… 私の妻になって欲しい」
「…え?!」
「君が離婚を考えていることは、知っているよ…」
アルボル伯爵邸を管理する老執事が、腰を痛めたとオルテンシアに聞き、タリオは王都から取り寄せた、腰痛に効く塗り薬を、届けに行った。
その時、老執事から問いただされ、タリオは青くなった。
『オルテンシア様から、お2人が近いうちに離婚されると聞きました… それは本当ですか? どうかそんなことは、止めて下さい! お願いします伯爵様! 伯爵様…!』
老執事から、その話を聞いた後、あわててタリオはアレールセ子爵邸に帰って来た。
だが、オルテンシアが百合の花を持って、クラベールの墓へ行ったと、庭師に聞き… タリオは自分も庭師に、百合の花束を作らせて、オルテンシアを追って墓地まで急いでやって来たのだ。
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