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第1章 誓約編
15話 夜会の翌朝 アーサーside
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直輝が失踪して1週間、ぼんやりした朝日が差す自宅の寝室で、アーサーは隣に眠る蘇芳の額に落ちた、サラサラと手触りの良い長めの前髪を、指先ですくい耳に掛ける。
「んん…」
ピクリとアーサーの指に反応し、薄く瞼を開きため息をつく蘇芳。
「おはよう蘇芳」
<本当に綺麗な子だ…昨夜の蘇芳は特に素晴らしかった>
「…ふ‥う…おはようございます」
「いい身体をしている、何かスポーツをしているのか」
<勉強しか出来ない虚弱なタイプと思い込んでいたが… あの子供っぽい服の下にギュッと絞り込み鍛えた肉体を隠していたとはな…>
「ずっと空手を…」
「武道で鍛えたか!なるほど、だから姿勢が‥ 立ち姿が美しいのか」
大きく伸びをして、ゆっくりと起きる蘇芳の首筋に …きめ細かな肌に散る、アーサーが残した無数の跡。
<…私は獣だ! 昨夜は我を忘れ、目的も忘れ、蘇芳を貪りそうになった>
アーサーには必要以上に残した自覚があった
<私の理性がギリギリで保たれたのは隠しカメラの存在だった… あれ以上、蘇芳の身体をを他人に見せたくないと、強い独占欲でいっぱいになり、今はこの子の身体をさらさず "契り" をどうやって成功させるか… ソレを考えると憂鬱になる>
「少しは落ち着いたようだな?」
滑らかで手触り良いの蘇芳の頬をアーサーは撫でた。
「昨夜はご迷惑をお掛けしました」
泣きながら眠ったせいで蘇芳の目は、唇と一緒で腫れていた。
夜会で来たシャツと下着だけの姿で、しょんぼりと膝を抱えて俯く蘇芳がアーサーは愛おしかった。
「直輝に会いたい…」
「そんなに愛しているのか?」
ポツリとこぼす蘇芳に、ピキッ… とアーサーのプライドに小さなひびが入る。
「違う、尊敬してるんです! 確かに大好きだけど…」
アーサーの目には、蘇芳がムキになって否定しているように見えた。
「私には隠す必要は無い、君ぐらいの年頃なら常に誰かに恋していてもおかしくない」
「だから、本当に考えたコトは無いです… 僕は年下で直輝の対象外だから…」
「隠すな蘇芳」
傷ついた蘇芳に、直輝への嫉妬でアーサーは意地悪をしないよう自制するのに苦労した。
「僕には恋なんて贅沢すぎる… 娯楽としか思えなくて」
ポツポツと蘇芳は、言い訳を並べた。
「性欲が高まる年齢で恋愛しないという方が無理だ、もっと気楽に生きると良い」
「あなたに慰められるとは思わなかったなぁ…」
蘇芳は顔を上げ、寂しそうに微笑んだ。
「君はずっと私を嫌っていたからな」
フンッ… とアーサーはワザとらしく鼻を鳴らして見せた。
「本当のあなたはスゴク優しい人ですね… ふふふっ… 今は大好きです、キスもたくさんしたし」
『本当のアーサーはスゴク優しいよね! 大好き‼』
可愛らしく頬を染め照れ笑いする蘇芳に… 昔、愛した人の記憶と一瞬重なり、アーサーは固まった。
蘇芳と同じ年頃でクセのある黒髪を肩にたらし、質素なコットンの下着姿で鮮やかな青い瞳を輝かせ笑う女性 "愛しいベル"。
「あ!そろそろ支度しないと学校に遅刻する‼」
蘇芳の慌てた声で…
アーサーは現実に戻り、ホッ… とため息をついた。
シャツ一枚に、その下からスラリと伸びた生足でバタバタとベッドから降りる蘇芳に、アーサーの目が釘付けになる。
「蘇芳、ここはギルボーン・ハウスより君の学校や寮に近いから、慌てなくても大丈夫だ」
「本当に? …なんだ…‼」
ニヤリと笑い、どうせなら私のシャツで寝かせれば良かったと邪心を抱く悪い大人アーサー。
「んん…」
ピクリとアーサーの指に反応し、薄く瞼を開きため息をつく蘇芳。
「おはよう蘇芳」
<本当に綺麗な子だ…昨夜の蘇芳は特に素晴らしかった>
「…ふ‥う…おはようございます」
「いい身体をしている、何かスポーツをしているのか」
<勉強しか出来ない虚弱なタイプと思い込んでいたが… あの子供っぽい服の下にギュッと絞り込み鍛えた肉体を隠していたとはな…>
「ずっと空手を…」
「武道で鍛えたか!なるほど、だから姿勢が‥ 立ち姿が美しいのか」
大きく伸びをして、ゆっくりと起きる蘇芳の首筋に …きめ細かな肌に散る、アーサーが残した無数の跡。
<…私は獣だ! 昨夜は我を忘れ、目的も忘れ、蘇芳を貪りそうになった>
アーサーには必要以上に残した自覚があった
<私の理性がギリギリで保たれたのは隠しカメラの存在だった… あれ以上、蘇芳の身体をを他人に見せたくないと、強い独占欲でいっぱいになり、今はこの子の身体をさらさず "契り" をどうやって成功させるか… ソレを考えると憂鬱になる>
「少しは落ち着いたようだな?」
滑らかで手触り良いの蘇芳の頬をアーサーは撫でた。
「昨夜はご迷惑をお掛けしました」
泣きながら眠ったせいで蘇芳の目は、唇と一緒で腫れていた。
夜会で来たシャツと下着だけの姿で、しょんぼりと膝を抱えて俯く蘇芳がアーサーは愛おしかった。
「直輝に会いたい…」
「そんなに愛しているのか?」
ポツリとこぼす蘇芳に、ピキッ… とアーサーのプライドに小さなひびが入る。
「違う、尊敬してるんです! 確かに大好きだけど…」
アーサーの目には、蘇芳がムキになって否定しているように見えた。
「私には隠す必要は無い、君ぐらいの年頃なら常に誰かに恋していてもおかしくない」
「だから、本当に考えたコトは無いです… 僕は年下で直輝の対象外だから…」
「隠すな蘇芳」
傷ついた蘇芳に、直輝への嫉妬でアーサーは意地悪をしないよう自制するのに苦労した。
「僕には恋なんて贅沢すぎる… 娯楽としか思えなくて」
ポツポツと蘇芳は、言い訳を並べた。
「性欲が高まる年齢で恋愛しないという方が無理だ、もっと気楽に生きると良い」
「あなたに慰められるとは思わなかったなぁ…」
蘇芳は顔を上げ、寂しそうに微笑んだ。
「君はずっと私を嫌っていたからな」
フンッ… とアーサーはワザとらしく鼻を鳴らして見せた。
「本当のあなたはスゴク優しい人ですね… ふふふっ… 今は大好きです、キスもたくさんしたし」
『本当のアーサーはスゴク優しいよね! 大好き‼』
可愛らしく頬を染め照れ笑いする蘇芳に… 昔、愛した人の記憶と一瞬重なり、アーサーは固まった。
蘇芳と同じ年頃でクセのある黒髪を肩にたらし、質素なコットンの下着姿で鮮やかな青い瞳を輝かせ笑う女性 "愛しいベル"。
「あ!そろそろ支度しないと学校に遅刻する‼」
蘇芳の慌てた声で…
アーサーは現実に戻り、ホッ… とため息をついた。
シャツ一枚に、その下からスラリと伸びた生足でバタバタとベッドから降りる蘇芳に、アーサーの目が釘付けになる。
「蘇芳、ここはギルボーン・ハウスより君の学校や寮に近いから、慌てなくても大丈夫だ」
「本当に? …なんだ…‼」
ニヤリと笑い、どうせなら私のシャツで寝かせれば良かったと邪心を抱く悪い大人アーサー。
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