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52話 発情3 エスパーダside ※R18
しおりを挟む唇を離して、エスパーダはふと顔をあげて見る。
「・・・っ」
窓からさし込んだ清らかな朝日の中のアルセは… エスパーダが息をのみ、言葉を失うほど美しかった。
思わず愛撫の手をピタリと止めて、ジッ… と見入ってしまうほど、エスパーダはアルセに魅了される。
明るくなった室内で、裸をさらすのが恥かしいのだろう。
アルセは淫密で濡れた自分の性器を手で隠し、自分の顔をエスパーダに見られないよう横を向きギュッ… と紅玉色の瞳を閉じていた。
おおいかぶさるように、アルセの両わきに手をついて身体を支えながら、胸にキスをしていたエスパーダは… 身体を起こして後ろに下がり、ソファーの上で膝立ちになって、もうすぐ自分の妻になるオメガをじっくりとながめる。
蝋燭の灯りだけではわからなかった、白く輝くような… 繊細でなめらかなアルセの肌…
ほどよく鍛えられて綺麗に筋肉がついた、すらりと長い手足…
貪るようなエスパーダの愛撫で、赤く腫れてツンッ… と尖って立つ乳首と… そのまわりに散った、深紅のバラの花びらが散ったようなエスパーダの痕。
熱心に見つめるエスパーダの視線に耐えられなくなり… 恥ずかしさでモモ色に染まった頬… 腕の中で引きよせると、ちょうど良くおさまる抱き心地の良い細い腰……。
理性を刈り取られそうな、甘い… 甘い… アルセが放つオメガのフェロモン。
エスパーダが噛みつきたくてたまらない、うなじ…。
「…くっ!」
心も、身体も… 何もかも、アルセは完璧なオメガだ! 私は本当に幸運だ!
頭の芯がカァ…! と溶けた鉄のように熱くなり… ティエーラの竜の声にも負けない、アルファの貪欲な本能が、エスパーダに訴えかけて来た。
“このオメガはオレのモノだ! うなじを噛んで番にしろ!!”
“このオメガはオレのモノだ! 誰にも渡すな! うなじを噛んで番にしろ!!”
“このオメガはオレのモノだ! 奪われる前に、うなじを噛んで番にしろ!!”
“このオメガはオレのモノだ! 腹の中に種を吐き出せ! うなじを噛んで番にしろ!!”
「・・・・・・」
抱かれるのが初めてのアルセを、怖がらせたくなくて… ここまで我慢してきたが… もう、限界だ!
苦痛を感じるほど、エスパーダの性器がガチガチにかたく張りつめている。
今にも欲望にとらわれて、自分が暴走しそうで、ハァ―――ッ… とエスパーダから熱いため息が出た。
「…っあ… エスパーダ様…?」
エスパーダが大きなため息をつく音が、アルセの耳に届き、ピクリッ… と震え、心配そうにエスパーダを呼ぶ。
愛撫を中断し、そのうえため息までついて、エスパーダが黙っているから… アルセは自分がエスパーダの気分を害することをしたのか? と心配しているのだ。
せまいソファーの上で身体を起こそうとするアルセを、エスパーダは抱き上げて寝室へ連れて行く。
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