呪われた騎士に贈られた花嫁

金剛@キット

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63話 晩餐会

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 体調のあまり優れないと言う国王陛下が、侍従に支えられながら王宮の広間に現れた。

 広間にいる者は全て、お辞儀をし、国王が玉座に着くのを静かに待つ。


「皆、顔を上げよ!」

 王太子の号令で静かに顔を上げた。


 国王の顔は青白く、本当に具合が悪いのだと見て取れる。
 
 側に控えているパダムも心配そうにしていた。

<"母を捨てた、気弱な父のコトなどどうでも良い" と言っていたけれど… パダム様は情の厚い方だから、口から出る言葉と、本音とはやはり違うのね?>

 たったソレだけのコトでも、パダムを思うとアイルの心は暖かくなる。


 大男のパダムの隣に立つとどうしても、小柄に見えてしまう王太子が、国王に耳打ちされ微笑むと、参列者たちに向き直った。

「これ以上、皆を待たせては、腹が減って飢え死にしかねないから、手早く進めるコトにしよう!」

 ざわざわと抑えた笑い声が広間に響く。


 一番前に立つ騎士たち、(パダムの側近と部下たち)から、叙勲と褒賞を次々と与えられてゆく。

 途中まで叙勲者の名が呼ばれ、ふと気づく。

 名を呼ばれているのは、地方騎士団の騎士服を着た騎士たちばかりである。

「王立騎士団の騎士の名が、1人も呼ばれていませんね?」

 扇子で口を隠し、アイルがヒソヒソと隣のフジャヌに話し掛けると…
 

「先の魔獣退治と、此度のコトで王立騎士団の連携が悪く、むしろ足を引っ張るコトが多かったのだ」
 
 意地の悪そうな笑みを浮かべ、フジャヌは叙勲者たちに視線を留めたまま口を開いた。


「確かに… 王立騎士団の騎士が、一番怪我人が多かった気がします」

 成程とアイルが頷くと…


「指揮能力が疑問視された、今までの王立騎士団の騎士団長をクビにして、大臣方と王太子殿下と国王陛下がパダム様の意見を取り入れ、国中の騎士団を総括する役職を新たに作り、その役にパダム様が付き、現在は王立騎士団の再編成をされているのだ」

「再編成?!」

「この後、そのコトも発表され、ハンガットたちは明日から王立騎士団の隊長になるというワケさ」

「まぁ!! 上級貴族ダケの騎士団ではなくなると言うコトですね?」

「クソ生意気な能無しどもの、尻を蹴とばせると言うワケだ! 流石パダム様だ、ありがたい!!」




 フジャヌも王太子に呼ばれ、王の前に跪くと新たな領地を与えられ、爵位が1等上がり…

 なんとオバット伯爵が、オバット侯爵になり、コレにはアイルも口をパカリと開いて目を白黒させた。


「フジャヌ様がもっと存分に、治療師として力を振るえるようにと、王太子殿下の配慮ですよ」

 真相をクルスイが隣から教えてくれ…


「ずっと苦労されていましたからねフジャヌ様は」

 クルスイの向こう側から、ブラットも嬉しそうに口を挟み笑っていた。


「ああ… お兄様」

 自分が魔法を使えなくなっていた原因が、全て叔父のせいで、その叔父のせいで兄はずっとその能力に見合わない、役目を押し付けられていたのだと、クルスイとブラットから聞いた。




 最後にアイルが呼ばれ、おずおずと国王陛下の前に跪くと…





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