呪われた騎士に贈られた花嫁

金剛@キット

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75話 説教

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 アイルの頭の両側面に、握り拳を…

 グリッ… グリッ… グリッ… グリッ… と押し付けるフジャヌ。


「痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い―――――っ!!」

 涙目のアイルは、9歳頃まで母にされていた…

"約束を破った時のお仕置き" を、フジャヌにされていた。


「全くお前は、何度言っても、学ばない奴だな!! 愚か者め!!」

 目を吊り上げて、説教するフジャヌ。


「ううううっ~ ゴメンなさい、お兄様…」

 真赤な顔で、アイルは謝る。

 お仕置きは、フジャヌが手加減しているから、ほとんど痛くは無かったが、とても恥ずかしいのだ。


「まぁ、そう怒るなフジャヌ! 今回は、私も悪かったのだから」

 パダムが、取り成そうとするが…

「パダム様も、パダム様です!! 今がどれだけ、アイルにとって、大事な時か分かっていて、こんなコトを、一緒になってやっているのですから!  いや、むしろパダム様が率先して、唆したのは分かっていますよ?!」

 最近はパダムが相手でも、説教をするようになった、ツワモノのフジャヌ。


「ううううっ…ソレはだな…」

 命の恩人である上に、普段から面倒ごとを全部、フジャヌに丸投げしているパダムは、地位は王子でも、立場は下になりつつある。 


「大体この格好は何ですか?! ふざけ過ぎです」

 フジャヌが、憤慨するのも、無理もない。


 パダムは椅子に、座っているが…

 アイルは前夜、着ていたイブニングドレス姿で、パダムの膝に座っていた。

「いや、久しぶりの再会だからだな… 一時も放したくないのは、まあ… 男の本能みたいなものではないか?」

 アチラ、コチラと視線が宙を彷徨い、フジャヌと眼を合せずパダムは言い訳をした。


「私も同じ男ですが、自分の恋人を膝に乗せたまま、説教させるような恥知らずではありませんよ?」

「うううっ… 恥知らずとは、少し厳し過ぎはしないか? なぁそう思わないか? スカラン?」

 フジャヌに説教され、タジタジと、パダムは向かい側に座る弟に、話を振る。

「確かに、少し厳し過ぎるぞ、フジャヌ!」 

 そういう王太子の膝には、顔を真っ赤にした、王太子妃が座っていた。
 
 昨夜は、王太子の寝室でも、情熱的なやり取りが、起きたようである。



「どうやら、私の治療の効果が、さっそく出たようで、何よりですよ!」

 フジャヌは、異常に冷たい目で、王太子を見る。


「良いではないか! スカランが元気なら、何なら今すぐ寝室へ戻って、子作りに励んで欲しいぐらいだ!!」

 パダムが大声で話しながら、機嫌良く王太子を、見つめると…


「はああっ!!」
 
 羞恥に耐えられず、王太子の膝に座った、王太子妃が顔を両掌で隠す。


「もう、パダム様ったら、そんな言い方したら、妃殿下がお気の毒ですわ!」

 アイルのお腹に、グルリと巻き付いた、パダムの太い腕を、キュッと柔らかく抓る。

「ハハハッ… そうか?」

 アイルの首筋に、チュッとキスを落とすパダム。


 部屋の端で、ハンガットを含めたパダムの部下たちが、赤い顔でそのやり取りを、見ていた。



「そろそろ良いかな?」

 クラン公爵と、パダムの婚約者のブラヌが共に顔を出す。

「ああああっ―――――!!」

 流石のアイルも、パダムの膝から飛び降りようとするが、ガッシリ巻き付いたパダムの腕が、許さなかった。


「まぁそう、慌てるなアイル!」

 パダムはのんびり言うと、チュッとアイルの首筋に、再びキスを落とす。

「パ… パ… パ… パ… パダム様!!」

 妃殿下同様、真っ赤になって、両掌で顔を隠すアイル。




 フジャヌが、意地悪そうに、ニヤリと笑う。




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