花嫁になれなくて。

金剛@キット

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14話 囚われの花嫁2

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「おい!! ・・・コレの鍵は何処だ?!」

 ジャラジャラと鎖を引っ張り、英俊は明穂の手枷に付いた南京錠を持って、小男花婿睨に怒鳴る。

「今・・・ 今スグ出て行け!! 家宅侵入で・・・ 警・・警察を呼ぶぞ!!」

 真っ赤な顔で、必死に威嚇する小男花婿を、英俊はゆっくり立ち上がると、上から見下ろし威圧した。


「わぁ~っ! 可愛い~っ!! 明穂くん百鶴JKの次は純白の花嫁?」

 ニコニコと建樹は、終始変わらず微笑みながら、鎖で繋がれた明穂を、スマホで撮影する。


 小男花婿は、英俊を見上げて掴みかかるが・・・

「呼べよ警察! アンタ妻子持ちだって? 本当に良いのか? 若い男にドレス着せて、鎖で繋いで監禁してるの見つかっても平気か?」

 小男花婿はサッと、英俊から離れた。

「確か先生って入り婿だよね? 美容整形外科? 腕が良くてもバレたら大変そう!!」
 
 ニコニコと建樹は英俊の脅しに補足を入れる。


「鍵を出せ!! もう2度と明穂に手を出すなよ先生?」

 無表情で小男花婿を見下ろす英俊。


 
 明穂は我慢できず、英俊に食って掛かる。

「何で来たの?! 僕に干渉するなよ・・・ 帰る気無いから!!」
 
 反抗的な明穂の顎を掴み、英俊は睨みつけ黙らせる。


「不倫の片棒担いで、子供がいる家庭を、お前が原因で崩壊させても良いのか?!」

「・・・!!」

 ハッと息を呑み、固まる明穂を畳み掛けるように英俊は諭す。


「母子家庭で育ったお前なら、その罪深さが分かるだろう?」

「・・・・・・」

 真っ赤な顔で、悔しそうに明穂は黙り込む。

 
 建樹が小男花婿から鍵を受け取り、英俊に渡す。


「それと先生! ウチのオーナーが若い子の荷物を取り上げて、部屋に軟禁するような人は客として不適格だから、彼の経営する全店舗に出入り禁止だって! さっき証拠映像撮ったしね」

 ホストクラブ、SMクラブ、アダルトグッズ専門店、マッサージ店、高級レストラン、カフェ・・・ ゲイ専門風俗、その他もろもろである。 


「冗談だろう?!」

 驚愕する小男花婿を置いて、建樹は棚に並ぶディスクを次々と手に取り眺めると、床に重ねて置く。



「ココの住所教えてくれたのも、オーナーだよ? ちなみにオレの彼氏だから!!」

 何となく誇らしげな建樹。




「おい!! 先生、早く明穂の荷物を返せよ!」

 赤い顔でぐったりとする明穂を抱きかかえ、激怒する英俊。



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