辺境に捨てられた花の公爵令息

金剛@キット

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158話 反逆者たち

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 室内を真夜中のように暗くしていた分厚いカーテンを全て開き、曇り空から差し込む灰色の陽光がボンヤリとだが国王の寝室を照らした。


「陛下! 陛下!! そろそろ起きて下さい! あまり眠っていると目が腐ってしまいますよ?!」
 プファオ公爵は国王の友人として呼びかけた。

「・・ああ・・・ウル・・サ… 起・・る・・か・・そう・・・怒鳴・・な・・プ・・ファオ・・・」

 ガサガサに荒れた喉から、絞り出すように出た国王の声は、ひどくかすれて聞きづらかった。

 国王はプファオ公爵を最初に見ると、その隣で王の手を握り涙目になったリヒトへと視線を移しニコリと微笑んだ。


「陛下、お久しぶりですなぁ」
 リヒトの肩に手を置き、後ろに立っていたシルトは国王と目が合い、のんびりと声をかけた。

 国王はシルトの顔を見て驚くが、すぐに微笑みを浮かべ小さくうなずいた。

「陛下、起きたばかりのアナタを急かすのは不本意ですが、あまりのんびりとはしていられません… 今の状況をご説明させてください」
 プファオ公爵が横から口をはさむと、国王は長い間昏睡状態だったとは思えないほど、鋭い眼をしてうなずいた。


 全てを聞き終わると、国王は大臣を招集し、古参の側近たちと書記官を呼んだ。

 身体が弱り切って自力では動けない為に、国王の寝室が臨時の執務室となる。


「ちょうど良かった! 陛下の執務室にはリーラ公爵の首と胴体が転がっていて、その前の廊下には息子の塊が落ちているし… あれを綺麗に掃除するのは時間がかかるだろうからな」
 カラカラと笑い、雑談でもしているようなシルトに、リヒトはギョッ… と目をむいたが…
 国王陛下とプファオ公爵は仕方ないなぁと、苦笑いを浮かべた。



 大臣たちが集まると、国王が1番最初に命令したのが、侍医の口から国王が昏睡状態におちいった経緯を、詳しく聞くことだった。


「つまり… リーラ公爵はブラウ公爵と共に、王家を乗っ取ろうと、プファオ公爵に自分たちの罪を被せたのですね? これは明らかな反逆です!!」
 血の気の多い大臣の1人が声を荒げるが…

「そうと決まれば、2公爵を捕らえて…」

「いや、そういう無駄な時間をはぶくために、私が全員首をねておいたから、"反逆罪で処刑された大罪人" として、王宮前広場に首を並べて曝してはどうだ? 少々野蛮だが簡単で良いだろう?」

 鷹揚おうような態度で話すと、シルトは耳の穴をこりこりとかいた小指を抜いて、ふうーっ… と耳垢を吹き飛ばした。


「そ… それは… シュナイエン辺境伯殿、なんて素早い!」
 シルトが口をはさむと、大臣たちは怯みタジタジとなる。

「ふむ… 確かにそれは良い手ですなぁ… 2公爵家の協力者がまだこの王宮内や、神殿にも潜んでおりますから… その者たちに2公爵は罪人として死んだと、自分の目で確認させれば、これ以上面倒な邪魔は、無くなるでしょう」
 プファオ公爵もシルトに同調し後押しした。


「反逆者たちの件は、どうか私にお任せ下さい!」

 側近の1人が自ら名乗り出た。


 リーラ公爵が、自分の長男を国王の側近にする為に、強引に閑職かんしょくへと追いやられた人物だった。







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