第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ?

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聖玉なしのお茶会という名の尋問

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「帰りましょうか、サウスリアナ様。」

後ろで見守ってくれてた先生が私の背に手をあてて扉に向かう。

「そんなに急がなくてもいいでしょう。美味しいお茶を用意してあります。」

アルマエル様が帰ろうとした私の前に素早く回り爽やか笑顔で引き止める。

「ご冗談を。もう私達には用はないでしょう。」

笑顔だけど目が笑ってない。
先生も私が犯罪者の心を折るための餌だと気づいたよね。

「御足労頂いたのにお茶の一杯も出さない程非情ではありませんよ。
どうか教会の誠意を受け取って下さい。」

誠意って何かね?

「教会の誠意とはいきなり呼び出されて犯罪者に罵られ、疲れたか弱い令嬢が帰ろうとするのを引き止める事を言うとは驚きました。」

「お疲れになられたご令嬢の疲労をとる為のお茶です。」

この2人は水と油、笑顔でバチバチ。
誰か止めてーー!

「聖玉を使わずお聞きしたいことがあります。こちらへ」

いや、止めてと思ったけど、空気読んで、エジエル様!
2人の微妙な顔を見もせずに先に行かないで!!




結局私と先生、2人の枢機卿とお茶会してます。
エジエル様が言うだけ言って行っちゃうから付いて行くしかなかった。

「サウスリアナ様に聞きたい事とは?」

黙ったままお茶を飲むのが苦痛になってきた時、先生が聞いてくれた。
アルマエル様はカップを置いて私を見た。

「サウスリアナ様は記憶がなく、日記を読んだだけで誰も不審に思われない程、刺される以前の行動をなぞられた。
でしたら刺傷事件はサウスリアナ様の誘導だったかどうか、個人的意見でよいのでお聞かせ下さいませんか?」

なるほど。日記を見せてくれって頼むのは流石に出来ないけど、日記を読んだ私からの感想で日記に書かれている内容を推察しようって訳か。

うーん、どうしよう。
リアナの心をどんな形であれ勝手に暴くのは嫌だ。それも推測で。
日記を読んだ本人サウスリアナが言ったら、それが真実になる。

勝手に押し付けられた人生だけど、それはしたくない。

「貴女が何を言おうとそこまで重要視しないので大丈夫ですよ。」

重要視しない?
アルマエル様の言葉にカチンときた。

「この間300年前の大罪人を踏まえて聖職者は人の心もお勉強していると言ってましたよね。
その結果が今の発言ですか?
もう一度お勉強し直した方が宜しいかと思いますわ。」

全くわかってないようだから。
参考程度の気持ちで軽々しく聞いてくる無神経さにびっくりだよ。

「お気に触ったなら謝ります。」

「お気に触ったかどうかも解らないのでしたらやはり一から学ばれたら如何です?
私はサウスリアナが死んだと思っていると言いました。
他人である私がサウスリアナの日記を読んだのは非常事態だったからです。
本来なら故人の秘密を暴く真似など決してしません。」

あんたらは死者を冒涜する行為をしろって言ってんだよ!

「神ノーダムを至上と思われるなら神が作りたもうた人の心に寄り添わずして神の御心に近づけると本気で思ってます?」

コイツらにわからすには神を持ってこなきゃダメだ。

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