第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ?

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私も聖玉で尋問されます(涙)

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「では始めます。サウスリアナは聖玉に両手を置きなさい。」

エジエル様に言われ台座に置かれた聖玉に両手で触れた。

「記憶喪失と診断されましたが、本当ですか?」

あ、やっぱりそれが知りたかったのね。

「いいえ、記憶喪失だとは思っていません。わたくしはサウスリアナは一度死んでしまったと思っています。キーク様に殺され今の・・わたくしになりました。ですから、左肩の痛みと熱で目覚めた時がわたくしの始まり・・・・・・・・です。」

一息に言ってエジエル様達を見る。
聖玉は黒と紫で彩られている。
今私の感情は犯罪者やリアナを踏みつけた奴らに対する怒りと憎しみしかない。

「記憶はありませんが、今まで見聞きした事でキーク様達に対して良い感情は全くありません。
それはご承知おきくださいませ。」

「では今までまるで記憶がある様に振る舞えたのは何故ですか?」

うーん。そこも突っ込まれるとは予想したけど犯罪者の前で言いたくないんだよね。
此奴にはずっと悶々として欲しいし。

「それは····」と言って犯罪者をチラッと見る。
そして首座主教様をチラッ。

首座主教様はエジエル様をチラッ。

エジエル様は教会騎士をチラッ。

教会騎士は犯罪者を目隠しと耳栓で塞いた。いきなり塞がれた犯罪者は抵抗しようとしたけど、教会騎士にがっつりホールドされている。

目線だけで伝言ゲームが出来た。しかもパーフェクト!
ちょっと見直しました。

「わたくしが記憶がある様に振る舞えたのは日記があったからです。日記には学園に関する内容が事細かに書かれていました。」

聖玉が青に変わる。悲しいと青になるのか。

「日記には神前裁判に触れていましたか?」

「はい。命を賭しても自身の無実を証明したいと。」

「ではアルマエルが学園に行く日を狙って計画したと書いてありましたか?」

「いいえ。」

それは書いてなかった。だからお父様から聞かされるまで神前裁判が自分に関わってくるなんて思わなかったもん。

「何もですか?」

「はい。」

書かれてないって。

「サウスリアナ。今からキークの拘束を手足以外解きます。耐えられなくなれば言って下さい。」

あ、ちょっとは気遣ってくれてるのね。それでも喋らせるんだ。

犯罪者は耳栓、目隠し、猿轡を外された途端、叫び出した。

「お前が俺を嵌めたんだろ!でなきゃなんで刺されてすぐに枢機卿が来て神前裁判の申請ができるんだよ!!」

「キーク様。わたくしには刺される前の記憶がありません。ですから知りません。」

ふっふっふ。此奴にはさっきの発言は聞こえてないもんね。
あ、聖玉が茶色になった。
まあ、色の意味わからんからいいか。

「嵌めたと仰いますが、本当に嵌めるつもりなら秋の庭園ではなく、枢機卿の休憩室から見える春の庭園、もしくは夏の庭園を指定した筈です。
気付かれるかどうかもわからない秋の庭園を指定したのは記憶がないわたくしでも不自然に思いますわ。」

疑われたくないにしてもアルマエル様の休憩室から見えない秋の庭園にしたのは何故かわからない。

「それには何か理由があるんだ·····」

犯罪者、声が小さくなってるぞ。

「どんな理由ですか?
もう一度言いますが、貴方に刺される前の記憶がないんです。嵌めたかどうかもわからないのです。」

「サウスリアナは真実を述べています。」

エジエル様、ナイスアシスト!

「そんな嘘だ。皆して俺を騙してるんだ!」

往生際が悪いなぁ。

「何故貴方は騙されてると思うのですか?」

「それはキリカを犯罪者にする為にっ!!」

アルマエル様が無情にもその発言を切り捨てる。

「騙さなくても聖玉を侮辱した罪だけで極刑決定ですよ。
騙す意味がありません。」

犯罪者は絶望した顔で嘘だと繰り返している。

「サウスリアナの質問は終了します。聖玉から手を離して構いません。」

エジエル様の言葉でほっとして手を離した。


ん?これって私に疑いがあってしたんじゃなくて、犯罪者の心を折るための茶番なの?

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