鉄臭い義手女になんの御用ですか?〜妹に婚約者を取られ、居場所も失った、戻ってこい?、自由気ままな今の生活が気に入ってるのでお断り〜

ターナー

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12、冒険者ランク昇格

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「おめでとうございます、リフィルさん」

どうやら追いかけて仕留めたのは盗賊団の頭だったらしい、盗賊達をギルドへ連行………事情聴取を取られた後、当事者だからと後処理が終わるまで待たされること数時間、なぜか受付嬢さんに祝福される私。

「おめでとう?、どういう事ですか?」

「この度、リフィルさんの冒険者ランクアップが決定しました」

「え?」

突然の事に呆然とする私。

「リフィルさんとルーガスはFランクからEランクへと昇格となります」

「おお、やったなリフィル」

「そう……なの?」

ルーガスは祝福してくれるが、いまいち実感が湧かない、だって冒険者になってまだ数日くらいしか経ってないのだ。

私の疑問を理解しているらしい受付嬢さんは詳細な説明を始める。

「昇格には通常、一定数以上の依頼を達成した後、昇格試験に受からないといけませんが、今回の働きによって特例としてランクが上がりました」

「……オーガのツノの件ですか?」

「まぁ当たらずとも遠からずです、先ほど連れてきた『無限の水牙』は冒険者も騎士も迂闊には手を出せなかった、それをほぼ一人で壊滅させた事と、検査の結果、リフィルさんが提出したのは正真正銘オーガのツノ、低ランクの冒険者が恐れていたオーガを倒してくれたことも加味して、ランクアップが決定しました」

「そっか、ありがとうございます」

「いえいえ……むしろすみません、本来ならばもっと上のランクに上がっててもおかしくないのですが……」

「?」

「『無限の水牙』は依頼で言えばC+の危険性はありました、それを二人で解決したリフィルさんとルーガスさんはCランクに相当する実力を持っているとギルドマスターは判断したんですが……」

「でも実際にはEランク……どういうことなの?」

私は受付嬢さんに疑問をぶつける。

「あーー、その、なんだ、新入りや下っ端のランクをそう簡単に二、三段階も上げちまうと………」

「はい………他の冒険者さん達によく思われませんし、依頼人からしても、このギルドはまだ数日の新人をCランクにするのかと、クレームも飛んでくるそうでして……」

「ああ、なるほどねぇ~」

いろんな事情があるみたいだな………。

「ま、私みたいな新人のランク上げる事が特例なんでしょ?、Cランクにしろなんて贅沢は言わないさ」

「え?、良いんですか?」

「うん………だってルーガスと一緒に景色も楽しみながら上げたいからさ」

「ーーへ??\\\\、な、ナナナ、何言ってんだお前!!」

「なぁーに、顔を赤くしてんの、私とルーガスの仲じゃん♪」

私が冗談めかすとルーガスの顔は一瞬で茹で上がる、私は肘で彼の胸をつつく。

「ふふ、では、お熱い二人にあとは任せて私は失礼しますね」

受付嬢さんも悪ノリを始める、私たちはギルドを後にした。


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