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20、(ざまぁ)、side勇者パーティー、帰り道
しおりを挟む勇者ロゴミス達は、『終わりなき園』の攻略を中断、5、6日後にグロッサの街へと帰った。
…………ほぼ一週間もかかったのは、食糧管理すらしてなかったからだ………普通何日もかかる攻略をする場合、食料や水を大量に持ってこなければならない、…………それか、尽きる前に一回撤退するべきだったのだが、彼らは何も考えず無意に時間を費やし、食糧や水を消費してしまう。
そして、いざ帰るだんになったら、食料が残りわずかでとても町までもたない事に気づいた、近くに森があったので小動物を狩る事で食糧はなんとかなるが、水の調達が難しかった、仕方がないのでシャーリーに水魔法で補う………しかし、それはつまり後方火力のシャーリーの魔力を浪費することに他ならない、魔力耐性の高い魔物など出てきた時にまたもや苦戦する………リフィルがいれば、後ろから援護するなり、前に出てロゴミス達が魔力を溜める時間を稼いだりできたが……今はいない。
これまでは今持っている食糧なら何日持つのか判断するのがリフィルの仕事だった………リフィルの仕事というより、他のパーティーメンバー達が誰もやりたがらなかったので、消去法でリフィルがやらざるを得ないと言った方が正しかったが。
リフィルを追い出した今、誰かが代わりにしなければならない、しかし、ガンツも、イザベラも、シャーリーも、そしてロゴミスも、全員が全員、誰かがやるだろう、自分の仕事ではないと、無意識に楽観視していた。
今まではそのスタンスで何も問題なかった、誰もやらないなら自分がやらなければと思えるリフィルが居たから……だが、もう彼女はいない、その弊害が如実に現れていた。
そんな無責任な考えが、食糧や水不足に陥るという、冒険者はおろか、観光客ですら笑ってしまう失敗をしてしまった、完璧な存在である自分達がこんな初歩の初歩の初歩じみた失態に苛立つロゴミス。
「クソッッッ」
「………リフィルがいれば」
「うるさい黙れ!!!、追い出した俺が悪いって言うのか!!」
「……………別にそんなこと言ってない、冷静になれロゴミス」
「紛らわしい!!!、調子に乗るなよ!!!!」
ガンツの呟きに食ってかかるロゴミス、困惑しながら返事をするガンツにさらにイライラをぶつけるロゴミス。
後ろにいるシャーリーとイザベラは仲裁にすら入らない、自分にロゴミスの怒りが飛び火したらたまらないからだ……徐々に、だが確実に、パーティーに不協和音が流れ出している。
「フー、フー……まぁ良いだろう、リフィルを探すぞ、きっと追い出されて、一人途方に暮れているはずだ、そこまで金は持ってないから、他の街に行くにしても路銀を稼がなければ動けないはず」
「もしかしたらもう行き倒れてるかもよ~キャハハ」
「酒場で情報収集をしてみましょう」
「だな」
イザベラの提案に三人とも同意、ロゴミス達は最初に酒場に行く。
「リフィル?、ああ、リフィル・ペンドラゴンか?」
「し、知ってるのか??!!」
「知ってるも何も、今一番有名な冒険者なんじゃねぇか?」
「ぼ、冒険者だと??!!」
「ああ、『無限の水牙』を捕まえてーーーーあれ?兄ちゃんどこ行った?」
酔っ払いから話を聞き出したロゴミスは最後まで話をよく聞かず、その場を離れる。
「どうやら、冒険者になったようだ」
「プッッッ、冒険者ってwwwwwww笑うんですけどぉ」
「まぁお似合いではありませんか?」
「なら、冒険者ギルドにいるってことか………」
俺達はひとしきり笑った後、冒険者ギルドに向かう
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