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28、sideハルバート、コトハに対して
しおりを挟む「私に触れると危ないよ」
俺が暴漢に絡まれてると、彼女は助けてくれた、男達が彼女に触れた瞬間、白い斬撃が何本も走る、蜘蛛の子を散らすように逃げる男達…………彼女は綺麗だった、黒真珠の瞳に夜空のような黒髪、玉のよう肌………下衆な男達の血すら、彼女の美しさを際立たせる素材となる。
「送ってあげるよ」
俺は見惚れてしまってうまく喋ることができなかった、辛うじて名前を言うのが精一杯だった。
「ZZZZZZZZ~~~~」
名前はコトハというらしい、コトハの事が頭から離れず、はしたない事だとはわかっているが、彼女の布団に潜り込み、朝まで寝る、彼女の横で寝るのは安心したし、よく眠れた。
アイシャとやらに因縁をつけられ、コトハは適当に流そうとするが、俺はそれが許せなかった、悔しくて堪らず、つい決闘を受けてしまう…………恐らくアイシャが細工をしてコトハの剣が折れてしまうが彼女はどこ吹く風で汗一つかかず勝ってしまう。
ウィリアムとの戦いでも圧倒的な実力を見せつけ、勝ち切る。
苦手なオルク兄様に決闘を申し込まれた時はコトハが勝たせてくれた。
強くなりたいという俺の願いを聞き入れ、鍛錬をつけてくれている。
………いつまでも守られるだけじゃなく、彼女を守ってあげられるくらい強くなりたい………。
「ーーーんぁ……??」
「起きましたか、ハルバート様?」
「セバスチャン………」
「こんな所で寝たら体を冷やしますよ」
「………コトハは?」
「そういえば、まだ帰ってきてませんね……休憩にしては少し長すぎるような」
「様子を見に行こう」
「わかりました」
いつの間にか寝てしまっていたのか、木陰のベンチで起きる俺………いまだに帰ってきてないコトハが少し心配になったので彼女が行ったトイレの方へと移動、そして探す。
「ーーーーあ、いた………?」
「対戦前に広げる手には一体どういう意味があるのですか?」
「ああ、塵手水ね………空中の塵で手を清めて、そして広げた両手には何も持っていない正々堂々の意思表示………だったような気がする」
「おお、なるほど!!!」
……なぜかシスターと話しているコトハ………。
「お、おいコトハ……」
「あ!!、すいませんハルバート様、長く休憩をとりすぎて……ごめん、クリス、私仕事だからもういくね」
「いえいえ、こちらこそお仕事中のところすみませんでした」
シスターに一言謝り、俺達の方へと近づいてくる彼女………日も暮れていたのでそのまま帰宅する俺達。
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