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健介は某プロレス団体の伝説的存在だった。
当時の日本人としてはズバ抜けた100kg近い体格でデビューし、日本人外国人問わずたくさんの名勝負を積み重ねてきた。
デビューから約30年。
筋肉マンと呼ばれた体も、トレーニングの強度をどれだけ上げようがウェイトは80kg代まで落ち、何より最近の若者の骨格からして違う圧倒的な肉体とパワーの前には、もう以前のような輝きを放てなくなった。
何より同じ団体に賢二が入団したのがでかい。
“新人類”。
そう呼ばれるほど二十歳にしてその肉体は完成し尽くされ、他の男とは次元が違う領域に達していた。
身長2メートル。体重150kg。あらゆるプロレスラーを震撼させたのはその体脂肪率が5%未満な事だ。
まさしく筋肉の塊。
西洋人のようなスタイルに、化け物のような筋肉量を搭載した若雄。
ツーブロックにきっちり整えられ、EX○LEグループにでもいるような尖ったイケメン。
プロレスラーとは思えない風貌。
そして世の男達のプライドをへし折り羨望の目を集める、とてつもないチンコのデカさ。
賢二は超弩級にしても新人なので、黒いシンプルなブーメランパンツをコスチュームとしていた。
だがそれはもうブーメランと呼べるシルエットではなかった。
ズッシリと垂れ下がるそれの迫力は、賢二の競輪選手を越える大腿四頭筋(テレビの企画で腿周りの測定企画があり、圧勝していた)の間にあっても全く褪せなかった。
対戦相手など、ただでさえ賢二の怪力にフォールドされると全身を潰される恐怖に陥れられるのに、筋肉の塊のような、パンパンの密度の巨大なペニスをグリッ!ゴリッ!と押し付けられ、雄として何もかも圧倒的な賢二の存在に心身共にメタメタに痛めつけられた。
賢二はチャラい見た目に相応しいヒールとして活躍したが、リングを降りると爽やかな好青年振りで、先輩にもスタッフにも礼儀正しく皆に愛されていた。
健介にも「昔からたくさん動画で試合見てました!ファンです!」と両手でブンブン握手され、自分に引導を渡す選手に対する気後れなどなくしてしまった。
人好きがするやつで色々とツテを紹介してやったり、うまいもんを食わせてやった。
そのかいもあって、賢二はあっという間にスターダムを駆け上がった。
俺の最後の仕事は賢二を世に出すことだったんだな、と健介は感慨深い思いに囚われ、自分の引退試合が賢二の前座扱いになろうと文句は言わなかった。
自分の古参のファンが、賢二を知るきっかけになれば良い。
引退試合は華々しく健介の勝利で幕を閉じた。
盛大な演出で盛り上げてもらったが、正直観客の期待も、スタッフの神経もメインの賢二の試合に注がれているのがわかり寂しくもあった。
仕方ない。世代交代とはそう言うことだ。
ロッカーに戻り、着替える気にもなれないままモニターで賢二の試合を見る。
試合は1:2だった。
賢二の圧倒的すぎるパワーに対抗できる選手はもう誰もいなかった。
だが二人がかりで締め上げようが賢二は単純なパワーだけでまとめて跳ね飛ばし、まとめてぶちのめしていた。
強すぎる。
人間、雄としての次元が違う。
健介は嘆息した。
普通若手選手は特に専用ロッカーなどは用意されないが、トップレベルの選手だけ専用のロッカーとシャワールームがあてがわれる。
今日ロッカーを使えるのは健介と賢二だけだった。
遠慮して置くを使った賢二は、健介が出ていく前、「生じゃ見られないですけど、モニターで目に焼けつけます。最後の勇姿、みせてください」と熱い奨励をくれた。
その言葉に応じられるくらいの試合はしたつもりだ。
終わった。
最後に何かうまいもの食わせてやって、俺はここを去ろう…。
健介がそう思っていると、試合を終えた賢二が戻ってきた。
100kg近い猛者2人をぶちのめした直後とは思えない、傷一つない、軽く汗ばむ体。
改めて相対すると、ツヤッツヤの若々しい肌を引き千切らんばかりの凶悪なバルクを誇る完熟筋肉体の賢二の迫力は息が詰まるほどだ。
2mの見上げるような長身、ズバ抜けた肩幅、健介の脂肪を載せた体を筋肉だけでぶち抜く厚み。
最近の若者らしいスタイルの良さ。
もはや健介とは違う、より高性能にバージョンアップされた人類と向き合うようだった。
ブーメランパンツも、もはや局部を隠す呈をなさない程、巨大過ぎるペニスに引き伸ばされ500mlペットボトルよりも太く長い形をくっきりと浮き上がらせていた。
ズッシリと垂れ下がるそれは、健介含め全ての男達を惨めにさせるに十分なデカさだった。
勃起してもかなわない。半分にも満たない。
同じ団体の後輩で、チャラい見た目に反した礼儀正しい男だからなんとかフラットに会話できるが、赤の他人だったらまず絡まない。
健介は情けなさに目をつぶり、「おう!お疲れ…」と賢二に手を上げたが、賢二はそれには答えずニヤッと笑うと、健介を避ける様子もなくズンズンと向かってきた。
「お、おい…」
自分の数倍の体積を誇る完熟筋肉体が遠慮なく接近してくる。
年輩の自分が引くのはおかしいだろう、という根っからの体育会系の考えが拭えずにいたせいで、足が動かなかった。
賢二は全く容赦なく、そのままドカッ!!とその筋肉で膨れ上がったバルクマッチョボディーで健介を跳ね飛ばした。
「ブフッ!?」
賢二はただ歩いてぶつかっただけだが、約70kgの体重差は凄まじく、健介は宙に浮くようにして突き飛ばされ、背中からロッカーに叩きつけられた。
ドガッ!!!ドシャッ!!!
ロッカーが凹み、上に置かれていた雑多ものがドサドサと健介に降り注ぐ。
うっ…ごっ…、と呻く健介に、賢二が、ハハッ!と笑ってから虫でも見るような目で、
「ってかいつまで残ってんだ?
俺がシャワー出るまでに全部片付けとけよ」
と横柄に言い放った。
普段からの豹変振りに咄嗟に言葉が出ない。
「おま…お前……」
口をパクパクと動かす健介に、喋れないくれえ耄碌してんのか、と賢二が吐き捨てる。
さすがの健介も堪忍袋の緒が切れる。
がばりと起き上がり一気に詰め寄る。
「てめえ!あんま舐めた口を」
「あ?」
肉迫した健介に賢二が体ごと向き合い、圧力すら感じる視線で健介を見下ろした。
健介の顔より大きい、樽のような大胸筋を眼前に突き付けられ、一瞬で健介の熱が冷や水をぶっかけられたように消えてしまう。
「なんか言ったか?おっさん」
賢二がその規格外の筋肉を見せつけるように健介に詰め寄る。
はち切れんばかりに隆起する筋肉に押しのけられるように思わず健介は後退した。
その様子に賢二がぶはっ、と吹き出す。
健介の頭に血が上るが、目の前の賢二が発する圧力に言葉がつかえる。
「おま、お前、ずっと俺を馬鹿にしてたのか」
健介の言葉に賢二が、
はぁ~?と馬鹿にしきった声を出し、健介の倍以上ある質量と太さを誇る腿を突き出すように一歩詰めてきた。
当然健介が押し出されたたらを踏む。
「たりめーでしょ。お前みたいな小太りのおっさんをどう敬えばいんだよ」
「お前、お前…」
「お前お前うぜえ」
賢二は低い声でそう吐き捨てると、いきなりそのグローブのような分厚い掌でズバンッ!!!と健介の顔を張った。
健介の首が捻じ切れんばかりに顔がぐりんっ!と後ろを向き、横様に吹っ飛ばされる。
ドガシャッ!!!!
賢二の打撃をもろに喰らったのははじめてだった。
重鎮となった健介を、まだ二十歳になったばかりの賢二にズタボロにさせるわけにはいかなかったのだろう。
それは体力的に考えても、70kgと言う異様なウエイト差を考慮しても十分にわかることだったが、それを健介は心のどこかで受け入れられていなかったらしい。
粘りに粘ってきた格闘人生、それがまだどこか、賢二のような次元の違うマッチョにも通用するのではないかと、無意識に期待していた。
だが、そんな根拠のない自信はたった1発のビンタで吹き飛ばされた。
その豪腕から繰り出されたただのビンタで足が浮き上がる程吹っ飛ばされた。
熊のようなパワー。
頭からロッカーに叩きつけられ、くの字に折れ曲がったロッカーがバキッ!バギャッ!と崩壊する。
張られた左頬は、インパクトの瞬間顔半分を完全に潰され、数本の歯が折られ飛んでいった。
瓦礫の山に沈みながら、既におたふく風邪のように膨れ上がり始める。
賢二はたった1発のビンタで吹っ飛び、倒れ込む健介をゴミのように見下ろした。
「よっわ」
言い捨て背中を向ける。
「待てよ……」
突沸のような瞬間的な怒りが冷め、今度は腹の底から静かに燃える怒りが湧き上がる。
礼儀を失する賢二も、たった1発のビンタで伸びかけた自分も許せなかった。
ガラッ、ドシャッ、と瓦礫を落として立ちあがる。
ひた、と賢二を見据える。
賢二は鬱陶しそうに振り返った。
体重150kgのマッスルサイボーグに勝てるとは思えない。
だが、それでいい。
年下の面倒を見て先輩の面目を保った気になるのではなく、男らしく、ギタギタに負けて俺のプロレス人生を終わらせよう。
賢二にやられれば……骨が何本かへし折られるかもしれないが、伊達に何十年もやってきてない。
これで最後。
本当の世代交代だ。
俺の全てをぶつけて、散ってやる。
グッ、と姿勢を落とす。
化け物のような筋肉男相手に気を抜けば、一瞬で終わる。
全てを込めたタックル。
「ウォォォォ!!!!!」
健介は往年を思い起こさせる腹の底からの雄叫びを上げる。
メシィッ!と腿の筋肉を浮き上がらせ、ブーツのゴム跡が付くほど強烈に地面を蹴り、弾丸のように仁王立つ賢二に突っ込んだ。
往年を彷彿させる低空タックル。
賢二はよけなかった。
ドシッ!!!
「ッ…!!!」
顔面が金属を流し込んだような凶悪極太な腿にぶち当たり、思わず声が漏れる。
賢二の足は1ミリも動いていない。
ざり、ざり……なんとか押し込もうとする健介の足が床を滑る。
賢二はタックルを受けるのに身構えもしていなかった。
ただ立っているだけ。
全身の筋肉を浮き上がらせ渾身の力で押し込む健介を完全な自然体で受けきっている。
マジでバケモンかこいつ……!?
健介は額から垂れる汗を無視して……こめかみに乗っかかる、ズッシリと重い肉の塊に気づく。
それが規格外のサイズの賢二の亀頭だとわかりゾッとした。
そんな場合ではないがそのスケールの違いに意識を取られる。
なんつうチンコだ……丸々とした亀頭だけで並の男の竿全部潰せるほどデカく、重い。
ふと健介に魔が差す。
このバルクモンスター相手になりふりかまっている余裕はない。
ダーティプレイ上等だ。
ゴクッ、と唾を飲む。
やる…やってやる。
健介は賢二の右腿をホールドしたまま(脚が太すぎて両方はとても腕が回らない)、ヘディングをかますように頭を引く。
ドクッ、ドクッ、と鼓動が早くなるのが自分でもわかった。
潰してしまったらどうする……
いやその時はその時だ、
怪我なんて本物のプロレスラーが恐れることじゃねえ!
健介はぎゅっと気合いを込めると、ロケットのように頭を突き上げ、賢二の巨大ペニスを下から潰した。
ぎゅむ。
……はずだった。
人間の中で一番硬い頭蓋骨で、大の男が渾身の頭突きをかましたに関わらず、賢二の高密度のゴムのような、パンッパンに肉の詰まった魔羅は、それを悠然と跳ね返していた。
鶏卵よりデカい金玉が起こったように、ぎゅむりぎゅむりと動いていた。
理解が追いつかない。
ぐ、ぐいっ、と躊躇いがちに更に頭を押し込むが、ブリブリの極太マラに跳ね返される。
どっ、と健介の全身から汗が流れる。
と、賢二のペニスが突然ズンッ!!!!と容積を押し広げた。
ただでさえとてつもないサイズのモノが膨れ上がり、健介の頭を押し返す。
ガチガチに硬化した拳のような亀頭に勢い良く押され、健介は思わずドッと膝をついた。
勃起で大の男を跪かせる。
健介は思わずホールドした腕をとき膝立ちのまま、グングンと大きさを増し、特殊な強靱繊維で作られたブーメランパンツをビチッ!!!ギチッ!!!と引き裂きながらそそり立つ規格外の極太ペニスを見上げた。
「なんかさぁ…」
ひどくイラついた暗い賢二の声に、思わず跳び上がる。
「お前自分に酔ってねぇ?じじいの自己陶酔マジキモいわ…」
賢二が唾を吐く。
メギッ…ビギッ…ゴギュウッッッッ!!
賢二の筋肉が、見たこともないほど盛り上がり、分厚さを増していく。
当時の日本人としてはズバ抜けた100kg近い体格でデビューし、日本人外国人問わずたくさんの名勝負を積み重ねてきた。
デビューから約30年。
筋肉マンと呼ばれた体も、トレーニングの強度をどれだけ上げようがウェイトは80kg代まで落ち、何より最近の若者の骨格からして違う圧倒的な肉体とパワーの前には、もう以前のような輝きを放てなくなった。
何より同じ団体に賢二が入団したのがでかい。
“新人類”。
そう呼ばれるほど二十歳にしてその肉体は完成し尽くされ、他の男とは次元が違う領域に達していた。
身長2メートル。体重150kg。あらゆるプロレスラーを震撼させたのはその体脂肪率が5%未満な事だ。
まさしく筋肉の塊。
西洋人のようなスタイルに、化け物のような筋肉量を搭載した若雄。
ツーブロックにきっちり整えられ、EX○LEグループにでもいるような尖ったイケメン。
プロレスラーとは思えない風貌。
そして世の男達のプライドをへし折り羨望の目を集める、とてつもないチンコのデカさ。
賢二は超弩級にしても新人なので、黒いシンプルなブーメランパンツをコスチュームとしていた。
だがそれはもうブーメランと呼べるシルエットではなかった。
ズッシリと垂れ下がるそれの迫力は、賢二の競輪選手を越える大腿四頭筋(テレビの企画で腿周りの測定企画があり、圧勝していた)の間にあっても全く褪せなかった。
対戦相手など、ただでさえ賢二の怪力にフォールドされると全身を潰される恐怖に陥れられるのに、筋肉の塊のような、パンパンの密度の巨大なペニスをグリッ!ゴリッ!と押し付けられ、雄として何もかも圧倒的な賢二の存在に心身共にメタメタに痛めつけられた。
賢二はチャラい見た目に相応しいヒールとして活躍したが、リングを降りると爽やかな好青年振りで、先輩にもスタッフにも礼儀正しく皆に愛されていた。
健介にも「昔からたくさん動画で試合見てました!ファンです!」と両手でブンブン握手され、自分に引導を渡す選手に対する気後れなどなくしてしまった。
人好きがするやつで色々とツテを紹介してやったり、うまいもんを食わせてやった。
そのかいもあって、賢二はあっという間にスターダムを駆け上がった。
俺の最後の仕事は賢二を世に出すことだったんだな、と健介は感慨深い思いに囚われ、自分の引退試合が賢二の前座扱いになろうと文句は言わなかった。
自分の古参のファンが、賢二を知るきっかけになれば良い。
引退試合は華々しく健介の勝利で幕を閉じた。
盛大な演出で盛り上げてもらったが、正直観客の期待も、スタッフの神経もメインの賢二の試合に注がれているのがわかり寂しくもあった。
仕方ない。世代交代とはそう言うことだ。
ロッカーに戻り、着替える気にもなれないままモニターで賢二の試合を見る。
試合は1:2だった。
賢二の圧倒的すぎるパワーに対抗できる選手はもう誰もいなかった。
だが二人がかりで締め上げようが賢二は単純なパワーだけでまとめて跳ね飛ばし、まとめてぶちのめしていた。
強すぎる。
人間、雄としての次元が違う。
健介は嘆息した。
普通若手選手は特に専用ロッカーなどは用意されないが、トップレベルの選手だけ専用のロッカーとシャワールームがあてがわれる。
今日ロッカーを使えるのは健介と賢二だけだった。
遠慮して置くを使った賢二は、健介が出ていく前、「生じゃ見られないですけど、モニターで目に焼けつけます。最後の勇姿、みせてください」と熱い奨励をくれた。
その言葉に応じられるくらいの試合はしたつもりだ。
終わった。
最後に何かうまいもの食わせてやって、俺はここを去ろう…。
健介がそう思っていると、試合を終えた賢二が戻ってきた。
100kg近い猛者2人をぶちのめした直後とは思えない、傷一つない、軽く汗ばむ体。
改めて相対すると、ツヤッツヤの若々しい肌を引き千切らんばかりの凶悪なバルクを誇る完熟筋肉体の賢二の迫力は息が詰まるほどだ。
2mの見上げるような長身、ズバ抜けた肩幅、健介の脂肪を載せた体を筋肉だけでぶち抜く厚み。
最近の若者らしいスタイルの良さ。
もはや健介とは違う、より高性能にバージョンアップされた人類と向き合うようだった。
ブーメランパンツも、もはや局部を隠す呈をなさない程、巨大過ぎるペニスに引き伸ばされ500mlペットボトルよりも太く長い形をくっきりと浮き上がらせていた。
ズッシリと垂れ下がるそれは、健介含め全ての男達を惨めにさせるに十分なデカさだった。
勃起してもかなわない。半分にも満たない。
同じ団体の後輩で、チャラい見た目に反した礼儀正しい男だからなんとかフラットに会話できるが、赤の他人だったらまず絡まない。
健介は情けなさに目をつぶり、「おう!お疲れ…」と賢二に手を上げたが、賢二はそれには答えずニヤッと笑うと、健介を避ける様子もなくズンズンと向かってきた。
「お、おい…」
自分の数倍の体積を誇る完熟筋肉体が遠慮なく接近してくる。
年輩の自分が引くのはおかしいだろう、という根っからの体育会系の考えが拭えずにいたせいで、足が動かなかった。
賢二は全く容赦なく、そのままドカッ!!とその筋肉で膨れ上がったバルクマッチョボディーで健介を跳ね飛ばした。
「ブフッ!?」
賢二はただ歩いてぶつかっただけだが、約70kgの体重差は凄まじく、健介は宙に浮くようにして突き飛ばされ、背中からロッカーに叩きつけられた。
ドガッ!!!ドシャッ!!!
ロッカーが凹み、上に置かれていた雑多ものがドサドサと健介に降り注ぐ。
うっ…ごっ…、と呻く健介に、賢二が、ハハッ!と笑ってから虫でも見るような目で、
「ってかいつまで残ってんだ?
俺がシャワー出るまでに全部片付けとけよ」
と横柄に言い放った。
普段からの豹変振りに咄嗟に言葉が出ない。
「おま…お前……」
口をパクパクと動かす健介に、喋れないくれえ耄碌してんのか、と賢二が吐き捨てる。
さすがの健介も堪忍袋の緒が切れる。
がばりと起き上がり一気に詰め寄る。
「てめえ!あんま舐めた口を」
「あ?」
肉迫した健介に賢二が体ごと向き合い、圧力すら感じる視線で健介を見下ろした。
健介の顔より大きい、樽のような大胸筋を眼前に突き付けられ、一瞬で健介の熱が冷や水をぶっかけられたように消えてしまう。
「なんか言ったか?おっさん」
賢二がその規格外の筋肉を見せつけるように健介に詰め寄る。
はち切れんばかりに隆起する筋肉に押しのけられるように思わず健介は後退した。
その様子に賢二がぶはっ、と吹き出す。
健介の頭に血が上るが、目の前の賢二が発する圧力に言葉がつかえる。
「おま、お前、ずっと俺を馬鹿にしてたのか」
健介の言葉に賢二が、
はぁ~?と馬鹿にしきった声を出し、健介の倍以上ある質量と太さを誇る腿を突き出すように一歩詰めてきた。
当然健介が押し出されたたらを踏む。
「たりめーでしょ。お前みたいな小太りのおっさんをどう敬えばいんだよ」
「お前、お前…」
「お前お前うぜえ」
賢二は低い声でそう吐き捨てると、いきなりそのグローブのような分厚い掌でズバンッ!!!と健介の顔を張った。
健介の首が捻じ切れんばかりに顔がぐりんっ!と後ろを向き、横様に吹っ飛ばされる。
ドガシャッ!!!!
賢二の打撃をもろに喰らったのははじめてだった。
重鎮となった健介を、まだ二十歳になったばかりの賢二にズタボロにさせるわけにはいかなかったのだろう。
それは体力的に考えても、70kgと言う異様なウエイト差を考慮しても十分にわかることだったが、それを健介は心のどこかで受け入れられていなかったらしい。
粘りに粘ってきた格闘人生、それがまだどこか、賢二のような次元の違うマッチョにも通用するのではないかと、無意識に期待していた。
だが、そんな根拠のない自信はたった1発のビンタで吹き飛ばされた。
その豪腕から繰り出されたただのビンタで足が浮き上がる程吹っ飛ばされた。
熊のようなパワー。
頭からロッカーに叩きつけられ、くの字に折れ曲がったロッカーがバキッ!バギャッ!と崩壊する。
張られた左頬は、インパクトの瞬間顔半分を完全に潰され、数本の歯が折られ飛んでいった。
瓦礫の山に沈みながら、既におたふく風邪のように膨れ上がり始める。
賢二はたった1発のビンタで吹っ飛び、倒れ込む健介をゴミのように見下ろした。
「よっわ」
言い捨て背中を向ける。
「待てよ……」
突沸のような瞬間的な怒りが冷め、今度は腹の底から静かに燃える怒りが湧き上がる。
礼儀を失する賢二も、たった1発のビンタで伸びかけた自分も許せなかった。
ガラッ、ドシャッ、と瓦礫を落として立ちあがる。
ひた、と賢二を見据える。
賢二は鬱陶しそうに振り返った。
体重150kgのマッスルサイボーグに勝てるとは思えない。
だが、それでいい。
年下の面倒を見て先輩の面目を保った気になるのではなく、男らしく、ギタギタに負けて俺のプロレス人生を終わらせよう。
賢二にやられれば……骨が何本かへし折られるかもしれないが、伊達に何十年もやってきてない。
これで最後。
本当の世代交代だ。
俺の全てをぶつけて、散ってやる。
グッ、と姿勢を落とす。
化け物のような筋肉男相手に気を抜けば、一瞬で終わる。
全てを込めたタックル。
「ウォォォォ!!!!!」
健介は往年を思い起こさせる腹の底からの雄叫びを上げる。
メシィッ!と腿の筋肉を浮き上がらせ、ブーツのゴム跡が付くほど強烈に地面を蹴り、弾丸のように仁王立つ賢二に突っ込んだ。
往年を彷彿させる低空タックル。
賢二はよけなかった。
ドシッ!!!
「ッ…!!!」
顔面が金属を流し込んだような凶悪極太な腿にぶち当たり、思わず声が漏れる。
賢二の足は1ミリも動いていない。
ざり、ざり……なんとか押し込もうとする健介の足が床を滑る。
賢二はタックルを受けるのに身構えもしていなかった。
ただ立っているだけ。
全身の筋肉を浮き上がらせ渾身の力で押し込む健介を完全な自然体で受けきっている。
マジでバケモンかこいつ……!?
健介は額から垂れる汗を無視して……こめかみに乗っかかる、ズッシリと重い肉の塊に気づく。
それが規格外のサイズの賢二の亀頭だとわかりゾッとした。
そんな場合ではないがそのスケールの違いに意識を取られる。
なんつうチンコだ……丸々とした亀頭だけで並の男の竿全部潰せるほどデカく、重い。
ふと健介に魔が差す。
このバルクモンスター相手になりふりかまっている余裕はない。
ダーティプレイ上等だ。
ゴクッ、と唾を飲む。
やる…やってやる。
健介は賢二の右腿をホールドしたまま(脚が太すぎて両方はとても腕が回らない)、ヘディングをかますように頭を引く。
ドクッ、ドクッ、と鼓動が早くなるのが自分でもわかった。
潰してしまったらどうする……
いやその時はその時だ、
怪我なんて本物のプロレスラーが恐れることじゃねえ!
健介はぎゅっと気合いを込めると、ロケットのように頭を突き上げ、賢二の巨大ペニスを下から潰した。
ぎゅむ。
……はずだった。
人間の中で一番硬い頭蓋骨で、大の男が渾身の頭突きをかましたに関わらず、賢二の高密度のゴムのような、パンッパンに肉の詰まった魔羅は、それを悠然と跳ね返していた。
鶏卵よりデカい金玉が起こったように、ぎゅむりぎゅむりと動いていた。
理解が追いつかない。
ぐ、ぐいっ、と躊躇いがちに更に頭を押し込むが、ブリブリの極太マラに跳ね返される。
どっ、と健介の全身から汗が流れる。
と、賢二のペニスが突然ズンッ!!!!と容積を押し広げた。
ただでさえとてつもないサイズのモノが膨れ上がり、健介の頭を押し返す。
ガチガチに硬化した拳のような亀頭に勢い良く押され、健介は思わずドッと膝をついた。
勃起で大の男を跪かせる。
健介は思わずホールドした腕をとき膝立ちのまま、グングンと大きさを増し、特殊な強靱繊維で作られたブーメランパンツをビチッ!!!ギチッ!!!と引き裂きながらそそり立つ規格外の極太ペニスを見上げた。
「なんかさぁ…」
ひどくイラついた暗い賢二の声に、思わず跳び上がる。
「お前自分に酔ってねぇ?じじいの自己陶酔マジキモいわ…」
賢二が唾を吐く。
メギッ…ビギッ…ゴギュウッッッッ!!
賢二の筋肉が、見たこともないほど盛り上がり、分厚さを増していく。
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