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第一章
第一話 四番目の地球‐1
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ガラクタだらけの部屋から出ると、まず目についたのは緑、だった。
鉄製――というよりも機械製の廊下だったであろう場所は、壁が朽ち、天井が砕け、空いた穴から青い空が顔を覗かせている。
そんな、ボロボロの壁の隙間から入り込んでいるのは植物の蔦だ。
朽ちた鉄壁を覆う緑の光景は、どうしてか酷く悲しい気持ちにさせられた。
それは今の俺の身体が機械仕掛けだから、自分と重ねてしまったのだろうか?
部屋にあったガラクタも、ボロボロの壁も、穴の開いた天井も。見ていると、何故だかとても悲しい気持ちになる。あるのかは分からないが、心臓が締め付けられるような気持ちになる。
どうしてこの身体は機械なのか。そもそもここは何処なのか。理解できない事ばかりで、頭がどうにかなりそうだ。
「こっちよ。ついてきて」
その光景に見入っていたのは一瞬で、そんな俺を置いて女の子は歩き出す。無造作に伸ばされた、ボサボサの白髪が女の子の動きを追って空中に大きく広がった。
天井から差し込む太陽の光が白髪に反射して、広がった白髪が天使の羽のようにも見え……自分は何を考えているのかと呆れてしまう。
朽ちた鉄の世界――排他的な光景と見慣れない白髪の少女という存在はとても幻想的で、だからこそ変な事を考えてしまったのかもしれない。
立ち止まっている俺の事など見向きもせず歩き出した女の子の後を追い掛けながら、視線は忙しなく左右へと向いてしまう。
何処かに、今のこの現状を理解できるモノが無いか、と探してしまう。
俺が誰なのか。何者なのか。ここは何処で、どういう状況なのか。
まったく判らない。理解できない。
何らかの情報を持っているであろう女の子は居るが、話す事が出来ないのでは意志の疎通は難しい。
もう一度、自分の身体に視線を落とす。
鉄……で合っているのかも判らないが、機械仕掛けの身体。この身体もボロボロで、鉄で覆われているのは一部だけ。ほとんどの部分は人工筋肉が剥き出しになっている。
一昔前の、SFホラーの映画でよく見るような出来の悪い機械人間のようだ。
それが自分の身体だと思うと、どうにも複雑な思いになってしまう。
悲しいのか、虚しいのか……怖いのか。自分でも判らない。
そんな事を考えていたら、前を歩いていた女の子が不意に足を止めて振り返った。
「これでようやく、私も半人前。これからよろしくね、カイム」
「―――」
カイム。
それが俺の……この機械の身体の名前なのだろうか?
呼ばれ慣れない名前に、無駄とは判っていても首を傾げてしまう。
案の定、機械仕掛けの身体は首を傾げる事が出来ず、無言で女の子の言葉を受け止めてしまった。
その反応に満足したのか、女の子はまた満面の笑みで俺の名前を何度か呼んだ。
……カイム、と。何度も、嬉しそうに、楽しそうに。
違和感しかない名前だというのに満面の笑顔でそう呼ばれると、どうにも不思議な気持ちになってしまう。
そもそも、自分の名前が何なのか思い出せないので、違和感を覚えるというのも変な事なのだろう。
俺は、誰なのか?
記憶がある。人間として生きていた記憶が。
名前も、どこに住んでいたのかも、何もかもが欠けているけど……人間として生きていた記憶があるのだ。
元は人間の機械なのか、機械がバグでも起こして人間の記憶を持ってしまったのか、それとも別の何かなのか。
そうこうしているうちに、何度も俺の名前を呼んで満足したのだろう、女の子が歩き出す。
その足取りは軽く、この緑だらけの通路に迷っている素振りも無い。それどころか、この道を歩き慣れている風でもある。
外見は幼く見えるが、随分とアウトドアな性分なのかもしれない。
ボサボサの長い髪が歩く度に揺れ、まるで今の女の子の気分を表しているようだ。
陽光を弾く白い髪と、少し日に焼けているけど健康的な肌、白い洋服。全身が白一色だというのに、その瞳だけが黄金色で異彩を放っている。
よく判らない俺の記憶の中にも居ない、美しい少女だ。
目が覚めて最初に会ったのがこの美しい少女だった事は、俺にとっては幸運なのだろうか?
まぁ、幸運なのだろうと思っておく。
普通に生きていたら、こんな美少女と知り合えるなんて考えられない事だろうから。たぶん。
「町までちょっと歩くけど……バッテリーは大丈夫よね?」
ばってりー?
……ああ、バッテリーか。そりゃ、機械だから体力じゃなくてバッテリーになるよな。
なんだかその一言に、思っていた以上のダメージを受けてしまう。
しかし、落ち込むと同時に、視界の隅に携帯電話などでよく見る電池のマークが現れた。
もしかしなくても、これがバッテリーの残量なのだろうか?
メモリは3つ。その上にパーセントでバッテリーの残量が細かく表示される。
現在は97パーセント。動いたからか、少し減っていた。
人型の機械なんてハイテクなのに、こんな所はなんだか妙に古臭い。製作者の趣味だろうか?
その事をどうにかして少女に伝えようとするが……やはり声は出ない。
そして、少女の表情は少しだけ暗く沈む。俺が何を考えているのか判らなくて、その事を気にしているのだろうか。
それとも、俺があまりにも低スペックだから落ち込んでいるのか。
出来れば前者であってほしいものだ。
彼女は喋れる事が出来るから俺に考えている事を話してくれるが、俺はそれが出来ない。
そもそも、機械が人間のような考えをしているという事すら、理解してもらえているか怪しい。
「はぁ……帰りましょうか。陽が落ちたら危ないし」
そのまま進むと、あまり目を惹く物も見付からず、大きなドアに辿り着いた。
その上には電気が届いておらず、暗く汚れた電子版にEXITの文字……出口だ。
英語である。なんだか、自分が知っている文字を見つける事が出来ただけで、少し嬉しい気分になれた。
ここへ来るまでに見た鉄の壁や扉と同じように、その出口は酷くボロボロだが。錆びだらけだし、基盤のような物からは蔦だけでなく緑葉や黄色い花なんかも覗いているし。
完全に壊れていると一目で判ってしまう。
「んふふ。カイムを見たら、みんな驚くわよぉ」
そうなのだろうか?
まぁ、俺の記憶でも二足歩行のロボットは確かに珍しかった。
しかも、ナーガディアと名乗った少女との身長差を考えるに、今の俺は2メートルは軽く超えている身長のはずだ。
そんなロボットが人間と同じように歩いている?
どんな技術力だと、確かに驚くだろう。
両の腕を見る。左腕は人工筋肉が剥き出しのボロボロで、右腕は僅かばかりの装甲に覆われた半壊状態。
その右腕も、腕の部分が装甲で覆われている程度で、関節部分は剥き出しだ。
足はまだマシで、一応両足共に銀色の装甲に覆われている。こちらも、関節部分は剥き出しだが。
そう考えていると、視界に全身像が表示される。
頭に身体、四肢がある人間……のようのなモノ。所々が尖っているが。これが俺なのだろうか?
胸と右腕、両足は白色で表示されている。腹部、左腕の部分は真っ赤だ。
頭部だけは緑色……これって、一番大丈夫な部分だから緑色なんだろうか?
白がダメージ中。赤が危険領域。そう考えると、確かに自分の現状に当て嵌まるような気がする。
というか、何で目覚めたばかりの状態で全身が真っ白なんだよ。身体と左腕なんて真っ赤だし。
普通、一番最初は新品の状態だろうが。……と言いたい。喋れないけど。
それに、言う相手も思い浮かばない。言うとしたら神様だろうか? 居るかどうか判らないけど。
自分の現状を説明してほしいものだ。事細かに。後、出来れば機械の身体ではなく生身が欲しい。
「よし。それじゃ、行くわよカイム」
自分の状態を確認していたら、いつの間にか一緒に帰る事になっていた。
まぁ、こんな機械の身体になって、帰る場所なんか思い浮かばないから助かるんだけど。
というよりも、確かに人間の頃の記憶があるのに、どこに住んでいたのかも思い出せない。
これって、記憶喪失というやつなんだろうか。
そこまで考えると、小さな少女が両腕で出口の扉を開けようと力を込める。
「ん――ぬぐぐっ」
顔を真っ赤に染めて扉を開けようとする。
……全く開かないが。それどころか、少しも動かない。その近くには小さな非常口……ナーガディアのような小柄な少女なら余裕で通れるだろうけど、俺の身体では通ることが難しいサイズの出口がある。
来る時は、この非常口を通って入ってきたのだろう。
そもそも、いまナーガディアが格闘しているこの扉は電気を通わせて開ける自動扉だ。人力で開けるのはほぼ不可能な設計になっている。
鍛えた軍人が数人も居れば何とかなるだろうが、小柄な少女一人では無理――そこまで考えて、ふと気になる事があった。
なぜ俺が、そんな事を知っているのか。
大体、軍人とは何だ。俺は平凡な生活をしていただけの、ただの一般人だったはずだ。
だというのに、どうして自然と“軍人”なんて単語が出てくるのか。
そんな事を考えながら、少女が格闘している電気が通っていない自動扉の繋ぎ目に指を掛ける。
中身が俺とはいえ、機械の身体だ。二人掛かりならなんとかなるかもしれない。
そんな事を考えていたのだが……。
「え?」
そのまま、特に力を入れる事無く自動扉をこじ開ける。
長く使ってなかったのだろう、衝撃で錆が剥がれ、長い年月をかけて機械を侵食していた蔓が千切れ飛ぶ。
いやいやいや、どんだけだよ。
内心で、自分がやった事に本気で驚いてしまう。どんだけ馬鹿力だよ、と。
しかし、驚くよりも早く、俺の視界に広がった光景に心を奪われた。
激しい音を立てて開いた扉。その扉の先にあったのは、俺が予想していた光景とは随分と掛け離れていたからだ。
「はー……凄いのねぇ、機械兵って」
少女の声が遠い。
いや、聴覚ユニットは確かに彼女の声を拾い、俺に届けてくれている。
だが、それが気にならないほどに――目の前の光景は驚嘆に値した。
俺の記憶の中にある風景は、コンクリートのジャングル。そう表現する事しかできない、緑などどこにも無い、自然など消え失せた世界だった。
都内の自然公園や街路樹のような場所にはまだわずかな緑は存在していたが、それはとても《自然》と呼べるようなものではなかった。灰色の長大なビルに、アスファルトの道路。途切れることなく走っている車に、吐き出される排気ガス。
――今、目の前にある緑が生い茂り、太陽の輝きすら隠すほどの森など、産まれて初めて見た。
扉が開いた音に驚いたのか、そんな視界一面を覆う木々の枝を大きく揺らして小鳥たちが飛び立っていく。
なんだ、これは……。どういうことだ?
こんな森を、俺は知らない。
少女が俺の腕力の事を凄いと言っているが、凄いのはこの自然だ。
凄い。今はもう無いのだろう、俺の心臓が、興奮で高鳴っているような気がするほどに……凄い。
この風景は、何時までも見ていたいとすら思えてしまうほどに……そこまで考えると、視界の隅に『REC』という単語が表示された。
なんて空気の読めない機能だろうか。いや、ある意味で空気を読んでるのかもしれないが。
ただ純粋に、凄い。綺麗だ。そんな単語しか思い浮かばない。
「さ、帰りましょ」
呆然と立ち尽くす俺に、そう声を掛けてくるナーガディア。
木々の隙間から覗く陽光が、今は日中だと教えてくれる。
まるで吸い込まれそうな錯覚を覚えるほどに深い森。ただ呆然と、恐ろしいまでに雄大な自然に足が竦む。
しかし、そんな俺を気にすることなく、傍らの白い少女は迷いなく一歩踏み出した。
いや、この少女にとってこの光景は当たり前のものなのだろう。男――いや、機械だというのに臆している自分がビビりなのか。
景色に臆したのか、機械の身体で自然の中に踏み出す事に臆したのか。
そんな事を考えながら、心中で苦笑する。
この少女が進むなら、俺も付いて行かなければならない。
少なくとも、俺が知っている人間は、この――ナーガディアと名乗った少女だけなのだから。
ここが何処で、自分が何者で、どうして機械の身体なのか。
それを知る為には、この少女の力が必要なのでは、と思う。
それになにより――独りになるのが嫌だった。怖い、ともいえる。
いきなり見知らぬ場所で目覚めて、機械の身体で、知った人が誰も居ない。
そんな場所で独りぼっちになるなんて、俺には耐えられそうもない。
少女に続いて、俺もまた一歩を踏み出す。
関節部が微かな音を立て、機械の足が剥き出しの地面を踏みしめると乾いた音を立てた。木の枝を踏んだのだ。
……そりゃ金属だ。そんな音もなるさ。
しかも、歩く度にドスン、ドスンと重苦しい音が鳴る。最初は気にしていなかった少女も次第に気になりだしたようで、時折振り返りながら俺へと視線を向けてくる。
こればかりは俺にもどうしようもない。
というよりも、俺はどれだけ重いのか、と。
重量感たっぷりの足音は、この美しい自然の中にはとても不釣り合いに思えてしまう。
そう考えると、またもや視界の隅に俺の全身像と思われる映像が現れる。
相変わらず白と赤が目立つ全身像だが、今度はそこに幾つかの数字が表示されていた。
heightとweight……ウェイトは判る。重量だ。だとしたら、ヘイト?
読み方が分からないでいると、一瞬で文字が切り替わる。身長と体重……らしい。
俺の考えを呼んだのだろうか――いったいどんな技術なんだと、何度目か分からない疑問が湧く。
身長は2.28。体重は293キロ。滅茶苦茶重いな、オイ。
いや、機械の身としては軽いのだろうか? 機械に詳しい訳ではないから判らないが。
「器用に歩けるのね」
ナーガディアが、俺を見上げながら言った。太陽の光に照らされた外だからか、少女の姿が暗闇の中で見た時よりも小さく……幼く見える。
確かに、と。自分でもそう思う。
この身長と重量なら、バランスを取るのが難しいだろうという事は、素人の俺でも判る。
だというのに、この機械の身体は躓く事無く、人間と同じように――もしかしたら人間以上に器用に歩いている。
もしかしたら走る事もジャンプする事も出来るかもしれない。
後で試してみようか、と思うと気分が軽くなった気がした。訳も判らない現状だが、やりたい事が見付かると少しは気が紛れるようだ。
そんな事を考えていたら、視界に登録完了の文字が表示される。
そこには、ナーガディア・アルシエフの名前と、身長と体重、スリーサイズが表示されていた。
……なんでだよ。
しかも、さっきまでは英語表示だったのに、今は全部が日本語表示である。やっぱりこの身体のシステムはいまいち理解できない。
ナーガディア・アルシエフ。身長148。体重とスリーサイズは……まぁ、俺の心の中に留めておこう。
とりあえず、登録完了というのは、ナーガディアという少女の個人情報が登録できたという事のようだ。
これって軽くセクハラになるんじゃないだろうか?
「町まで少しだから、頑張ってね」
そう言われて、ふと振り返る。
自分がどんな建物に眠っていたのか気になったからだ。
そこにあったのは、錆び、朽ち、緑に覆われた――なんだろう。全体的に、丸っぽい建物だった。
そして、大きい。大きすぎる。
俺の視界に収まらないくらい大きい。実際、建物の先端は判るが、どこまで続いているのか判らない。
そこで、俺に視界にまた妙な単語が表示される。
移民宇宙船・ノア・三番艦。
全長 2.550m。
収容人数 24.300人
製造年月日 2133年 4月11日
現状況 機関部、動力部、メインデッキ、格納庫、居住区、軍関連施設、破損。
艦中央ブロック、ネットワークシステム、沈黙。
主動力炉、艦内食品生産ブロック、空気循環システム、稼働中。
・
・
・
・
他にも色々と表示されるが、いまいち意味を理解できない。
まぁつまり、殆どのシステムはダウン中。生きているのは主動力炉と食品と武器生産ブロック。あと空気を綺麗にするシステム。
というか、宇宙移民船ってなんだよ。宇宙って。
俺の記憶じゃ、人類は月に行くのがやっとだったはずだぞ。だというのに、全長2.5キロメートル級の戦艦造ってるって……どんな夢だ。
ますます頭が混乱してくる。ここは何処だ。なんて星だ。地球じゃないのか。
……というよりも、地球以外に生物が生存できる惑星なんて存在しているのか。
しかも、ノア・三番艦とあった。一番と二番は? それと、ノアシリーズは何番まで――。
そこまで考えると、また視界に文字が並ぶ。
ノア・シリーズ。
一番艦から十三番艦まで製造。
二番艦、三番艦、七番艦、十一番艦が人類が住める惑星を発見。
その他は不明。
現在、ネットワークシステムが沈黙しているため、他ノア・シリーズとの連絡途絶。
……との事だ。便利過ぎだろ、この機械の身体。俺が何か考えたら、それに答えをくれるのか。
おそらくこの情報も、三番艦が沈黙する前の最新情報だろう。
今は緑に塗れ、錆びだらけの状態だ。一体何年前の最新情報なのか判ったモノではない。
それと、俺のこの状態への答えには、何の関係もなさそうだ。
どうして俺は、機械の身体の中に納まっているのか。……そう考えるが、答えは出てこない。
なら、この機械の身体に俺の状態を説明する情報が無いという事だろう。
泣けてくる。泣けないだろうけど。そもそも、喋る事すらできないし。
まぁ、喋れたら喋れたで、みっともなく泣き喚きそうだが。
俺を先導するようにして歩く少女を追いかけながら、脳内で情報を整理する。
考えるだけで情報が手に入るのは便利だ。
例えば、この星の名前は、と考えると。
第四地球《Ⅳth‐Earth》。
と出てくるのだ。というか、何だよ第四地球って。一番が俺の知ってる地球なら、二番と三番は何処に行った。
まぁ、三番艦以外のノアが見付けたんだろうけど。
他の移民宇宙船は無事なんだろうか。ネットワークシステムをどうにか復旧できないだろうか。
でも、あれだけ外装が朽ちていたら、中身も相当壊れてるんだろうな、とも思う。
もう一度、この機械の身体の両腕を見る。
右腕はそれなりだが、左腕は大破一歩手前の状態だ。
視界に現れた全身像でも、真っ赤に染まっている。
破損率67パーセント。機械の身体には、致命的な数値だと言える。
この身体は、完治する事が出来るのだろうか?
完治という言葉は最適ではないかもしれないが……そう考えながら、視線を目の前を歩く少女へ向ける。
俺を目覚めさせたであろう少女。
アレだけ朽ち果てた宇宙船から、人型の機械を回収した少女。
その少女を追い、少女が言った《町》があるであろう方向へ歩きながら思う。
……俺は、これからどうなるんだろうか。
鉄製――というよりも機械製の廊下だったであろう場所は、壁が朽ち、天井が砕け、空いた穴から青い空が顔を覗かせている。
そんな、ボロボロの壁の隙間から入り込んでいるのは植物の蔦だ。
朽ちた鉄壁を覆う緑の光景は、どうしてか酷く悲しい気持ちにさせられた。
それは今の俺の身体が機械仕掛けだから、自分と重ねてしまったのだろうか?
部屋にあったガラクタも、ボロボロの壁も、穴の開いた天井も。見ていると、何故だかとても悲しい気持ちになる。あるのかは分からないが、心臓が締め付けられるような気持ちになる。
どうしてこの身体は機械なのか。そもそもここは何処なのか。理解できない事ばかりで、頭がどうにかなりそうだ。
「こっちよ。ついてきて」
その光景に見入っていたのは一瞬で、そんな俺を置いて女の子は歩き出す。無造作に伸ばされた、ボサボサの白髪が女の子の動きを追って空中に大きく広がった。
天井から差し込む太陽の光が白髪に反射して、広がった白髪が天使の羽のようにも見え……自分は何を考えているのかと呆れてしまう。
朽ちた鉄の世界――排他的な光景と見慣れない白髪の少女という存在はとても幻想的で、だからこそ変な事を考えてしまったのかもしれない。
立ち止まっている俺の事など見向きもせず歩き出した女の子の後を追い掛けながら、視線は忙しなく左右へと向いてしまう。
何処かに、今のこの現状を理解できるモノが無いか、と探してしまう。
俺が誰なのか。何者なのか。ここは何処で、どういう状況なのか。
まったく判らない。理解できない。
何らかの情報を持っているであろう女の子は居るが、話す事が出来ないのでは意志の疎通は難しい。
もう一度、自分の身体に視線を落とす。
鉄……で合っているのかも判らないが、機械仕掛けの身体。この身体もボロボロで、鉄で覆われているのは一部だけ。ほとんどの部分は人工筋肉が剥き出しになっている。
一昔前の、SFホラーの映画でよく見るような出来の悪い機械人間のようだ。
それが自分の身体だと思うと、どうにも複雑な思いになってしまう。
悲しいのか、虚しいのか……怖いのか。自分でも判らない。
そんな事を考えていたら、前を歩いていた女の子が不意に足を止めて振り返った。
「これでようやく、私も半人前。これからよろしくね、カイム」
「―――」
カイム。
それが俺の……この機械の身体の名前なのだろうか?
呼ばれ慣れない名前に、無駄とは判っていても首を傾げてしまう。
案の定、機械仕掛けの身体は首を傾げる事が出来ず、無言で女の子の言葉を受け止めてしまった。
その反応に満足したのか、女の子はまた満面の笑みで俺の名前を何度か呼んだ。
……カイム、と。何度も、嬉しそうに、楽しそうに。
違和感しかない名前だというのに満面の笑顔でそう呼ばれると、どうにも不思議な気持ちになってしまう。
そもそも、自分の名前が何なのか思い出せないので、違和感を覚えるというのも変な事なのだろう。
俺は、誰なのか?
記憶がある。人間として生きていた記憶が。
名前も、どこに住んでいたのかも、何もかもが欠けているけど……人間として生きていた記憶があるのだ。
元は人間の機械なのか、機械がバグでも起こして人間の記憶を持ってしまったのか、それとも別の何かなのか。
そうこうしているうちに、何度も俺の名前を呼んで満足したのだろう、女の子が歩き出す。
その足取りは軽く、この緑だらけの通路に迷っている素振りも無い。それどころか、この道を歩き慣れている風でもある。
外見は幼く見えるが、随分とアウトドアな性分なのかもしれない。
ボサボサの長い髪が歩く度に揺れ、まるで今の女の子の気分を表しているようだ。
陽光を弾く白い髪と、少し日に焼けているけど健康的な肌、白い洋服。全身が白一色だというのに、その瞳だけが黄金色で異彩を放っている。
よく判らない俺の記憶の中にも居ない、美しい少女だ。
目が覚めて最初に会ったのがこの美しい少女だった事は、俺にとっては幸運なのだろうか?
まぁ、幸運なのだろうと思っておく。
普通に生きていたら、こんな美少女と知り合えるなんて考えられない事だろうから。たぶん。
「町までちょっと歩くけど……バッテリーは大丈夫よね?」
ばってりー?
……ああ、バッテリーか。そりゃ、機械だから体力じゃなくてバッテリーになるよな。
なんだかその一言に、思っていた以上のダメージを受けてしまう。
しかし、落ち込むと同時に、視界の隅に携帯電話などでよく見る電池のマークが現れた。
もしかしなくても、これがバッテリーの残量なのだろうか?
メモリは3つ。その上にパーセントでバッテリーの残量が細かく表示される。
現在は97パーセント。動いたからか、少し減っていた。
人型の機械なんてハイテクなのに、こんな所はなんだか妙に古臭い。製作者の趣味だろうか?
その事をどうにかして少女に伝えようとするが……やはり声は出ない。
そして、少女の表情は少しだけ暗く沈む。俺が何を考えているのか判らなくて、その事を気にしているのだろうか。
それとも、俺があまりにも低スペックだから落ち込んでいるのか。
出来れば前者であってほしいものだ。
彼女は喋れる事が出来るから俺に考えている事を話してくれるが、俺はそれが出来ない。
そもそも、機械が人間のような考えをしているという事すら、理解してもらえているか怪しい。
「はぁ……帰りましょうか。陽が落ちたら危ないし」
そのまま進むと、あまり目を惹く物も見付からず、大きなドアに辿り着いた。
その上には電気が届いておらず、暗く汚れた電子版にEXITの文字……出口だ。
英語である。なんだか、自分が知っている文字を見つける事が出来ただけで、少し嬉しい気分になれた。
ここへ来るまでに見た鉄の壁や扉と同じように、その出口は酷くボロボロだが。錆びだらけだし、基盤のような物からは蔦だけでなく緑葉や黄色い花なんかも覗いているし。
完全に壊れていると一目で判ってしまう。
「んふふ。カイムを見たら、みんな驚くわよぉ」
そうなのだろうか?
まぁ、俺の記憶でも二足歩行のロボットは確かに珍しかった。
しかも、ナーガディアと名乗った少女との身長差を考えるに、今の俺は2メートルは軽く超えている身長のはずだ。
そんなロボットが人間と同じように歩いている?
どんな技術力だと、確かに驚くだろう。
両の腕を見る。左腕は人工筋肉が剥き出しのボロボロで、右腕は僅かばかりの装甲に覆われた半壊状態。
その右腕も、腕の部分が装甲で覆われている程度で、関節部分は剥き出しだ。
足はまだマシで、一応両足共に銀色の装甲に覆われている。こちらも、関節部分は剥き出しだが。
そう考えていると、視界に全身像が表示される。
頭に身体、四肢がある人間……のようのなモノ。所々が尖っているが。これが俺なのだろうか?
胸と右腕、両足は白色で表示されている。腹部、左腕の部分は真っ赤だ。
頭部だけは緑色……これって、一番大丈夫な部分だから緑色なんだろうか?
白がダメージ中。赤が危険領域。そう考えると、確かに自分の現状に当て嵌まるような気がする。
というか、何で目覚めたばかりの状態で全身が真っ白なんだよ。身体と左腕なんて真っ赤だし。
普通、一番最初は新品の状態だろうが。……と言いたい。喋れないけど。
それに、言う相手も思い浮かばない。言うとしたら神様だろうか? 居るかどうか判らないけど。
自分の現状を説明してほしいものだ。事細かに。後、出来れば機械の身体ではなく生身が欲しい。
「よし。それじゃ、行くわよカイム」
自分の状態を確認していたら、いつの間にか一緒に帰る事になっていた。
まぁ、こんな機械の身体になって、帰る場所なんか思い浮かばないから助かるんだけど。
というよりも、確かに人間の頃の記憶があるのに、どこに住んでいたのかも思い出せない。
これって、記憶喪失というやつなんだろうか。
そこまで考えると、小さな少女が両腕で出口の扉を開けようと力を込める。
「ん――ぬぐぐっ」
顔を真っ赤に染めて扉を開けようとする。
……全く開かないが。それどころか、少しも動かない。その近くには小さな非常口……ナーガディアのような小柄な少女なら余裕で通れるだろうけど、俺の身体では通ることが難しいサイズの出口がある。
来る時は、この非常口を通って入ってきたのだろう。
そもそも、いまナーガディアが格闘しているこの扉は電気を通わせて開ける自動扉だ。人力で開けるのはほぼ不可能な設計になっている。
鍛えた軍人が数人も居れば何とかなるだろうが、小柄な少女一人では無理――そこまで考えて、ふと気になる事があった。
なぜ俺が、そんな事を知っているのか。
大体、軍人とは何だ。俺は平凡な生活をしていただけの、ただの一般人だったはずだ。
だというのに、どうして自然と“軍人”なんて単語が出てくるのか。
そんな事を考えながら、少女が格闘している電気が通っていない自動扉の繋ぎ目に指を掛ける。
中身が俺とはいえ、機械の身体だ。二人掛かりならなんとかなるかもしれない。
そんな事を考えていたのだが……。
「え?」
そのまま、特に力を入れる事無く自動扉をこじ開ける。
長く使ってなかったのだろう、衝撃で錆が剥がれ、長い年月をかけて機械を侵食していた蔓が千切れ飛ぶ。
いやいやいや、どんだけだよ。
内心で、自分がやった事に本気で驚いてしまう。どんだけ馬鹿力だよ、と。
しかし、驚くよりも早く、俺の視界に広がった光景に心を奪われた。
激しい音を立てて開いた扉。その扉の先にあったのは、俺が予想していた光景とは随分と掛け離れていたからだ。
「はー……凄いのねぇ、機械兵って」
少女の声が遠い。
いや、聴覚ユニットは確かに彼女の声を拾い、俺に届けてくれている。
だが、それが気にならないほどに――目の前の光景は驚嘆に値した。
俺の記憶の中にある風景は、コンクリートのジャングル。そう表現する事しかできない、緑などどこにも無い、自然など消え失せた世界だった。
都内の自然公園や街路樹のような場所にはまだわずかな緑は存在していたが、それはとても《自然》と呼べるようなものではなかった。灰色の長大なビルに、アスファルトの道路。途切れることなく走っている車に、吐き出される排気ガス。
――今、目の前にある緑が生い茂り、太陽の輝きすら隠すほどの森など、産まれて初めて見た。
扉が開いた音に驚いたのか、そんな視界一面を覆う木々の枝を大きく揺らして小鳥たちが飛び立っていく。
なんだ、これは……。どういうことだ?
こんな森を、俺は知らない。
少女が俺の腕力の事を凄いと言っているが、凄いのはこの自然だ。
凄い。今はもう無いのだろう、俺の心臓が、興奮で高鳴っているような気がするほどに……凄い。
この風景は、何時までも見ていたいとすら思えてしまうほどに……そこまで考えると、視界の隅に『REC』という単語が表示された。
なんて空気の読めない機能だろうか。いや、ある意味で空気を読んでるのかもしれないが。
ただ純粋に、凄い。綺麗だ。そんな単語しか思い浮かばない。
「さ、帰りましょ」
呆然と立ち尽くす俺に、そう声を掛けてくるナーガディア。
木々の隙間から覗く陽光が、今は日中だと教えてくれる。
まるで吸い込まれそうな錯覚を覚えるほどに深い森。ただ呆然と、恐ろしいまでに雄大な自然に足が竦む。
しかし、そんな俺を気にすることなく、傍らの白い少女は迷いなく一歩踏み出した。
いや、この少女にとってこの光景は当たり前のものなのだろう。男――いや、機械だというのに臆している自分がビビりなのか。
景色に臆したのか、機械の身体で自然の中に踏み出す事に臆したのか。
そんな事を考えながら、心中で苦笑する。
この少女が進むなら、俺も付いて行かなければならない。
少なくとも、俺が知っている人間は、この――ナーガディアと名乗った少女だけなのだから。
ここが何処で、自分が何者で、どうして機械の身体なのか。
それを知る為には、この少女の力が必要なのでは、と思う。
それになにより――独りになるのが嫌だった。怖い、ともいえる。
いきなり見知らぬ場所で目覚めて、機械の身体で、知った人が誰も居ない。
そんな場所で独りぼっちになるなんて、俺には耐えられそうもない。
少女に続いて、俺もまた一歩を踏み出す。
関節部が微かな音を立て、機械の足が剥き出しの地面を踏みしめると乾いた音を立てた。木の枝を踏んだのだ。
……そりゃ金属だ。そんな音もなるさ。
しかも、歩く度にドスン、ドスンと重苦しい音が鳴る。最初は気にしていなかった少女も次第に気になりだしたようで、時折振り返りながら俺へと視線を向けてくる。
こればかりは俺にもどうしようもない。
というよりも、俺はどれだけ重いのか、と。
重量感たっぷりの足音は、この美しい自然の中にはとても不釣り合いに思えてしまう。
そう考えると、またもや視界の隅に俺の全身像と思われる映像が現れる。
相変わらず白と赤が目立つ全身像だが、今度はそこに幾つかの数字が表示されていた。
heightとweight……ウェイトは判る。重量だ。だとしたら、ヘイト?
読み方が分からないでいると、一瞬で文字が切り替わる。身長と体重……らしい。
俺の考えを呼んだのだろうか――いったいどんな技術なんだと、何度目か分からない疑問が湧く。
身長は2.28。体重は293キロ。滅茶苦茶重いな、オイ。
いや、機械の身としては軽いのだろうか? 機械に詳しい訳ではないから判らないが。
「器用に歩けるのね」
ナーガディアが、俺を見上げながら言った。太陽の光に照らされた外だからか、少女の姿が暗闇の中で見た時よりも小さく……幼く見える。
確かに、と。自分でもそう思う。
この身長と重量なら、バランスを取るのが難しいだろうという事は、素人の俺でも判る。
だというのに、この機械の身体は躓く事無く、人間と同じように――もしかしたら人間以上に器用に歩いている。
もしかしたら走る事もジャンプする事も出来るかもしれない。
後で試してみようか、と思うと気分が軽くなった気がした。訳も判らない現状だが、やりたい事が見付かると少しは気が紛れるようだ。
そんな事を考えていたら、視界に登録完了の文字が表示される。
そこには、ナーガディア・アルシエフの名前と、身長と体重、スリーサイズが表示されていた。
……なんでだよ。
しかも、さっきまでは英語表示だったのに、今は全部が日本語表示である。やっぱりこの身体のシステムはいまいち理解できない。
ナーガディア・アルシエフ。身長148。体重とスリーサイズは……まぁ、俺の心の中に留めておこう。
とりあえず、登録完了というのは、ナーガディアという少女の個人情報が登録できたという事のようだ。
これって軽くセクハラになるんじゃないだろうか?
「町まで少しだから、頑張ってね」
そう言われて、ふと振り返る。
自分がどんな建物に眠っていたのか気になったからだ。
そこにあったのは、錆び、朽ち、緑に覆われた――なんだろう。全体的に、丸っぽい建物だった。
そして、大きい。大きすぎる。
俺の視界に収まらないくらい大きい。実際、建物の先端は判るが、どこまで続いているのか判らない。
そこで、俺に視界にまた妙な単語が表示される。
移民宇宙船・ノア・三番艦。
全長 2.550m。
収容人数 24.300人
製造年月日 2133年 4月11日
現状況 機関部、動力部、メインデッキ、格納庫、居住区、軍関連施設、破損。
艦中央ブロック、ネットワークシステム、沈黙。
主動力炉、艦内食品生産ブロック、空気循環システム、稼働中。
・
・
・
・
他にも色々と表示されるが、いまいち意味を理解できない。
まぁつまり、殆どのシステムはダウン中。生きているのは主動力炉と食品と武器生産ブロック。あと空気を綺麗にするシステム。
というか、宇宙移民船ってなんだよ。宇宙って。
俺の記憶じゃ、人類は月に行くのがやっとだったはずだぞ。だというのに、全長2.5キロメートル級の戦艦造ってるって……どんな夢だ。
ますます頭が混乱してくる。ここは何処だ。なんて星だ。地球じゃないのか。
……というよりも、地球以外に生物が生存できる惑星なんて存在しているのか。
しかも、ノア・三番艦とあった。一番と二番は? それと、ノアシリーズは何番まで――。
そこまで考えると、また視界に文字が並ぶ。
ノア・シリーズ。
一番艦から十三番艦まで製造。
二番艦、三番艦、七番艦、十一番艦が人類が住める惑星を発見。
その他は不明。
現在、ネットワークシステムが沈黙しているため、他ノア・シリーズとの連絡途絶。
……との事だ。便利過ぎだろ、この機械の身体。俺が何か考えたら、それに答えをくれるのか。
おそらくこの情報も、三番艦が沈黙する前の最新情報だろう。
今は緑に塗れ、錆びだらけの状態だ。一体何年前の最新情報なのか判ったモノではない。
それと、俺のこの状態への答えには、何の関係もなさそうだ。
どうして俺は、機械の身体の中に納まっているのか。……そう考えるが、答えは出てこない。
なら、この機械の身体に俺の状態を説明する情報が無いという事だろう。
泣けてくる。泣けないだろうけど。そもそも、喋る事すらできないし。
まぁ、喋れたら喋れたで、みっともなく泣き喚きそうだが。
俺を先導するようにして歩く少女を追いかけながら、脳内で情報を整理する。
考えるだけで情報が手に入るのは便利だ。
例えば、この星の名前は、と考えると。
第四地球《Ⅳth‐Earth》。
と出てくるのだ。というか、何だよ第四地球って。一番が俺の知ってる地球なら、二番と三番は何処に行った。
まぁ、三番艦以外のノアが見付けたんだろうけど。
他の移民宇宙船は無事なんだろうか。ネットワークシステムをどうにか復旧できないだろうか。
でも、あれだけ外装が朽ちていたら、中身も相当壊れてるんだろうな、とも思う。
もう一度、この機械の身体の両腕を見る。
右腕はそれなりだが、左腕は大破一歩手前の状態だ。
視界に現れた全身像でも、真っ赤に染まっている。
破損率67パーセント。機械の身体には、致命的な数値だと言える。
この身体は、完治する事が出来るのだろうか?
完治という言葉は最適ではないかもしれないが……そう考えながら、視線を目の前を歩く少女へ向ける。
俺を目覚めさせたであろう少女。
アレだけ朽ち果てた宇宙船から、人型の機械を回収した少女。
その少女を追い、少女が言った《町》があるであろう方向へ歩きながら思う。
……俺は、これからどうなるんだろうか。
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