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一章
王都サーシャの賑わい
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一体いつ帰って来たのだろうか、ほとんど記憶が無い。
あの後、月皇騎士団結成式という茶番劇が開かれさらに盛り上がった所までは覚えているが、そこから先の記憶が無いぐらい呑んだ。
それにしても師匠の人気は凄い、改めて思い知る。
昨日もすっかり師匠と親衛隊の構図が早々出来上がり、彼女の言葉に涙する人々が続出していた。
一体どこに向かっているのだか……
顔を洗い身支度を整えると、気だるそうに師匠が起きて来た。
「ぶっ!師匠!ちゃんと服着て下さいよ!」
大きめの白シャツ一枚をざっくりと羽織、中は赤い下着のみ。
刺激が……
「何を今更、なんなら中も見るか?」
「ちょっ、腕を絡ませないで下さい!」
「うりうり。」
「胸を押し付けない!」
久々の登場!魔導具ハリセン「魔女狩り」を引き抜くとようやく収まった。
「まったく冗談が通じないやつだ。今回は頑張ったからご褒美だったのだがな。」
複雑な気分だ……
「さて、今日から動かねばなるまい。」
「そうですね。冒険者ギルドに野盗の件を報告してから魔術協会ですかね。」
「その前にメシだな。」
「どちらもどれくらいかかるか分かりませんから行きがけに屋台で済ませるのはどうですか?」
「ああ、それで行こう!では着替えて来るからちょっと待っててくれ。」
女性が身支度に時間がかかるのはいつものことだ。
「はい。」
◇
戦闘の予定は無いので、ラフな格好が良いだろうとシンプルな黒のブルゾンで身支度を整え、ソファで待っていると師匠が部屋から出てきた。
仕立ての良い白レースのワンピースに黒のダブルロングベストをオン、足もとは黒のショートブーツと少しラフなスタイルだ。
バッグの代わりに杖を持っているところで辛うじて魔術師と分かるが。
可愛い……
「じゃ、行きましょうか!」
「今見惚れたろ?」
「そう言う事は言いません!さっ行きますよ!」
◇
宿で教えて貰った市場へ向かうと、流石は農業国家の王都。
色取り取りの果物や野菜を売る店が連なり、非常に活気がある。
その場で食べられる屋台も数多く出店されていて、こちらも目移りするぐらい数が多い。
「これは凄いですね!」
「ああ、流石は農業国家だな。新鮮で種類が豊富だ。」
りんごを頬張りながら答える。
「その林檎は?」
「さっき通った果物店の親父から貰った。」
いつの間に、貢物が……
「あっちに果物を剥いて売ってるところがありますね。一皿買っていいですか?」
振り返ると両手に果物が……
「一瞬で増えてますね……」
次の果物を頬張りながら頷かれる。
結局、持ちきれない程の貢物を抱えて屋台を巡る事になった。
◇
「でかいですね!」
ようやくたどり着いた冒険者ギルドは三階建ての木造建築で、多くの人の出入りがあった。
「おっ、レオじゃ無いか」
丁度冒険者ギルドから出てくるダズルと出くわした。
「ダズルか、今から依頼か?」
「いや、タグと見舞金の件で来ただけで今日は休みだ。やることもあるしな」
師匠に黙礼して答える。
「そっか、それより昨日の月皇騎士団だけどな」
「ん?なんのことだ?」
あれだけ盛り上げたのに忘れているとは……
まぁ、酒の席の戯言であれば問題は無い。
「いや、何でもない。覚えてないなら良いんだ。」
「それより、冒険者ギルドに何か用か?」
「ああ、あの野営地に着く前に野盗に襲われてな。その時に冒険タグを拾ったので何か分かるか聞きに来たんだ。」
「冒険者に襲われたのか?そのタグ見せてもらえるか?」
「ああ、良いけど」
懐から取り出したタグをダズルに渡すと、目を見開いて一つ一つ確認して行くと、真剣な面持ちで声を潜める。
「レオ、この件預からせて貰って良いか?」
「何か分かったのか?」
「いや、それはこれから調べるが、詳細はここでは言えないので、夜宿に行って良いか?コイツらこの街でも有名な冒険者でギルドからの指名依頼も多い、下手に動くと不味いことになりかねない。」
「ダズルがそう言うなら、任せた方が良いと思いますが、良いですか?」
「うむ、頼んだぞダズル!」
「ははっ!お任せください。」
勇ましく答えると即座に駆け出す。
「とりあえず報告待ちましょうか。」
「そうだな、ダズルなら大丈夫だろう。では、魔術協会に行くか?気乗りはせんがな。」
「そう言わないで下さいよ。さぁ、行きますよ。」
僕らを呼び寄せた魔術協会の支部長ロズワルドは協会の会長にまで根回しをして、僕らに遺跡の調査をさせたいらしい。
単純な内容ならば、僕らは呼ばれない。
きっと面倒な事は僕でも分かる。
足取り重く魔術協会への道を歩き出した。
◇
王都サーシャにある魔術協会はこの国の魔術協会を管轄する支部としての機能も有し、エテルナの魔術協会はこの下部組織となる。
支部の長は支部長として、マスターを兼任し、支部傘下の人事権を有する。
つまり傘下の協会は実質支部長に逆らうことが出来ない強大な権力を保持しているのだ。
その支部長が今この地域で逆らうことが出来ない相手が唯一僕らだけだ。
それを封じる為の根回しが会長への許可だが、それ程までの内容とは一体なんだろうか。
魔術協会は王都の中心街に入った場所にあった。
円形の王都はドーナツ状になっていて王城を中心に貴族や商人、騎士など城に関わりの多い者が住む中心街と市民や店舗が多い市街とに分かれているが、あまり身分格差で住む地域が分かれている訳では無く、地価と利便性の違いが住む場所の違いとなっている。
「これまた豪華な作りですね。」
「ああ、どんな悪い事をしているのだろうか」
「変なフラグ立てないで下さいよ。一応この国の支部ですからね、それなりの格は必要でしょう。」
冒険者ギルドと同じく三階建ての建物ではあるが、その大きさは倍はある。
冒険者ギルド程雑多な感じは無く、全てが整っていると言った雰囲気だ。
さて、何が出るやら
あの後、月皇騎士団結成式という茶番劇が開かれさらに盛り上がった所までは覚えているが、そこから先の記憶が無いぐらい呑んだ。
それにしても師匠の人気は凄い、改めて思い知る。
昨日もすっかり師匠と親衛隊の構図が早々出来上がり、彼女の言葉に涙する人々が続出していた。
一体どこに向かっているのだか……
顔を洗い身支度を整えると、気だるそうに師匠が起きて来た。
「ぶっ!師匠!ちゃんと服着て下さいよ!」
大きめの白シャツ一枚をざっくりと羽織、中は赤い下着のみ。
刺激が……
「何を今更、なんなら中も見るか?」
「ちょっ、腕を絡ませないで下さい!」
「うりうり。」
「胸を押し付けない!」
久々の登場!魔導具ハリセン「魔女狩り」を引き抜くとようやく収まった。
「まったく冗談が通じないやつだ。今回は頑張ったからご褒美だったのだがな。」
複雑な気分だ……
「さて、今日から動かねばなるまい。」
「そうですね。冒険者ギルドに野盗の件を報告してから魔術協会ですかね。」
「その前にメシだな。」
「どちらもどれくらいかかるか分かりませんから行きがけに屋台で済ませるのはどうですか?」
「ああ、それで行こう!では着替えて来るからちょっと待っててくれ。」
女性が身支度に時間がかかるのはいつものことだ。
「はい。」
◇
戦闘の予定は無いので、ラフな格好が良いだろうとシンプルな黒のブルゾンで身支度を整え、ソファで待っていると師匠が部屋から出てきた。
仕立ての良い白レースのワンピースに黒のダブルロングベストをオン、足もとは黒のショートブーツと少しラフなスタイルだ。
バッグの代わりに杖を持っているところで辛うじて魔術師と分かるが。
可愛い……
「じゃ、行きましょうか!」
「今見惚れたろ?」
「そう言う事は言いません!さっ行きますよ!」
◇
宿で教えて貰った市場へ向かうと、流石は農業国家の王都。
色取り取りの果物や野菜を売る店が連なり、非常に活気がある。
その場で食べられる屋台も数多く出店されていて、こちらも目移りするぐらい数が多い。
「これは凄いですね!」
「ああ、流石は農業国家だな。新鮮で種類が豊富だ。」
りんごを頬張りながら答える。
「その林檎は?」
「さっき通った果物店の親父から貰った。」
いつの間に、貢物が……
「あっちに果物を剥いて売ってるところがありますね。一皿買っていいですか?」
振り返ると両手に果物が……
「一瞬で増えてますね……」
次の果物を頬張りながら頷かれる。
結局、持ちきれない程の貢物を抱えて屋台を巡る事になった。
◇
「でかいですね!」
ようやくたどり着いた冒険者ギルドは三階建ての木造建築で、多くの人の出入りがあった。
「おっ、レオじゃ無いか」
丁度冒険者ギルドから出てくるダズルと出くわした。
「ダズルか、今から依頼か?」
「いや、タグと見舞金の件で来ただけで今日は休みだ。やることもあるしな」
師匠に黙礼して答える。
「そっか、それより昨日の月皇騎士団だけどな」
「ん?なんのことだ?」
あれだけ盛り上げたのに忘れているとは……
まぁ、酒の席の戯言であれば問題は無い。
「いや、何でもない。覚えてないなら良いんだ。」
「それより、冒険者ギルドに何か用か?」
「ああ、あの野営地に着く前に野盗に襲われてな。その時に冒険タグを拾ったので何か分かるか聞きに来たんだ。」
「冒険者に襲われたのか?そのタグ見せてもらえるか?」
「ああ、良いけど」
懐から取り出したタグをダズルに渡すと、目を見開いて一つ一つ確認して行くと、真剣な面持ちで声を潜める。
「レオ、この件預からせて貰って良いか?」
「何か分かったのか?」
「いや、それはこれから調べるが、詳細はここでは言えないので、夜宿に行って良いか?コイツらこの街でも有名な冒険者でギルドからの指名依頼も多い、下手に動くと不味いことになりかねない。」
「ダズルがそう言うなら、任せた方が良いと思いますが、良いですか?」
「うむ、頼んだぞダズル!」
「ははっ!お任せください。」
勇ましく答えると即座に駆け出す。
「とりあえず報告待ちましょうか。」
「そうだな、ダズルなら大丈夫だろう。では、魔術協会に行くか?気乗りはせんがな。」
「そう言わないで下さいよ。さぁ、行きますよ。」
僕らを呼び寄せた魔術協会の支部長ロズワルドは協会の会長にまで根回しをして、僕らに遺跡の調査をさせたいらしい。
単純な内容ならば、僕らは呼ばれない。
きっと面倒な事は僕でも分かる。
足取り重く魔術協会への道を歩き出した。
◇
王都サーシャにある魔術協会はこの国の魔術協会を管轄する支部としての機能も有し、エテルナの魔術協会はこの下部組織となる。
支部の長は支部長として、マスターを兼任し、支部傘下の人事権を有する。
つまり傘下の協会は実質支部長に逆らうことが出来ない強大な権力を保持しているのだ。
その支部長が今この地域で逆らうことが出来ない相手が唯一僕らだけだ。
それを封じる為の根回しが会長への許可だが、それ程までの内容とは一体なんだろうか。
魔術協会は王都の中心街に入った場所にあった。
円形の王都はドーナツ状になっていて王城を中心に貴族や商人、騎士など城に関わりの多い者が住む中心街と市民や店舗が多い市街とに分かれているが、あまり身分格差で住む地域が分かれている訳では無く、地価と利便性の違いが住む場所の違いとなっている。
「これまた豪華な作りですね。」
「ああ、どんな悪い事をしているのだろうか」
「変なフラグ立てないで下さいよ。一応この国の支部ですからね、それなりの格は必要でしょう。」
冒険者ギルドと同じく三階建ての建物ではあるが、その大きさは倍はある。
冒険者ギルド程雑多な感じは無く、全てが整っていると言った雰囲気だ。
さて、何が出るやら
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