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一章
奥義ルナルナハート
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「ゲルドよく見ておけ!これがルナティック・シンフォニー流一の型、星屑の黄昏だ!」
「それは単なる横一文字切りでは無いのかね?レオ君……」
師匠がジト目で見てくるが気にしない。
「おおっ!流れる様な太刀筋!こうか?」
「まだ剣に振られているな。腰から回す様に意識してやってみろ。」
教えている事は、僕が師匠に習った剣術そのものなのだから、名前はふざけていても確実に上達するはずだ。
「おっ、剣速が上がった。こんな事でここまで変わるのか!すげーぞレオ!」
この程度の指摘で格段に太刀筋が向上するとは正直意外だった。
どれだけ力任せに振っていたのやら、流石脳筋……
「では、続いて二の型行くぞ。二の型ロマンス切り!」
「どんどん変な名前が付いていくのだが……それも単なる袈裟斬り……」
師匠の声がだんだん小さくなって行くが気にせず続ける。
「こうか?」
「ああ、良いな。身体が馴染むまでは技の名前を叫びながら振る方が威力が安定するぞ。」
「ロマンス切り!」
ダズルとリックが爆笑しているが、ゲルドは自分の太刀筋を笑われていると一層声を上げる。
「そ、その辺でス、ストップだ。」
マズイ、このままでは笑い死にする……
「そろそろ奴らの体制が整った様だ、後は実戦で教えるから戦端が開かれたらついてこいよ。」
「おぅ!」
冗談はさておき、騎士団の緊張感が増して来た。
「師匠は隊長とその取り巻きを任せます!」
「任されよう。」
やっと悪ふざけが終わったのかと安堵の表情で返してくるが、すいません師匠これからが本番です!
「ダズルとリックは左翼から撃ち漏らしを狙ってください。右翼は僕とゲルドで本体は僕が引き受けます。」
「ああ」
「分かった。」
「レオ!ついて行くぜ!」
「では、行きます!」
緊張が一気に高まり弾けた。
怒号を上げ騎士が殺到する。
リックの投擲が先頭の騎士の肩に直撃し、その隙を突いて師匠が切り込む。
「ちょっ!師匠!」
本体は任せろ言ったのにこれだ……
少しは真面目にやろうと思ったが、実際のところ負けはない。
精々、ルナティック・シンフォニー流をゲルドに叩き込む事にしよう。
「ゲルド!一の型!」
「星屑の黄昏!」
「えっ!」
とてつもないスピードと軌道で横一文字切りが炸裂。
受けた騎士はその剣速に驚いたまま上下に両断される。
僕が予想していた以上にスピードが上がっている。
「ゲルド!それだけスピードが変わるって事は、今まで手だけで振っていた証拠だ。普段から腰を入れて次は一の型を牽制に使いながら二の型に繋げて振ってみろ。」
「ああ!てやっ!続いてロマンス切り!」
本当にロマンス切りという技があるのかと錯覚するほどの威力、地面に若干亀裂が生じている。
「いいぞゲルド!次は三の型だ。これは一の型二の型からの連続技だ!よく見ておけよ!」
横一文字から袈裟斬り、その勢いを借りて遠心力を付け踏み込みながら身体を捻り再度間合いを詰めた袈裟斬りを仕掛ける。
「三の型月夜の舞!」
「すげー!こうか?」
「もっと踏み込め!剣を振るのではなく体の捻りに剣を乗せる!そうだ!もう一丁!」
「まだ、続けていたのか……」
師匠が呆れ顔で近づいて来る。
「まぁ、教えている内容はマトモですからね。格段に強くなりますよ。」
「ふーん、それよりも私よりも多く倒すの忘れるな。一人でも少なければわかっているな?」
捨てゼリフを吐いて、師匠が突っ込んで行く。
マズイ……
「ゲルド!」
「なんだ?」
肩で息をしながら近づいて来る。
普段と違う身体運びをしているから負荷は相当なものだろう。
「ゲルドの頑張りを見ていると先に奥義を教えても良いかと思って。ルナティック・シンフォニー流の奥義です!」
「おおっ!」
「やる気ですね。ではお教えしましょう。ルナティック・シンフォニー流奥義!その名もルナルナハート!」
「ルナルナハート?」
「ああ、ルナへの愛と己の乙女的心を最大に込めた必殺奥義だ。よく見ていろ!」
半身に構え、右手で握った剣を後ろに引き剣先を相手に向け左手を刃に添え安定させると、剣に魔力を込めた。
「奥義!ルナルナハート!」
左足で蹴り出し右足を前に出すと同時に鋭い剣先を右手で突き出した。
「それはただの突きもしくは突進と言うのだが……」
師匠のツッコミが遠くで聞こえるが構わず踏み込むと、魔力で増幅された剣の威力が鋭い突きと共に前方に放出される。
食らった騎士の中心には巨大な穴が空き絶命する。
ゲルドが感嘆の声を上げている。
「さぁやってみろ!」
「おおっ!魔法剣の応用で一点に集める感じで間違い無いか?」
何気に要点を掴んでいるところがゲルドの凄いとこだ。
「ああ!はなてー!」
「ルナルナハート!」
渾身のゲルド一撃は僕も驚く威力で近づく騎士の上半身を形無く粉砕した。
「よ、良くやったなゲルド!これで、免許皆伝だ!他の技はおいおい教えるが今後も研鑽を積めば更なる高みへと登れるぞ。」
「分かった!ルナティック・シンフォニー流の高みを俺は目指す!」
「じゃ、僕は残党を殲滅してきますので、ゲルドは討ち漏らしを復習がてらお願いします。」
そういうと、師匠が無双する乱戦に突入して行った。
次々に斬り伏せていると、遠くでルナルナハート!という叫び声が聞こえ、その度に師匠の手が止まる。
その隙をついて師匠の獲物を横取りして行く。
「これで最後だ!」
師匠より一人多く切ったのを確認して目を向けると
師匠が一人の男に剣を突きつけているのが見える。
ずっと偉そうにしてたアイツだ。
「師匠。こっちは片付きましたよ」
杖に剣をしまいながら声をかけると師匠が軽く微笑みを返し、男に向き合う。
「さて、質問に答えて貰おうか」
「それは単なる横一文字切りでは無いのかね?レオ君……」
師匠がジト目で見てくるが気にしない。
「おおっ!流れる様な太刀筋!こうか?」
「まだ剣に振られているな。腰から回す様に意識してやってみろ。」
教えている事は、僕が師匠に習った剣術そのものなのだから、名前はふざけていても確実に上達するはずだ。
「おっ、剣速が上がった。こんな事でここまで変わるのか!すげーぞレオ!」
この程度の指摘で格段に太刀筋が向上するとは正直意外だった。
どれだけ力任せに振っていたのやら、流石脳筋……
「では、続いて二の型行くぞ。二の型ロマンス切り!」
「どんどん変な名前が付いていくのだが……それも単なる袈裟斬り……」
師匠の声がだんだん小さくなって行くが気にせず続ける。
「こうか?」
「ああ、良いな。身体が馴染むまでは技の名前を叫びながら振る方が威力が安定するぞ。」
「ロマンス切り!」
ダズルとリックが爆笑しているが、ゲルドは自分の太刀筋を笑われていると一層声を上げる。
「そ、その辺でス、ストップだ。」
マズイ、このままでは笑い死にする……
「そろそろ奴らの体制が整った様だ、後は実戦で教えるから戦端が開かれたらついてこいよ。」
「おぅ!」
冗談はさておき、騎士団の緊張感が増して来た。
「師匠は隊長とその取り巻きを任せます!」
「任されよう。」
やっと悪ふざけが終わったのかと安堵の表情で返してくるが、すいません師匠これからが本番です!
「ダズルとリックは左翼から撃ち漏らしを狙ってください。右翼は僕とゲルドで本体は僕が引き受けます。」
「ああ」
「分かった。」
「レオ!ついて行くぜ!」
「では、行きます!」
緊張が一気に高まり弾けた。
怒号を上げ騎士が殺到する。
リックの投擲が先頭の騎士の肩に直撃し、その隙を突いて師匠が切り込む。
「ちょっ!師匠!」
本体は任せろ言ったのにこれだ……
少しは真面目にやろうと思ったが、実際のところ負けはない。
精々、ルナティック・シンフォニー流をゲルドに叩き込む事にしよう。
「ゲルド!一の型!」
「星屑の黄昏!」
「えっ!」
とてつもないスピードと軌道で横一文字切りが炸裂。
受けた騎士はその剣速に驚いたまま上下に両断される。
僕が予想していた以上にスピードが上がっている。
「ゲルド!それだけスピードが変わるって事は、今まで手だけで振っていた証拠だ。普段から腰を入れて次は一の型を牽制に使いながら二の型に繋げて振ってみろ。」
「ああ!てやっ!続いてロマンス切り!」
本当にロマンス切りという技があるのかと錯覚するほどの威力、地面に若干亀裂が生じている。
「いいぞゲルド!次は三の型だ。これは一の型二の型からの連続技だ!よく見ておけよ!」
横一文字から袈裟斬り、その勢いを借りて遠心力を付け踏み込みながら身体を捻り再度間合いを詰めた袈裟斬りを仕掛ける。
「三の型月夜の舞!」
「すげー!こうか?」
「もっと踏み込め!剣を振るのではなく体の捻りに剣を乗せる!そうだ!もう一丁!」
「まだ、続けていたのか……」
師匠が呆れ顔で近づいて来る。
「まぁ、教えている内容はマトモですからね。格段に強くなりますよ。」
「ふーん、それよりも私よりも多く倒すの忘れるな。一人でも少なければわかっているな?」
捨てゼリフを吐いて、師匠が突っ込んで行く。
マズイ……
「ゲルド!」
「なんだ?」
肩で息をしながら近づいて来る。
普段と違う身体運びをしているから負荷は相当なものだろう。
「ゲルドの頑張りを見ていると先に奥義を教えても良いかと思って。ルナティック・シンフォニー流の奥義です!」
「おおっ!」
「やる気ですね。ではお教えしましょう。ルナティック・シンフォニー流奥義!その名もルナルナハート!」
「ルナルナハート?」
「ああ、ルナへの愛と己の乙女的心を最大に込めた必殺奥義だ。よく見ていろ!」
半身に構え、右手で握った剣を後ろに引き剣先を相手に向け左手を刃に添え安定させると、剣に魔力を込めた。
「奥義!ルナルナハート!」
左足で蹴り出し右足を前に出すと同時に鋭い剣先を右手で突き出した。
「それはただの突きもしくは突進と言うのだが……」
師匠のツッコミが遠くで聞こえるが構わず踏み込むと、魔力で増幅された剣の威力が鋭い突きと共に前方に放出される。
食らった騎士の中心には巨大な穴が空き絶命する。
ゲルドが感嘆の声を上げている。
「さぁやってみろ!」
「おおっ!魔法剣の応用で一点に集める感じで間違い無いか?」
何気に要点を掴んでいるところがゲルドの凄いとこだ。
「ああ!はなてー!」
「ルナルナハート!」
渾身のゲルド一撃は僕も驚く威力で近づく騎士の上半身を形無く粉砕した。
「よ、良くやったなゲルド!これで、免許皆伝だ!他の技はおいおい教えるが今後も研鑽を積めば更なる高みへと登れるぞ。」
「分かった!ルナティック・シンフォニー流の高みを俺は目指す!」
「じゃ、僕は残党を殲滅してきますので、ゲルドは討ち漏らしを復習がてらお願いします。」
そういうと、師匠が無双する乱戦に突入して行った。
次々に斬り伏せていると、遠くでルナルナハート!という叫び声が聞こえ、その度に師匠の手が止まる。
その隙をついて師匠の獲物を横取りして行く。
「これで最後だ!」
師匠より一人多く切ったのを確認して目を向けると
師匠が一人の男に剣を突きつけているのが見える。
ずっと偉そうにしてたアイツだ。
「師匠。こっちは片付きましたよ」
杖に剣をしまいながら声をかけると師匠が軽く微笑みを返し、男に向き合う。
「さて、質問に答えて貰おうか」
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