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序章 兄弟
アルフレッド、食中毒を起こす
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その日からアルフレッド達は溢れるほどの水を用いて顔を洗ったり、スープを作ったりして最低限の食事を摂る。
「おぼっちゃま! このお野菜すごいですよ。似ただけで肉の旨味と野菜の旨みが滲み出て、これだけでスープにできちゃいます」
「売れるかな?」
「売れるでしょうけど、まず間違いなく目をつけられるでしょうね。普通に農家さんや畜産業の方を敵に回すでしょうから」
「でもお金にはなる?」
「なるでしょうね」
実際に料理を作ったことのないアルフレッドは、言質をとったぞとばかりにアナザーキングダムを開く。
事業の一つに『貿易』が追加された(資金-5,000)ので早速解放したのだが、そもそも売るものがないことを思い出した。
焼きたてパンのなる野菜、下拵えの済んだ肉の味がする野菜。
置けば売れるだろうが現実で売り出せない類のものだ。
だが架空の世界であるならば?
思った通りに捌けた。
活動資金は4,000から15,000まで増え。
獲得資金5,000オーバーボーナスとして鍵、10,000オーバーボーナスとしてまた種が貰えた。
これでやれることが増えたぞ。
いい加減自然溢るる緑を有効活用したいと思っていたところだ。
「サリィ、ここの窓から見える景色を少し明るくしてみたいんだけど、どう思う?」
「素晴らしいご提案ですね。けれどおぼっちゃま、残念ですが専門の道具もなければ知識もありませんわ。現実的ではありません」
寝言は寝ていえと遠回しに言われる。
「それをなんとかしちゃうのが僕の職能さ。見てて」
アルフレッドは新しく10,000もの資金の投資で新たにアバターを製作。
名を『レッド』とした。
名称でのみの違いだが、こちらには木材加工関連を任せようと思う。
土木関係のアル、木材関係のレッド。
アルに関しては水路関連も任せてるので、レッドもそのうち違う仕事を回すかもしれないな。
早速事業に林業を開始し、余分な木を排除しつつ材木の加工に移る。すると現実の景色も取り除いた木々に応じて光が差してくる。
アルフレッドは、ただ<アナザーキングダム>で指示を出しただけである。
「おぼっちゃまの職能は、世界に影響を与える物なんでしょうか?」
「厳密には違うよ、けれどそうとも受け取れるね。さて、景色も良くなったことだし、屋敷の周りの問題点を精査していこうか」
「はい!」
食生活はマシになったとはいえ、アルフレッドはまだ傷が痛々しい。サリィによる治癒は毎日行われているが、お互いに魔力が少なく、全回復とは言い切れない。
したがって外に出ると意思表示を取る時は、サリィの肩を借りることを意味している。
飲み水や食べ物は確保した。
だが貴族の暮らしには程遠い。
そんなささやかな幸せを謳歌する為にアルフレッドは自然の中から新たに新しい植物の育成に取り組もうとした。
それがキノコだ。
実際に食べるのは流石に怖いので<アナザーキングダム>の中で量産して、売れ行きのいいやつだけ厳選して食べることにしたのだが……
「おぼっちゃま、このキノコ、煮出してからものすごくお腹の空く香りがしてきて……」
「まだだよサリィ、ここに干し肉の実を入れたらどうなると思う?」
「きゃー、想像してきたらお腹がより空いてきました」
「今夜はご馳走だ」
離れの屋敷に閉じ込められて、三日。
貴族がこんな場所に閉じ込められたら気が狂いそうになるほどの理不尽な環境。
その中でアルフレッドと従者のサリィは逞しくも生き抜いていた。
が、干し肉の実を入れた途端それは起こった。
もうそのままで飲めるキノコスープの色と匂いが突然あやしい色合い、吐き気を催す臭いへと変貌した。
まるで食材同士が喧嘩してる様に、鍋の中はぐつぐつと煮えたぎった。
だがどんな結果であれ、食べ物を無駄にできる身分ではないアルフレッド達は、見事に完食して数日間死の淵を彷徨う羽目になった。
自業自得である。
以降極上キノコ(と名付けられた)と干し肉の実は合わせて食べることを禁じられたのは言うまでもない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆アルフレッド
人間 男 10歳
才能 :王の采配<アナザーキングダム>
活動資金:1,000
記憶の鍵:1
昇格の種:0
<スキル>
『持ち込む』『取り出す』『指示出し』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<従者>
☆アルLV2
<アバター>
『高速開墾』『作物促進の手』『トンネル工事』『下水工事』
☆レッドLV1
<アバター>
『切断』『木材加工』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<事業>
★農業Ⅰ
・指定した土地を理想の農地に変える
★水路Ⅰ
・指定した場所にフィールド内の水路を自由に通す
★貿易Ⅰ
・商品を売却して活動資金を得る
★林業Ⅰ
・フィールド内の木々の配置を自由に設定出来る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆畜産Ⅰ_3000
☆街道Ⅰ_5000
☆建築Ⅰ_5000
☆調理Ⅰ_8000
☆調薬Ⅰ_8000
☆製布Ⅰ_8000
☆鍛治Ⅰ_10000
☆炭鉱Ⅰ_30000
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「おぼっちゃま! このお野菜すごいですよ。似ただけで肉の旨味と野菜の旨みが滲み出て、これだけでスープにできちゃいます」
「売れるかな?」
「売れるでしょうけど、まず間違いなく目をつけられるでしょうね。普通に農家さんや畜産業の方を敵に回すでしょうから」
「でもお金にはなる?」
「なるでしょうね」
実際に料理を作ったことのないアルフレッドは、言質をとったぞとばかりにアナザーキングダムを開く。
事業の一つに『貿易』が追加された(資金-5,000)ので早速解放したのだが、そもそも売るものがないことを思い出した。
焼きたてパンのなる野菜、下拵えの済んだ肉の味がする野菜。
置けば売れるだろうが現実で売り出せない類のものだ。
だが架空の世界であるならば?
思った通りに捌けた。
活動資金は4,000から15,000まで増え。
獲得資金5,000オーバーボーナスとして鍵、10,000オーバーボーナスとしてまた種が貰えた。
これでやれることが増えたぞ。
いい加減自然溢るる緑を有効活用したいと思っていたところだ。
「サリィ、ここの窓から見える景色を少し明るくしてみたいんだけど、どう思う?」
「素晴らしいご提案ですね。けれどおぼっちゃま、残念ですが専門の道具もなければ知識もありませんわ。現実的ではありません」
寝言は寝ていえと遠回しに言われる。
「それをなんとかしちゃうのが僕の職能さ。見てて」
アルフレッドは新しく10,000もの資金の投資で新たにアバターを製作。
名を『レッド』とした。
名称でのみの違いだが、こちらには木材加工関連を任せようと思う。
土木関係のアル、木材関係のレッド。
アルに関しては水路関連も任せてるので、レッドもそのうち違う仕事を回すかもしれないな。
早速事業に林業を開始し、余分な木を排除しつつ材木の加工に移る。すると現実の景色も取り除いた木々に応じて光が差してくる。
アルフレッドは、ただ<アナザーキングダム>で指示を出しただけである。
「おぼっちゃまの職能は、世界に影響を与える物なんでしょうか?」
「厳密には違うよ、けれどそうとも受け取れるね。さて、景色も良くなったことだし、屋敷の周りの問題点を精査していこうか」
「はい!」
食生活はマシになったとはいえ、アルフレッドはまだ傷が痛々しい。サリィによる治癒は毎日行われているが、お互いに魔力が少なく、全回復とは言い切れない。
したがって外に出ると意思表示を取る時は、サリィの肩を借りることを意味している。
飲み水や食べ物は確保した。
だが貴族の暮らしには程遠い。
そんなささやかな幸せを謳歌する為にアルフレッドは自然の中から新たに新しい植物の育成に取り組もうとした。
それがキノコだ。
実際に食べるのは流石に怖いので<アナザーキングダム>の中で量産して、売れ行きのいいやつだけ厳選して食べることにしたのだが……
「おぼっちゃま、このキノコ、煮出してからものすごくお腹の空く香りがしてきて……」
「まだだよサリィ、ここに干し肉の実を入れたらどうなると思う?」
「きゃー、想像してきたらお腹がより空いてきました」
「今夜はご馳走だ」
離れの屋敷に閉じ込められて、三日。
貴族がこんな場所に閉じ込められたら気が狂いそうになるほどの理不尽な環境。
その中でアルフレッドと従者のサリィは逞しくも生き抜いていた。
が、干し肉の実を入れた途端それは起こった。
もうそのままで飲めるキノコスープの色と匂いが突然あやしい色合い、吐き気を催す臭いへと変貌した。
まるで食材同士が喧嘩してる様に、鍋の中はぐつぐつと煮えたぎった。
だがどんな結果であれ、食べ物を無駄にできる身分ではないアルフレッド達は、見事に完食して数日間死の淵を彷徨う羽目になった。
自業自得である。
以降極上キノコ(と名付けられた)と干し肉の実は合わせて食べることを禁じられたのは言うまでもない。
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◆アルフレッド
人間 男 10歳
才能 :王の采配<アナザーキングダム>
活動資金:1,000
記憶の鍵:1
昇格の種:0
<スキル>
『持ち込む』『取り出す』『指示出し』
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<従者>
☆アルLV2
<アバター>
『高速開墾』『作物促進の手』『トンネル工事』『下水工事』
☆レッドLV1
<アバター>
『切断』『木材加工』
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<事業>
★農業Ⅰ
・指定した土地を理想の農地に変える
★水路Ⅰ
・指定した場所にフィールド内の水路を自由に通す
★貿易Ⅰ
・商品を売却して活動資金を得る
★林業Ⅰ
・フィールド内の木々の配置を自由に設定出来る
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☆畜産Ⅰ_3000
☆街道Ⅰ_5000
☆建築Ⅰ_5000
☆調理Ⅰ_8000
☆調薬Ⅰ_8000
☆製布Ⅰ_8000
☆鍛治Ⅰ_10000
☆炭鉱Ⅰ_30000
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