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五章
進化する飯テロ
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やってきました草原フィールド。
太陽は気持ち中天から傾いてしまいましたが、プレイヤーはまだまだ活気に満ち溢れていました。みなさんまだまだ元気みたいですね。
私達もその中へいそいそとお邪魔しました。
「よーし、それじゃあ早速お肉から集めないとね」
開口一番そんなことを言うローズさん。
あれだけ食べたのにまだ食べ足りないのでしょうか?
別腹とはいえ食べ過ぎではないでしょうか?
「お肉て……まだ食べるんですか?」
「むしろ足りないくらい?」
そんないい顔で返されましても。
「はいはい、ステーキがご所望でしたね。味付けはどうします? MP消費の少ない塩コショウで平気ですか?」
「いやー、あたしはお味噌の風味がある方が好きなんだよねー」
「また消費の重いものを選ぶんですから。他の人が欲しがっても特別に用意はしませんからその時は断ってくださいね?」
「わーい、やったー」
全くもう、調子ばかりいいんだから。
それと先ほど調理した限り消費MPは塩コショウが1、漬けダレが3、味噌ダレが5だったんですよね。
それも重量1000に対してです。
塩コショウですと、
ウサギは1倍
カエルは4倍
チャージシープは7倍
と、規格によって消費量が増えていくのは把握済み。
ですがその法則性は未だ解明されてません。
では重量でしょうか?
ウサギが1,000……1
カエルは40,000……4
ヒツジは25,000,000……7
うーん、全くわかりません。
するとLVでしょうか?
ウサギが1……1
カエルは3……4
ヒツジは5……7
違いますね。解るのは3づつ増えていってる事ぐらいで、考えるに重量の規模で3づつ増えていく、でしょうか?
その規模を割り出すのは面倒ですし、MPは余らせておくに限る。それだけ頭に叩き込んでおけばいいでしょう。
そんな事よりお肉を確保しませんと。
さっきからローズさんの視線が痛いのなんの。
まずは普通に塩コショウを振りかけて仕留めてみましょう……成功。
開始5分以内に仕留められたのはいい滑り出しですね。
次は漬けダレ……おや? なんだかホワイトラビットがドス黒く変色しちゃいました? そして特に何もしてないのにHPが見る見る減って……あ、加工成功しました。
開始から僅か1分足らずです。
タコ糸で縛るより、動かした方が加工出来る速度が違うような?
うわっ、よく見たら《状態異常(バッドステータス):塩分中毒・大》になってましたよ。これってもしかして、この効果で心臓を圧迫させて倒しちゃった?
エグッ、このスキルエグいですよ。
それはともかくとしてタコ糸を利用せずに倒せるのはオイシイですね。
次に味噌ダレをえいっ!
こっちはホワイトラビットの体が少し薄茶色くなりましたね。
そして10秒もしないうちに加工が完了……え? 強すぎません?
ちょっと奮発してもう2、3体に試してみる。
1体目……10秒
2体目……13秒
3体目……16秒
少しバラツキはありますけど常に即死の判定を行なっているかのような処理速度でした。あれ? これ十分戦えるような? むしろ強いぐらいです。
例によって《状態異常(バッドステータス):塩分中毒・極》になってますね。
多分5秒ごとに即死のダイスロールして、うまく生き延びても30秒以内には倒せるとかそういうのなんでしょうね。
そう考えると生きたままの加工ってかなりデンジャラスな気がしないでもないです。
これ、本当の料理人が扱ったらマズイやつですよね? むしろバラしてしまいますか? でもスキル化させる条件がまだわかってませんし……んむー、悩む。
教えた結果、使えないと判断されても困りますしね。まずは要検証ですか?
それがいいでしょうね。教えることはいつでもできますし。
「どしたのリアさん。難しい顔しちゃって」
「いえ、タコ糸が無くても戦える現実を突きつけられまして。むしろ強すぎるくらいで困ってます」
「へー、いいことじゃない?」
「うん? はい。いい事なんですけど、ローズさんの出番無くなっちゃいますよ?」
「それが全部食べられるお肉とは限らないんでしょ? ならそれの消費こそあたしの出番じゃない?」
「ああ、そういう」
「ふふん、あたしの有用さがわかったところでご飯にしよ」
「バードの時は仕方ないとしてもよく食べますよね」
「あの時はあの時。今は今よ」
「はいはい。それじゃあコンロ出して。鉄板置いて油引くから」
「はーい」
のんびりとした午後のさわやかなフィールドに煙幕を大量に広げ。
そこへお肉の焼ける音と匂いを載せる。
いつも通りフィールド全体に提供していますと、案の定やってきました団体さん。なんとマイ皿と箸持参です。出待ちしていたんでしょうか?
なんとも用意のいいことで。
いえ、ここはゲームの世界。どこかの誰かが掲示板で流したのでしょうか? 特に問い詰める雰囲気はなく、また頼むよ、といった感じに鉄板の前に陣取り始めました。
こちらがまだ何もいっていないのに我が物顔です。
まぁ私はお腹いっぱいなので別にいいのですけどね。
お肉を切ってお皿に乗せて渡せば勝手に始めてくれるのでこちらは楽できていいですけどね。
さて、今回はもう一品ありますよ。
これは完全に私専用です。
ここずっとお肉ばかりでしたから少しお腹が重い気がするんですよね。ですので油を洗い流すのに野菜スープを作っておこうと画策していました。
先ほど買い足したコンロと寸胴鍋をアイテムバッグから取り出してセット。
そこへ水がいくらでも出る魔導具(耐久度:200)でなみなみお水を注いで塩コショウを振って沸騰させます。沸騰させるのにお塩を入れておくと早く沸点が上がるんですよね。
コショウは余計ですがまぁ良いでしょう。
グツグツと寸胴鍋の中心に泡が立ち始めました。ここで野菜をドサドサと投入します。熱を通せば大丈夫の法則です。
この世界の野菜ってディップソース以外は生でしか食べた事ないんですよね。
なので茹でて美味しいかはギャンブルです。
蓋をして中火で10分。
おたまで撹拌して取り皿に移して味見。
うーん、少し物足りない。
何が足りないのでしょうか?
お出汁でしょうか?
そう言えば焼いた状態で取り置きしていたシープ肉がありました。それをポイポイと投入してみます。
本当は孝さんと食べる予定でしたが、調理してしまうと鮮度判定が働いてしまうのでどんどんと味が落ちてしまうのですよね。バイヤーさん達が奪い合っていた鮮度が100とするならば、現状はすでに60を下回って58。
明日になれば0になるのは目に見えているので惜しみなく投入して一煮立ち。
蓋をパカっと開けた時に、なんとも言えない匂いがフィールドを包み込みました。
なんでしょう、ホッとするような香りです。早速味見をして……うん、さっきよりだいぶ良くなってます。
今度作る時はガラで出汁取りしてから野菜を投入する事にしましょうか。
取り敢えず味見役のローズさんに一杯渡して反応をみます。
すぐに気に入ったようでおかわりを要求してきました。
俺もオレもとプレイヤーさんが行列を作りますが、お椀は自分達用しか無いので欲しいと言われても困ります。
「申し訳ありませんが貸し出し出来るお椀がありませんので何か代用品をお持ちいただけますか? それによそう事は可能ですので」
そういうと半分ぐらいのプレイヤーがダッシュで街に走っていき、残されたプレイヤーはこれに頼むとポーション用の瓶を差し出してくれました。
これ……うぐ、結構キツイ匂いがしますね。せっかくの風味が死んでしまいかねない危険もありますが、本人がいいといったのですから責任は取りませんよ?
渡したプレイヤーからは「美味しい!」という言葉と、「MPの回復速度が上がった!?」というありがたい情報を頂きました。
そう言えば結構消費したと思われた私のMPが全回復してますね。
それが掲示板にでも書き込まれたのでしょう。あっという間に行列が出来上がってしまいました。
タダだと分かっているのかみなさん遠慮がなさすぎじゃありませんかね?
一応これだけと言い伝えておきましょうか。消費に協力してくれるのは心底ありがたいので。
敵MOBそっちのけでフィールドの真ん中で行われる宴会は大盛況を迎えて終了しました。中でも人気でしたのが漬け込み肉と野菜スープ。
ローズさんに後から聞いた話ですと、塩コショウの方はただ美味しいだけなのですが、漬けダレの方はHP回復速度上昇、味噌ダレの方は状態異常回復速度上昇とバフ効果が付いてました。
これによってバトルコックは掲示板で一躍有名人に……とはなりません。
だってジョブについてバラしてませんからね。
まだ検証が必要なので炊き出しの様なことは続けていきますが、それは孝さんがこのゲームへ参加するまでの毒味役。
好きこのんで参加してくれるローズさんはともかくとして、こういう人では種族によっては貴重ですからね。
あまり大騒ぎになると文句を言ってくる料理人が居るのでお土産も持っていきましょうか。
ヒツジ肉は加工ポイントがウサギの1やカエルの10に比べて100と美味しいのですが、アイテムバッグの占有率的にはマズイので、ウサギオンリーで。
圧縮保存はMP消費が激しいですけど、それはヒツジに限った場合です。
ウサギに10使うだけでその重さは100まで落ちるのでアイテムバッグ的には結構な余裕が出来ました。
そしてこれは加工して取り出した後の素材にも使える事が判明しています。
肉以外の余計な分はローズさんに押し付け、それらを全て漬けダレ加工と味噌ダレ加工の鍋に分けて入れて、それを対象にして《圧縮保存》。
これは楽チンでいいですね。実際にタレで漬ける訳ではないので、浸かりすぎという状態は防げる訳です。ちょうどいい感じに浸かる訳ですね。
重さはトータルで100K。これをMPを10消費して10Kに抑えて二つバッグに収めます。
更にスープ用の寸胴鍋にスープを作って、味見……味見しても料理バフがかかる辺り、これは相当重宝しそうです。
MP回復ポーションとは違い、あくまでこれは自然回復量の上昇に過ぎませんが、最大値が多いほどその効果が上がっていくのでバカにも出来ません。
私はこれにずっとお世話になる感じです。ですがこれは試作品。もっと味の改良を加えていきませんとね。
スープ用の寸胴鍋はそのまま入れると30K。やっぱり重いので、少量に小分けした分をベルトに下げて、あとは圧縮保存でバッグに収めます。これで3K。
残り物で使役率の低下に悪戦苦闘をしていたローズさんもだいたい消費を終えたのか、結構使役ポイントあがったよーと喜んでいました。
私も結構乱獲しましたからね。貰えるポイントは1ポイントですが、チリも積もればなんとやら。もうすぐで7に上がりそうなぐらいは溜まってました。
料理をしていただけですのにこれは嬉しい誤算と言いますか、やはり素材を現地調達出来るバトルコックは面白いなと思いました。
太陽は気持ち中天から傾いてしまいましたが、プレイヤーはまだまだ活気に満ち溢れていました。みなさんまだまだ元気みたいですね。
私達もその中へいそいそとお邪魔しました。
「よーし、それじゃあ早速お肉から集めないとね」
開口一番そんなことを言うローズさん。
あれだけ食べたのにまだ食べ足りないのでしょうか?
別腹とはいえ食べ過ぎではないでしょうか?
「お肉て……まだ食べるんですか?」
「むしろ足りないくらい?」
そんないい顔で返されましても。
「はいはい、ステーキがご所望でしたね。味付けはどうします? MP消費の少ない塩コショウで平気ですか?」
「いやー、あたしはお味噌の風味がある方が好きなんだよねー」
「また消費の重いものを選ぶんですから。他の人が欲しがっても特別に用意はしませんからその時は断ってくださいね?」
「わーい、やったー」
全くもう、調子ばかりいいんだから。
それと先ほど調理した限り消費MPは塩コショウが1、漬けダレが3、味噌ダレが5だったんですよね。
それも重量1000に対してです。
塩コショウですと、
ウサギは1倍
カエルは4倍
チャージシープは7倍
と、規格によって消費量が増えていくのは把握済み。
ですがその法則性は未だ解明されてません。
では重量でしょうか?
ウサギが1,000……1
カエルは40,000……4
ヒツジは25,000,000……7
うーん、全くわかりません。
するとLVでしょうか?
ウサギが1……1
カエルは3……4
ヒツジは5……7
違いますね。解るのは3づつ増えていってる事ぐらいで、考えるに重量の規模で3づつ増えていく、でしょうか?
その規模を割り出すのは面倒ですし、MPは余らせておくに限る。それだけ頭に叩き込んでおけばいいでしょう。
そんな事よりお肉を確保しませんと。
さっきからローズさんの視線が痛いのなんの。
まずは普通に塩コショウを振りかけて仕留めてみましょう……成功。
開始5分以内に仕留められたのはいい滑り出しですね。
次は漬けダレ……おや? なんだかホワイトラビットがドス黒く変色しちゃいました? そして特に何もしてないのにHPが見る見る減って……あ、加工成功しました。
開始から僅か1分足らずです。
タコ糸で縛るより、動かした方が加工出来る速度が違うような?
うわっ、よく見たら《状態異常(バッドステータス):塩分中毒・大》になってましたよ。これってもしかして、この効果で心臓を圧迫させて倒しちゃった?
エグッ、このスキルエグいですよ。
それはともかくとしてタコ糸を利用せずに倒せるのはオイシイですね。
次に味噌ダレをえいっ!
こっちはホワイトラビットの体が少し薄茶色くなりましたね。
そして10秒もしないうちに加工が完了……え? 強すぎません?
ちょっと奮発してもう2、3体に試してみる。
1体目……10秒
2体目……13秒
3体目……16秒
少しバラツキはありますけど常に即死の判定を行なっているかのような処理速度でした。あれ? これ十分戦えるような? むしろ強いぐらいです。
例によって《状態異常(バッドステータス):塩分中毒・極》になってますね。
多分5秒ごとに即死のダイスロールして、うまく生き延びても30秒以内には倒せるとかそういうのなんでしょうね。
そう考えると生きたままの加工ってかなりデンジャラスな気がしないでもないです。
これ、本当の料理人が扱ったらマズイやつですよね? むしろバラしてしまいますか? でもスキル化させる条件がまだわかってませんし……んむー、悩む。
教えた結果、使えないと判断されても困りますしね。まずは要検証ですか?
それがいいでしょうね。教えることはいつでもできますし。
「どしたのリアさん。難しい顔しちゃって」
「いえ、タコ糸が無くても戦える現実を突きつけられまして。むしろ強すぎるくらいで困ってます」
「へー、いいことじゃない?」
「うん? はい。いい事なんですけど、ローズさんの出番無くなっちゃいますよ?」
「それが全部食べられるお肉とは限らないんでしょ? ならそれの消費こそあたしの出番じゃない?」
「ああ、そういう」
「ふふん、あたしの有用さがわかったところでご飯にしよ」
「バードの時は仕方ないとしてもよく食べますよね」
「あの時はあの時。今は今よ」
「はいはい。それじゃあコンロ出して。鉄板置いて油引くから」
「はーい」
のんびりとした午後のさわやかなフィールドに煙幕を大量に広げ。
そこへお肉の焼ける音と匂いを載せる。
いつも通りフィールド全体に提供していますと、案の定やってきました団体さん。なんとマイ皿と箸持参です。出待ちしていたんでしょうか?
なんとも用意のいいことで。
いえ、ここはゲームの世界。どこかの誰かが掲示板で流したのでしょうか? 特に問い詰める雰囲気はなく、また頼むよ、といった感じに鉄板の前に陣取り始めました。
こちらがまだ何もいっていないのに我が物顔です。
まぁ私はお腹いっぱいなので別にいいのですけどね。
お肉を切ってお皿に乗せて渡せば勝手に始めてくれるのでこちらは楽できていいですけどね。
さて、今回はもう一品ありますよ。
これは完全に私専用です。
ここずっとお肉ばかりでしたから少しお腹が重い気がするんですよね。ですので油を洗い流すのに野菜スープを作っておこうと画策していました。
先ほど買い足したコンロと寸胴鍋をアイテムバッグから取り出してセット。
そこへ水がいくらでも出る魔導具(耐久度:200)でなみなみお水を注いで塩コショウを振って沸騰させます。沸騰させるのにお塩を入れておくと早く沸点が上がるんですよね。
コショウは余計ですがまぁ良いでしょう。
グツグツと寸胴鍋の中心に泡が立ち始めました。ここで野菜をドサドサと投入します。熱を通せば大丈夫の法則です。
この世界の野菜ってディップソース以外は生でしか食べた事ないんですよね。
なので茹でて美味しいかはギャンブルです。
蓋をして中火で10分。
おたまで撹拌して取り皿に移して味見。
うーん、少し物足りない。
何が足りないのでしょうか?
お出汁でしょうか?
そう言えば焼いた状態で取り置きしていたシープ肉がありました。それをポイポイと投入してみます。
本当は孝さんと食べる予定でしたが、調理してしまうと鮮度判定が働いてしまうのでどんどんと味が落ちてしまうのですよね。バイヤーさん達が奪い合っていた鮮度が100とするならば、現状はすでに60を下回って58。
明日になれば0になるのは目に見えているので惜しみなく投入して一煮立ち。
蓋をパカっと開けた時に、なんとも言えない匂いがフィールドを包み込みました。
なんでしょう、ホッとするような香りです。早速味見をして……うん、さっきよりだいぶ良くなってます。
今度作る時はガラで出汁取りしてから野菜を投入する事にしましょうか。
取り敢えず味見役のローズさんに一杯渡して反応をみます。
すぐに気に入ったようでおかわりを要求してきました。
俺もオレもとプレイヤーさんが行列を作りますが、お椀は自分達用しか無いので欲しいと言われても困ります。
「申し訳ありませんが貸し出し出来るお椀がありませんので何か代用品をお持ちいただけますか? それによそう事は可能ですので」
そういうと半分ぐらいのプレイヤーがダッシュで街に走っていき、残されたプレイヤーはこれに頼むとポーション用の瓶を差し出してくれました。
これ……うぐ、結構キツイ匂いがしますね。せっかくの風味が死んでしまいかねない危険もありますが、本人がいいといったのですから責任は取りませんよ?
渡したプレイヤーからは「美味しい!」という言葉と、「MPの回復速度が上がった!?」というありがたい情報を頂きました。
そう言えば結構消費したと思われた私のMPが全回復してますね。
それが掲示板にでも書き込まれたのでしょう。あっという間に行列が出来上がってしまいました。
タダだと分かっているのかみなさん遠慮がなさすぎじゃありませんかね?
一応これだけと言い伝えておきましょうか。消費に協力してくれるのは心底ありがたいので。
敵MOBそっちのけでフィールドの真ん中で行われる宴会は大盛況を迎えて終了しました。中でも人気でしたのが漬け込み肉と野菜スープ。
ローズさんに後から聞いた話ですと、塩コショウの方はただ美味しいだけなのですが、漬けダレの方はHP回復速度上昇、味噌ダレの方は状態異常回復速度上昇とバフ効果が付いてました。
これによってバトルコックは掲示板で一躍有名人に……とはなりません。
だってジョブについてバラしてませんからね。
まだ検証が必要なので炊き出しの様なことは続けていきますが、それは孝さんがこのゲームへ参加するまでの毒味役。
好きこのんで参加してくれるローズさんはともかくとして、こういう人では種族によっては貴重ですからね。
あまり大騒ぎになると文句を言ってくる料理人が居るのでお土産も持っていきましょうか。
ヒツジ肉は加工ポイントがウサギの1やカエルの10に比べて100と美味しいのですが、アイテムバッグの占有率的にはマズイので、ウサギオンリーで。
圧縮保存はMP消費が激しいですけど、それはヒツジに限った場合です。
ウサギに10使うだけでその重さは100まで落ちるのでアイテムバッグ的には結構な余裕が出来ました。
そしてこれは加工して取り出した後の素材にも使える事が判明しています。
肉以外の余計な分はローズさんに押し付け、それらを全て漬けダレ加工と味噌ダレ加工の鍋に分けて入れて、それを対象にして《圧縮保存》。
これは楽チンでいいですね。実際にタレで漬ける訳ではないので、浸かりすぎという状態は防げる訳です。ちょうどいい感じに浸かる訳ですね。
重さはトータルで100K。これをMPを10消費して10Kに抑えて二つバッグに収めます。
更にスープ用の寸胴鍋にスープを作って、味見……味見しても料理バフがかかる辺り、これは相当重宝しそうです。
MP回復ポーションとは違い、あくまでこれは自然回復量の上昇に過ぎませんが、最大値が多いほどその効果が上がっていくのでバカにも出来ません。
私はこれにずっとお世話になる感じです。ですがこれは試作品。もっと味の改良を加えていきませんとね。
スープ用の寸胴鍋はそのまま入れると30K。やっぱり重いので、少量に小分けした分をベルトに下げて、あとは圧縮保存でバッグに収めます。これで3K。
残り物で使役率の低下に悪戦苦闘をしていたローズさんもだいたい消費を終えたのか、結構使役ポイントあがったよーと喜んでいました。
私も結構乱獲しましたからね。貰えるポイントは1ポイントですが、チリも積もればなんとやら。もうすぐで7に上がりそうなぐらいは溜まってました。
料理をしていただけですのにこれは嬉しい誤算と言いますか、やはり素材を現地調達出来るバトルコックは面白いなと思いました。
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