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76話 【長岡】深緑ダンジョン1
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「はい、こんにちはー。今日俺たちは長岡の深緑ダンジョンに来ています。ここはですねー、なんとマンドラゴラがいるんですよー。二、三匹間引いて富井さんに渡してお酒にすべく確保しました!」
「おいっす! 今日は新しいお仲間を紹介するぞ。ほら、自己紹介して」
「みんな、初めましてだな。俺の名は菊池大輝! 長岡で食事処をしてる鮮焼の二代目だ。ダイちゃんて呼んでくれよな!」
<コメント>
:ダイちゃん!
:おま、大輝かよ!ポンちゃんに迷惑だけはかけるなよ?
:知り合いがいて草
:地元勢の視聴率高いからね
「わっはっは。誰だか知らんがそうならないことを祈っててくれ!」
<コメント>
:お祈りするのをこっちに任せるのかよ
:こいつ大丈夫か?
:特技は?
:料理屋の倅なら、料理くらいできんだろ
:こいつにそう言うのは期待しないほうがいいぞ
:そういえばどういう伝?
「彼のお父さんが元モーゼのスタッフで、俺にとっては焼きの師匠なんだよ。昔可愛がってもらってさ」
「オレで言えば、卯保津のおっさんみたいな鬼畜教官だって話だ」
「あの親父が? いまだに信じらんねー」
「この通り、彼は過保護に育てられたので、教育のきょの字も施されてない。なので、うちには修行できてるんだ」
<コメント>
:おk把握
:なるほど
:ポンちゃんにさえドラ息子認定されてんのか
:草
:でもお前、どうやってダンジョンに進入してんだ? ライセンス持ってないだろ?
「これこれこう言うことよ」
ダイちゃんは屋台の影から消えたり現れたりしてる。
「お店とウチの屋台をオリンのワープポータルで繋いだんだよ。修行と言う名目で預かったけど、ダイちゃん自身は結婚して養う家族もいるみたいで。ウチの店には出稼ぎに来てる感じだな」
<コメント>
:安全圏確保してて草
:むしろそれが可能ならいつでもポンちゃんに弟子入りできる?
:ワープポータルを弟子入りのためだけに使うな
:JDS的にはそこんところどうなの?
JDSに直接荷物運んで、そこから直送してもらってる俺たちが言えたことじゃないけどさ。
「と、言うわけで種明かしもしたところでダンジョンを進みましょうか。ダイちゃんは呼ぶまで実家で待機してて」
「オッケー。みんなと一緒に応援してるな!」
そう言って、屋台の奥に引っ込んだ。
オリンが屋台を体内にしまいこみ、奥へと進む。
ここ、深緑ダンジョンは植物系がメインかと思いきや、それに伴って昆虫系モンスターも増えていく。
振るうの料理人なら食えなくて諦めるが……
「ミンサー!」
俺のスキルなら問題なく肉へと変換できる。
全部ミンチ肉となってしまうけどな。
<コメント>
:我が軍は圧倒的じゃないか!
:ポンちゃん強すぎなんよ
:ヨッちゃんも負けてねーぞ?
:さっきからスパイダーの糸全部風魔法で巻き取ってる
:そんな攻略法あったんか
:絶対真似できないやつだぞ
「これ食えないけど、綿菓子みてーじゃね?」
風魔法で巻き取った蜘蛛糸を見て、ヨッちゃんが子供みたいなことを言う。
「一回食ってみ?」
「口の中ベットベトになりそう」
<コメント>
:やめとけ
:なんでもかんでも食おうとするな!
:最近は安全な高級食材ばっかだったけど、これが本来の美食倶楽部だからな
:ゴブリンを食った男たちだぞ
:蜘蛛の糸くらいヘーキヘーキ
:悪ノリして本当に食ったらどうするんだよ
「まぁ、それをどうにかするのが俺の仕事なんでね」
味は、確かにべとついたが、このベトつきは熱したら解けた。
茹でたら粘り気は強くなり、蒸すと甘みがのこる。
衣に包んで揚げると、蒸した時と熱した時の複合体が生まれた。
次の実験は、ミンチ肉にしたクイーンスパイダーをこの糸でぐるぐる巻きにしてから揚げてみた。
すると、ジュワジュワ、パチパチ油の中で弾けて縮んだ。
元々の特性なのか、絡めると締め付けるのだろう。
俺たちは目の前で食事と呼べないそれを前にナイフとフォークで攻略を開始する。
「うん、なんというか蟹を上品にした甘さ」
「蟹のボイルなんて目じゃねえうまさだぜ? でも普通にスパイダーの肉はどうなるんだ?」
「そっちも試したぞ。ハンバーグとツミレの両方を味わってくれ」
「いただきまーす」
どこからか現れたダイちゃんが、ヨッちゃんに渡したお椀を奪い取って口に入れる。
「あ、おい! オレんだぞ?」
「まぁまぁお代わりはまだあるから」
ヨッちゃんの分を装い直してる間に、ダイちゃんが品定めを終えた。
「なんだろうな、そこらの飲み屋で酔っ払いに食わせる飯みたいな?」
<コメント>
:味にこだわってないって言いたいのか?
:お前の店も居酒屋だろうがよ
「バッカ、うちの親父が味にこだわってるのは知ってるだろ? 味の奥行きっつーのか? そう言うのがこれからは伝わってこねぇんだ。そこら辺にある味っつーの?」
<コメント>
:わかるようなわからんような?
:こいつ食レポ下手くそすぎねぇ?
:本当に飯屋の息子か疑わしいな
:どうせ適当言ってるだけだぞ
:ほんとぉ?
「さっきの揚げ物と比べたら雲泥の差って意味だよな、わかる。こいつ単体じゃそんなに美味くねぇ。だがよ、それを美味くするのが料理人ってやつなんだよ。ダイちゃんなら大して上手くないこれをどう工夫して旨くする?」
「そうだなぁ、俺だったら……」
最初こそ見栄え重視で、味のことなんて考えてないと評した。
しかし、菊池さんの料理で育ったもんだから舌は肥えており、味の奥深さについての理解は高い。
初めて料理に対する真剣な顔つき。
「見栄えなしで悪いが、足りない味は玉ねぎのメイラード反応。つまり焦がした時に出る旨み成分コクだ。他にも油分の減少が見られる。さっき食べさせてもらったフライ。あれは肉汁の旨みがうまいこと凝縮されてた。俺が思うに、普通の衣じゃ流れ出る肉汁を止められないんじゃないか? それこそ最高級の牛肉みたいに誘拐温度が低いって感じでさ」
刻んだ玉ねぎに火を通し、ミンチ肉をボールに入れてよく練り込んだ。
取り出したのはライスペーパー。
味の補足にチーズを刻んだのを混ぜ込み、更には見栄え重視でしその葉を巻いた。
揚げる時の油は低温で。
油の中でじっくり火を通し、表面がカラッと揚がってから取り出した。
得意分野の飾り包丁で大根を鳳凰のように刻み、皿の上で羽ばたかせる。
黄金色の春巻きは、鳳凰を見送る街に見立てたのかもしれない。
「塩でどうぞ、と言いたいが俺はマヨネーズも案外合うと思う」
「へぇ、やればできるじゃん」
「俺の芸術性から言わせたら下の下だが、味も考えるとこれが俺の最高傑作だ。ポンちゃんには遠くおよばねぇとは思うが」
「いや、いただくよ。俺たちの調理はどっちかと言えば酒のつまみに落ち着くからな」
本人は納得してない感じで、次々と作る。
メインはあくまで飾りの方で、料理はおまけと考えているのか。
どんどんと仕上げが雑になってきているのに目を瞑ればだが。
「普通にうめえ! これ、一味唐辛子とマヨネーズ合わせたらどうなるんだ?」
「辛子かぁ、肉が繊細な味だから入れないほうがいいな。マヨネーズ食って物足りなかったら付け合わせに……いや、それを決めるのは俺じゃなくて客か。親父にも散々言われたんだったわ」
なんだかんだと伝えたいことは伝わってるみたいですよ、菊池さん。
ただ、飾り包丁に向ける熱量がすごくて、それ以外がおざなりになってるだけっぽいです。
「七味バージョンは、微妙だった。マヨオンリーは好きだな。こいつを日本酒と飲んでみるのもありかな?」
「配信中はアルコールを控えてくれよ? 味の検証はまた後でやる。一応ここへは踏破しに来てるんだからさ」
「はいよー」
<コメント>
:あれ? 穀潰しじゃないのか、ダイちゃん?
:料理できるんじゃんよ
:ただ、料理よりかは飾りの方に熱を入れてる感じか
:下働きに来て、その態度はちょっとな
:材料だって無駄に使うわけだし、これポンちゃん以外だと扱いに困るやつだろ
:20件からお断りメール送られたって伝説持ってるからな
「いや、普通にうまいよ。たまに店に並べるか?」
「まだまだ修行中だから遠慮しとくぜ。それに、俺は目の前で客の驚く顔が見てぇんだ。店売りみたいに退店後、俺のいないところで驚かれてもな」
「難儀な性格してるなぁ」
「ウルセェ、自覚してるよ」
腕は悪くない。
だからこそ、その精神性が厄介だ。
こりゃ菊池さんが心配するのもわかる気がする。
独創性は十分にあるんだ。
あとは食材を自由に扱える環境さえ手に入れば、それを振る舞う機会が得られる。
でもそれは利益を中心に考える店だと行きつまる。
だからうちに押し付けた?
まぁ、俺たち自体もまだまだ未熟。武者修行中のみでもある。
それに同年代というのもあって、切磋琢磨できる間柄。
特に料理人はスタッフが全員ライバルみたいな環境だし、殺伐としてるイメージが多い。
モーゼではそうでもなかったが、他の店ではそうだと聞かされる。
越智間さんのところも縦社会だったし、虎八さんのところも然り。
なまじ、教育を受けてないピュアなダイちゃん。
そんな彼が修行する上でうってつけの条件を満たしてるのが偶然うちだったというわけか。
まぁ、自分とは違う独創的な料理に刺激を受ける部分もある。
人に教えるのもまた修行なのだと思えば、俺の伸び代にもなるかと思った。
「おいっす! 今日は新しいお仲間を紹介するぞ。ほら、自己紹介して」
「みんな、初めましてだな。俺の名は菊池大輝! 長岡で食事処をしてる鮮焼の二代目だ。ダイちゃんて呼んでくれよな!」
<コメント>
:ダイちゃん!
:おま、大輝かよ!ポンちゃんに迷惑だけはかけるなよ?
:知り合いがいて草
:地元勢の視聴率高いからね
「わっはっは。誰だか知らんがそうならないことを祈っててくれ!」
<コメント>
:お祈りするのをこっちに任せるのかよ
:こいつ大丈夫か?
:特技は?
:料理屋の倅なら、料理くらいできんだろ
:こいつにそう言うのは期待しないほうがいいぞ
:そういえばどういう伝?
「彼のお父さんが元モーゼのスタッフで、俺にとっては焼きの師匠なんだよ。昔可愛がってもらってさ」
「オレで言えば、卯保津のおっさんみたいな鬼畜教官だって話だ」
「あの親父が? いまだに信じらんねー」
「この通り、彼は過保護に育てられたので、教育のきょの字も施されてない。なので、うちには修行できてるんだ」
<コメント>
:おk把握
:なるほど
:ポンちゃんにさえドラ息子認定されてんのか
:草
:でもお前、どうやってダンジョンに進入してんだ? ライセンス持ってないだろ?
「これこれこう言うことよ」
ダイちゃんは屋台の影から消えたり現れたりしてる。
「お店とウチの屋台をオリンのワープポータルで繋いだんだよ。修行と言う名目で預かったけど、ダイちゃん自身は結婚して養う家族もいるみたいで。ウチの店には出稼ぎに来てる感じだな」
<コメント>
:安全圏確保してて草
:むしろそれが可能ならいつでもポンちゃんに弟子入りできる?
:ワープポータルを弟子入りのためだけに使うな
:JDS的にはそこんところどうなの?
JDSに直接荷物運んで、そこから直送してもらってる俺たちが言えたことじゃないけどさ。
「と、言うわけで種明かしもしたところでダンジョンを進みましょうか。ダイちゃんは呼ぶまで実家で待機してて」
「オッケー。みんなと一緒に応援してるな!」
そう言って、屋台の奥に引っ込んだ。
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ここ、深緑ダンジョンは植物系がメインかと思いきや、それに伴って昆虫系モンスターも増えていく。
振るうの料理人なら食えなくて諦めるが……
「ミンサー!」
俺のスキルなら問題なく肉へと変換できる。
全部ミンチ肉となってしまうけどな。
<コメント>
:我が軍は圧倒的じゃないか!
:ポンちゃん強すぎなんよ
:ヨッちゃんも負けてねーぞ?
:さっきからスパイダーの糸全部風魔法で巻き取ってる
:そんな攻略法あったんか
:絶対真似できないやつだぞ
「これ食えないけど、綿菓子みてーじゃね?」
風魔法で巻き取った蜘蛛糸を見て、ヨッちゃんが子供みたいなことを言う。
「一回食ってみ?」
「口の中ベットベトになりそう」
<コメント>
:やめとけ
:なんでもかんでも食おうとするな!
:最近は安全な高級食材ばっかだったけど、これが本来の美食倶楽部だからな
:ゴブリンを食った男たちだぞ
:蜘蛛の糸くらいヘーキヘーキ
:悪ノリして本当に食ったらどうするんだよ
「まぁ、それをどうにかするのが俺の仕事なんでね」
味は、確かにべとついたが、このベトつきは熱したら解けた。
茹でたら粘り気は強くなり、蒸すと甘みがのこる。
衣に包んで揚げると、蒸した時と熱した時の複合体が生まれた。
次の実験は、ミンチ肉にしたクイーンスパイダーをこの糸でぐるぐる巻きにしてから揚げてみた。
すると、ジュワジュワ、パチパチ油の中で弾けて縮んだ。
元々の特性なのか、絡めると締め付けるのだろう。
俺たちは目の前で食事と呼べないそれを前にナイフとフォークで攻略を開始する。
「うん、なんというか蟹を上品にした甘さ」
「蟹のボイルなんて目じゃねえうまさだぜ? でも普通にスパイダーの肉はどうなるんだ?」
「そっちも試したぞ。ハンバーグとツミレの両方を味わってくれ」
「いただきまーす」
どこからか現れたダイちゃんが、ヨッちゃんに渡したお椀を奪い取って口に入れる。
「あ、おい! オレんだぞ?」
「まぁまぁお代わりはまだあるから」
ヨッちゃんの分を装い直してる間に、ダイちゃんが品定めを終えた。
「なんだろうな、そこらの飲み屋で酔っ払いに食わせる飯みたいな?」
<コメント>
:味にこだわってないって言いたいのか?
:お前の店も居酒屋だろうがよ
「バッカ、うちの親父が味にこだわってるのは知ってるだろ? 味の奥行きっつーのか? そう言うのがこれからは伝わってこねぇんだ。そこら辺にある味っつーの?」
<コメント>
:わかるようなわからんような?
:こいつ食レポ下手くそすぎねぇ?
:本当に飯屋の息子か疑わしいな
:どうせ適当言ってるだけだぞ
:ほんとぉ?
「さっきの揚げ物と比べたら雲泥の差って意味だよな、わかる。こいつ単体じゃそんなに美味くねぇ。だがよ、それを美味くするのが料理人ってやつなんだよ。ダイちゃんなら大して上手くないこれをどう工夫して旨くする?」
「そうだなぁ、俺だったら……」
最初こそ見栄え重視で、味のことなんて考えてないと評した。
しかし、菊池さんの料理で育ったもんだから舌は肥えており、味の奥深さについての理解は高い。
初めて料理に対する真剣な顔つき。
「見栄えなしで悪いが、足りない味は玉ねぎのメイラード反応。つまり焦がした時に出る旨み成分コクだ。他にも油分の減少が見られる。さっき食べさせてもらったフライ。あれは肉汁の旨みがうまいこと凝縮されてた。俺が思うに、普通の衣じゃ流れ出る肉汁を止められないんじゃないか? それこそ最高級の牛肉みたいに誘拐温度が低いって感じでさ」
刻んだ玉ねぎに火を通し、ミンチ肉をボールに入れてよく練り込んだ。
取り出したのはライスペーパー。
味の補足にチーズを刻んだのを混ぜ込み、更には見栄え重視でしその葉を巻いた。
揚げる時の油は低温で。
油の中でじっくり火を通し、表面がカラッと揚がってから取り出した。
得意分野の飾り包丁で大根を鳳凰のように刻み、皿の上で羽ばたかせる。
黄金色の春巻きは、鳳凰を見送る街に見立てたのかもしれない。
「塩でどうぞ、と言いたいが俺はマヨネーズも案外合うと思う」
「へぇ、やればできるじゃん」
「俺の芸術性から言わせたら下の下だが、味も考えるとこれが俺の最高傑作だ。ポンちゃんには遠くおよばねぇとは思うが」
「いや、いただくよ。俺たちの調理はどっちかと言えば酒のつまみに落ち着くからな」
本人は納得してない感じで、次々と作る。
メインはあくまで飾りの方で、料理はおまけと考えているのか。
どんどんと仕上げが雑になってきているのに目を瞑ればだが。
「普通にうめえ! これ、一味唐辛子とマヨネーズ合わせたらどうなるんだ?」
「辛子かぁ、肉が繊細な味だから入れないほうがいいな。マヨネーズ食って物足りなかったら付け合わせに……いや、それを決めるのは俺じゃなくて客か。親父にも散々言われたんだったわ」
なんだかんだと伝えたいことは伝わってるみたいですよ、菊池さん。
ただ、飾り包丁に向ける熱量がすごくて、それ以外がおざなりになってるだけっぽいです。
「七味バージョンは、微妙だった。マヨオンリーは好きだな。こいつを日本酒と飲んでみるのもありかな?」
「配信中はアルコールを控えてくれよ? 味の検証はまた後でやる。一応ここへは踏破しに来てるんだからさ」
「はいよー」
<コメント>
:あれ? 穀潰しじゃないのか、ダイちゃん?
:料理できるんじゃんよ
:ただ、料理よりかは飾りの方に熱を入れてる感じか
:下働きに来て、その態度はちょっとな
:材料だって無駄に使うわけだし、これポンちゃん以外だと扱いに困るやつだろ
:20件からお断りメール送られたって伝説持ってるからな
「いや、普通にうまいよ。たまに店に並べるか?」
「まだまだ修行中だから遠慮しとくぜ。それに、俺は目の前で客の驚く顔が見てぇんだ。店売りみたいに退店後、俺のいないところで驚かれてもな」
「難儀な性格してるなぁ」
「ウルセェ、自覚してるよ」
腕は悪くない。
だからこそ、その精神性が厄介だ。
こりゃ菊池さんが心配するのもわかる気がする。
独創性は十分にあるんだ。
あとは食材を自由に扱える環境さえ手に入れば、それを振る舞う機会が得られる。
でもそれは利益を中心に考える店だと行きつまる。
だからうちに押し付けた?
まぁ、俺たち自体もまだまだ未熟。武者修行中のみでもある。
それに同年代というのもあって、切磋琢磨できる間柄。
特に料理人はスタッフが全員ライバルみたいな環境だし、殺伐としてるイメージが多い。
モーゼではそうでもなかったが、他の店ではそうだと聞かされる。
越智間さんのところも縦社会だったし、虎八さんのところも然り。
なまじ、教育を受けてないピュアなダイちゃん。
そんな彼が修行する上でうってつけの条件を満たしてるのが偶然うちだったというわけか。
まぁ、自分とは違う独創的な料理に刺激を受ける部分もある。
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