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【ハヤテの章①】ゲーム内生活1〜8日目【AWO】
08_料理スキル開拓!
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「あ、そだ。忘れるところだった」
貰うもんを貰ったらそのまま帰ろうとしたところで、思い出す。
「ん? まだおねだりかな」
「おじいちゃん、そういうところ抜け目ないもんね」
「二人して私を一体どんなふうに見てるの。じゃなくて」
これ、とアルバイト先の座標を渡す。
「これが?」
「今私が料理の研鑽を積んでるお店。売り上げに貢献してくれたらなって」
「足繁く通えば、借金返済の最短ルートが?」
「アルバイトで億は稼げないよ、お父さん」
それはそう。
どれだけ店が儲かっても、バイトの給与は一律なのだ。
リアルのバイトで億は稼げない。
「いや、わかってるが。お義父さんの誘いって何か裏があるような気がして」
「毒されてるなぁ。昔の私は善意でお誘いしていたのに」
「ちなみに、行くとどんな特典があるのかな?」
「私の制服姿が見れる、とか?」
「ヨシ、行こう」
「お父さん?」
お母さんの目が鋭くなる。
このゲームをやり始めた頃の行きすぎた行動を思いだしているのだろう。
「ファンクラブ制作と運営は任せてくれ」
「お父さん!」
悪い癖が出てる、とお母さんが額に手を置いた。
「私はアイドル活動はしないよ? 姉さんはわからないけど」
「トキはやる気満々のようよ? ハヤテちゃんに歌わせるって」
そんな話知らないんだけど?
「勘弁して。今の流行りの歌とか何も知らないよ?」
「大丈夫大丈夫。なんか音楽に合わせて声を発生するだけでそれっぽくなるから」
「やんないよ?」
「やってくれたら、借金は帳消しにしてもいい」
このやりとりは、覚えがある。
探偵さんの、先に情報を開示してから自分の話に持っていく流れだ。
というか、よく私もこうやってお爺ちゃんをハメていたなと思い出して、観念する。
「やるかどうかは私に決めさせて。その、姉さん次第なところあるし」
ここで私も切り札を切る。
というのも、今回のアルバイトのきっかけが姉さんの楽器を購入する費用の捻出であるからだ。
元々前世と違うスタイルで遊ぶ予定、というかせっかく得たチャンスなのでなぞるつもりはなかった。
けれど、お母さんの予備知識のおかげで私のスキル骨子はパッシブ全振り。
それもあって、今回一緒に訪ねてきたわけであると述べた。
「ふむ、つまりお義父さんとしてはアイドルをするつもりは一切ないし、なんならトキが絡めばやぶさかではないと」
「何やら含むところはあるけど、姉さんと一緒に楽しむためのログインではあるからね」
「お父さん、うちの子をあんまりいじめないでね?」
「お爺ちゃんではなくて、娘として選択したか」
「実際娘ですしー」
これでは僕だけが悪者だな、と言葉を続けお爺ちゃんはブラックカードを差し出した。
「精錬の騎士の専用パスだ。何か困ったことがあったら僕が責任を取ろう」
「貸しを作るのは怖いので、なるべく頼らないようにする」
「はっはっは、遠慮せず言ってくれていいんだぞぉ?」
「じゃあ」
私は錬金術と料理のスキルをおねだりした。
お爺ちゃんは二つ返事で了承した。
しれっと借金は増えていたが、いつか返せるほど稼いでやろうと決意を決める。
「そういえば、楽器ってどこの街で売ってるんだろうね」
「楽器ならうちでも取り扱ってるわよ? お店はファイベリオンだけど」
お母さんが思い出したように言う。
「ファイベ……遠いね」
「金額がそれなりにするから、序盤の街で出すとぼったくりと思われちゃうのよね」
「偲ぶ会は本当に手広くやってるよね」
「その名前、とても風評被害を感じるんだけど」
「おやおやー、ハヤテちゃんは曽祖父ちゃんのことが気になるのかなー?」
「別にー」
なんだかんだと揶揄われながら店を後にする。
「なんだか変わらないね、お爺ちゃん」
「初めて会うのに知ったかぶっちゃって」
「それもそっか」
「そうよ」
昔の記憶はある。
けれど、今はハヤテという女の子として接することに決めてくれたようだ。
「じゃあお母さんこの後用事あるから。先にログアウトしちゃうわね」
「はーい」
お夕飯までには帰ってきなさいと言われるが、私は帰っても食事をする必要がない。
けど、いないと姉さんが寂しがるからという理由で帰宅を促された。
そういうパターンもあるのか。
だなんて思いながらアルバイト先へ。
「ハヤテちゃーん? お買い物、まだ終わらせてなかった?」
「あ」
忘れていたわけではない。
ただ、店に納入するのをすっかり忘れていた。
仁王立ちで入り口で待ち構えるシズラさんは、材料がなくて店をオープンできないと嘆いていた。
すぐにアイテム欄から素材をトレードで手渡し、料理の作り置きを始める。
「手伝います」
「じゃあ、ドリンクをお願いね」
混ぜるだけで出来上がるが、品質によって回復効果が異なるので素人が迂闊に手を出すとバカを見る類でもある。
ちなみに、『料理』のスキルがなくたって製作は上がるが、派生スキルが生じないので品質が固定化される仕様だった。
そこでお爺ちゃんから借金をしたスキルチェンジャーで『料理』スキルをセット。
作れば作るだけ熟練度が上がり、やがて派生スキルが発生した。
そこから先は生産系のスキルがバンバン増える。
最初手こずったドリンク制作も、今や流れ作業で終わらせられていた。
「お、ハヤテちゃん『料理』とったんだ?」
手際の良さから一目でスキルの入手を理解したのだろう。
シズラさんが抜け目なく話しかけてくる、
さすがベテラン、余裕があるな。
「お爺ちゃんにご飯ご馳走するって言ったらプレゼントしてくれました」
「ワオ、羨ましいわねー」
「借金の形ですけどね」
「わぁ……借金なんだー」
「ちなみに、帳消しにするにはアイドル活動をする必要がありまして」
「ハヤテちゃん、それは飲まなかったんだ?」
「無理ですよ、私地味ですし。そういうのはもっと煌びやかな人がやるもんです」
これは自覚なしか、とこよりさんと同じ発言を呟くシズラさん。
やがて店はオープンし、私も接客業に力を入れるのだった。
その日はいつにも増してお客さんが押し寄せたけど。
やっぱり料理が美味しいお店は混雑してるよなぁと思うなどした。
貰うもんを貰ったらそのまま帰ろうとしたところで、思い出す。
「ん? まだおねだりかな」
「おじいちゃん、そういうところ抜け目ないもんね」
「二人して私を一体どんなふうに見てるの。じゃなくて」
これ、とアルバイト先の座標を渡す。
「これが?」
「今私が料理の研鑽を積んでるお店。売り上げに貢献してくれたらなって」
「足繁く通えば、借金返済の最短ルートが?」
「アルバイトで億は稼げないよ、お父さん」
それはそう。
どれだけ店が儲かっても、バイトの給与は一律なのだ。
リアルのバイトで億は稼げない。
「いや、わかってるが。お義父さんの誘いって何か裏があるような気がして」
「毒されてるなぁ。昔の私は善意でお誘いしていたのに」
「ちなみに、行くとどんな特典があるのかな?」
「私の制服姿が見れる、とか?」
「ヨシ、行こう」
「お父さん?」
お母さんの目が鋭くなる。
このゲームをやり始めた頃の行きすぎた行動を思いだしているのだろう。
「ファンクラブ制作と運営は任せてくれ」
「お父さん!」
悪い癖が出てる、とお母さんが額に手を置いた。
「私はアイドル活動はしないよ? 姉さんはわからないけど」
「トキはやる気満々のようよ? ハヤテちゃんに歌わせるって」
そんな話知らないんだけど?
「勘弁して。今の流行りの歌とか何も知らないよ?」
「大丈夫大丈夫。なんか音楽に合わせて声を発生するだけでそれっぽくなるから」
「やんないよ?」
「やってくれたら、借金は帳消しにしてもいい」
このやりとりは、覚えがある。
探偵さんの、先に情報を開示してから自分の話に持っていく流れだ。
というか、よく私もこうやってお爺ちゃんをハメていたなと思い出して、観念する。
「やるかどうかは私に決めさせて。その、姉さん次第なところあるし」
ここで私も切り札を切る。
というのも、今回のアルバイトのきっかけが姉さんの楽器を購入する費用の捻出であるからだ。
元々前世と違うスタイルで遊ぶ予定、というかせっかく得たチャンスなのでなぞるつもりはなかった。
けれど、お母さんの予備知識のおかげで私のスキル骨子はパッシブ全振り。
それもあって、今回一緒に訪ねてきたわけであると述べた。
「ふむ、つまりお義父さんとしてはアイドルをするつもりは一切ないし、なんならトキが絡めばやぶさかではないと」
「何やら含むところはあるけど、姉さんと一緒に楽しむためのログインではあるからね」
「お父さん、うちの子をあんまりいじめないでね?」
「お爺ちゃんではなくて、娘として選択したか」
「実際娘ですしー」
これでは僕だけが悪者だな、と言葉を続けお爺ちゃんはブラックカードを差し出した。
「精錬の騎士の専用パスだ。何か困ったことがあったら僕が責任を取ろう」
「貸しを作るのは怖いので、なるべく頼らないようにする」
「はっはっは、遠慮せず言ってくれていいんだぞぉ?」
「じゃあ」
私は錬金術と料理のスキルをおねだりした。
お爺ちゃんは二つ返事で了承した。
しれっと借金は増えていたが、いつか返せるほど稼いでやろうと決意を決める。
「そういえば、楽器ってどこの街で売ってるんだろうね」
「楽器ならうちでも取り扱ってるわよ? お店はファイベリオンだけど」
お母さんが思い出したように言う。
「ファイベ……遠いね」
「金額がそれなりにするから、序盤の街で出すとぼったくりと思われちゃうのよね」
「偲ぶ会は本当に手広くやってるよね」
「その名前、とても風評被害を感じるんだけど」
「おやおやー、ハヤテちゃんは曽祖父ちゃんのことが気になるのかなー?」
「別にー」
なんだかんだと揶揄われながら店を後にする。
「なんだか変わらないね、お爺ちゃん」
「初めて会うのに知ったかぶっちゃって」
「それもそっか」
「そうよ」
昔の記憶はある。
けれど、今はハヤテという女の子として接することに決めてくれたようだ。
「じゃあお母さんこの後用事あるから。先にログアウトしちゃうわね」
「はーい」
お夕飯までには帰ってきなさいと言われるが、私は帰っても食事をする必要がない。
けど、いないと姉さんが寂しがるからという理由で帰宅を促された。
そういうパターンもあるのか。
だなんて思いながらアルバイト先へ。
「ハヤテちゃーん? お買い物、まだ終わらせてなかった?」
「あ」
忘れていたわけではない。
ただ、店に納入するのをすっかり忘れていた。
仁王立ちで入り口で待ち構えるシズラさんは、材料がなくて店をオープンできないと嘆いていた。
すぐにアイテム欄から素材をトレードで手渡し、料理の作り置きを始める。
「手伝います」
「じゃあ、ドリンクをお願いね」
混ぜるだけで出来上がるが、品質によって回復効果が異なるので素人が迂闊に手を出すとバカを見る類でもある。
ちなみに、『料理』のスキルがなくたって製作は上がるが、派生スキルが生じないので品質が固定化される仕様だった。
そこでお爺ちゃんから借金をしたスキルチェンジャーで『料理』スキルをセット。
作れば作るだけ熟練度が上がり、やがて派生スキルが発生した。
そこから先は生産系のスキルがバンバン増える。
最初手こずったドリンク制作も、今や流れ作業で終わらせられていた。
「お、ハヤテちゃん『料理』とったんだ?」
手際の良さから一目でスキルの入手を理解したのだろう。
シズラさんが抜け目なく話しかけてくる、
さすがベテラン、余裕があるな。
「お爺ちゃんにご飯ご馳走するって言ったらプレゼントしてくれました」
「ワオ、羨ましいわねー」
「借金の形ですけどね」
「わぁ……借金なんだー」
「ちなみに、帳消しにするにはアイドル活動をする必要がありまして」
「ハヤテちゃん、それは飲まなかったんだ?」
「無理ですよ、私地味ですし。そういうのはもっと煌びやかな人がやるもんです」
これは自覚なしか、とこよりさんと同じ発言を呟くシズラさん。
やがて店はオープンし、私も接客業に力を入れるのだった。
その日はいつにも増してお客さんが押し寄せたけど。
やっぱり料理が美味しいお店は混雑してるよなぁと思うなどした。
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