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23.やらかしました
「…フ、っ!…ラルフってば!!起きて!」
紫乃の呼び声で、目を開けるとそこには、ドアップのシノがいた。
ラルフは、物思いに耽って眠ってしまったらしい。
徐に、出掛ける支度を済ませたシノを引き寄せて抱きしめた。
「ラルフ?どうしたの?」
「・・シノの匂いは落ち着くな」
本気でそう思っているのに、シノはため息混じりに「はい、はい…」と言って、身体に巻き付いているラルフの手を引き離す。
正直な想いをシノに伝えているのに、伝わっていない気がしてならない。
始めの頃は、ただ恥ずかしがっているのかと思っていたのだが‥
最近は、まるで軽くあしらうように返される。
その様子に、シノは自分を好いてはいないのかとも思ったが、ラルフが毎晩のようにシノを求めても彼女は嫌がるどころか、両手を開いて受け入れてくれる。
だとすれば、シノだって自分に好意をもってくれているはずなのだ。
両想いのはずなのに…
どうしてだろうか。
シノに、想いを語れば語るほど彼女との距離が遠くなるような感覚を覚えてしまう。
そして、また物思いにふけってしまったラルフの元に「もう行くよ~」と言って扉へと向かうシノの声が聞こえラルフは慌てて後を追った。
紫乃とラルフは、ピースランドへ向かう途中の大きな街に滞在中だ。
この街には、ラルフの家であるジェフリー家の別宅がある。
その為、しばらく滞在してピースランドに向けて情報収集をしよう!と言う話になったのだ。
そしてこの滞在中に、ラルフが以前にお世話になった治癒士たちに挨拶がしたいと言うので、紫乃も一緒にお世話になった教会や治癒院をまわり始めた。
そして、今日はこの街で一番大きな教会に訪れていた。
訪ねた治癒士は、現在患者さんの治療中の為しばらく待つようにと教会の奥の礼拝堂のような場所に案内された。
案内される際に、教会の中で見た光景はあまりにも悲惨だった。
スライムに襲われ身体の半分が火傷のように爛れてしまった女の子や、足が片方魔獣に食われて無くなった男性、顔の皮膚だけ岩のように堅く変形している女性など、見るからに重傷者であり痛々しい者ばかりが集まって治療を受けていた。
しかし、案内してくれた人が言うにはここを訪れる重傷者は完治の見込みがない方達ばかりで、治療というよりは痛みを和らげるために訪れると話してくれた。
そして、案内された場所でしばらく待っているとお目当ての治癒士さんが治療を終えてやって来た。
ラルフが治癒士と挨拶を交わしている間に、紫乃は教会に祭られている神様らしき像を前にエデンに呼びかけた。
『ね~、エデン!ここの神様って、羽の生えてる女神様系なの~?』
《・・・ん!?あ~まぁ、姿形はどうにでも出来るからね》
『ふ~ん』
日本は仏教のため、有名な仏像といえば…
ハゲたおっ…いや、違う。
スキンヘッドの凛々しいおじさまだ。
女神もいいなぁ~、美術館にある彫刻みたいだなぁ~と、漠然と思いながら、不意に日本式にお参りをしてみた。
それはそれは、流れるように…
そして、とても単純に…
"みんな早く良くなりますように"
願いを込めて、パンパンと両手を併せ願った。
…いや、願ってしまった。
脳内で、エデンが《あっ!》と言うのは、ほぼ同じだった。
______結果。
ラルフと同じことが起こった。
それも、広範囲で。
それもそのはず、紫乃はあの瞬間"みんな"と願ったのだから…
紫乃の呼び声で、目を開けるとそこには、ドアップのシノがいた。
ラルフは、物思いに耽って眠ってしまったらしい。
徐に、出掛ける支度を済ませたシノを引き寄せて抱きしめた。
「ラルフ?どうしたの?」
「・・シノの匂いは落ち着くな」
本気でそう思っているのに、シノはため息混じりに「はい、はい…」と言って、身体に巻き付いているラルフの手を引き離す。
正直な想いをシノに伝えているのに、伝わっていない気がしてならない。
始めの頃は、ただ恥ずかしがっているのかと思っていたのだが‥
最近は、まるで軽くあしらうように返される。
その様子に、シノは自分を好いてはいないのかとも思ったが、ラルフが毎晩のようにシノを求めても彼女は嫌がるどころか、両手を開いて受け入れてくれる。
だとすれば、シノだって自分に好意をもってくれているはずなのだ。
両想いのはずなのに…
どうしてだろうか。
シノに、想いを語れば語るほど彼女との距離が遠くなるような感覚を覚えてしまう。
そして、また物思いにふけってしまったラルフの元に「もう行くよ~」と言って扉へと向かうシノの声が聞こえラルフは慌てて後を追った。
紫乃とラルフは、ピースランドへ向かう途中の大きな街に滞在中だ。
この街には、ラルフの家であるジェフリー家の別宅がある。
その為、しばらく滞在してピースランドに向けて情報収集をしよう!と言う話になったのだ。
そしてこの滞在中に、ラルフが以前にお世話になった治癒士たちに挨拶がしたいと言うので、紫乃も一緒にお世話になった教会や治癒院をまわり始めた。
そして、今日はこの街で一番大きな教会に訪れていた。
訪ねた治癒士は、現在患者さんの治療中の為しばらく待つようにと教会の奥の礼拝堂のような場所に案内された。
案内される際に、教会の中で見た光景はあまりにも悲惨だった。
スライムに襲われ身体の半分が火傷のように爛れてしまった女の子や、足が片方魔獣に食われて無くなった男性、顔の皮膚だけ岩のように堅く変形している女性など、見るからに重傷者であり痛々しい者ばかりが集まって治療を受けていた。
しかし、案内してくれた人が言うにはここを訪れる重傷者は完治の見込みがない方達ばかりで、治療というよりは痛みを和らげるために訪れると話してくれた。
そして、案内された場所でしばらく待っているとお目当ての治癒士さんが治療を終えてやって来た。
ラルフが治癒士と挨拶を交わしている間に、紫乃は教会に祭られている神様らしき像を前にエデンに呼びかけた。
『ね~、エデン!ここの神様って、羽の生えてる女神様系なの~?』
《・・・ん!?あ~まぁ、姿形はどうにでも出来るからね》
『ふ~ん』
日本は仏教のため、有名な仏像といえば…
ハゲたおっ…いや、違う。
スキンヘッドの凛々しいおじさまだ。
女神もいいなぁ~、美術館にある彫刻みたいだなぁ~と、漠然と思いながら、不意に日本式にお参りをしてみた。
それはそれは、流れるように…
そして、とても単純に…
"みんな早く良くなりますように"
願いを込めて、パンパンと両手を併せ願った。
…いや、願ってしまった。
脳内で、エデンが《あっ!》と言うのは、ほぼ同じだった。
______結果。
ラルフと同じことが起こった。
それも、広範囲で。
それもそのはず、紫乃はあの瞬間"みんな"と願ったのだから…
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