【完結】転生なんて信じられません…とりあえず様子を見ることにしました

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24.祈ってみました

"みんな早く良くなりますように"


紫乃は、間違いなくそう願った。

そして、その願いは瞬く間に叶えられた。

それも、に対して…。



脳内エデンが、《あ~あ‥やっちゃった》と言う言葉通り、紫乃は盛大にやらかしていた。

紫乃が願ったに対して、広範囲に治癒魔法が展開されてしまったのだ。
教会の中はもちろん、街の中全域に施された治癒の魔法は、小さな擦り傷から万病までありとあらゆる者を治した。
特に、教会の中は光に包まれた驚きと共に「傷が治った!」「足が!俺の足が戻った!!」との歓喜の声で溢れかえっていた。

その様子に、驚いている治癒士を横目にラルフは真っ先に紫乃へと振り返った。
ラルフの視線に気づいた紫乃は、少し困ったように苦笑いする。
ラルフも、このまま騒ぎが大きくなる前に出た方が良いと判断し、紫乃を連れて早々に教会を後にした。

それから、ラルフの屋敷に戻るまでが大変だった。
街中が大騒ぎのお祭り状態だったのだ。
行きの倍以上の時間をかけて、なんとか屋敷にたどり着いた紫乃は直ぐさまラルフの部屋に連行された。


「シノ…君はいったい何をしたんだ?」

「…ん~っと、お祈りかな?」

「・・・」


いや、そんな怪訝な顔をされても…
本当にお祈りしただけなのに…

「えっと、ほら!あまりにも酷い怪我の人達ばかりだったから、みんな早く治ればいいなぁ~と思って、ちょっとだけ、さっきの女神様の銅像?に…
神頼みしてみました… 

まぁ、結果としては女神様のお陰だよね!」

結局、"お祈りしました"意外にうまく説明できない状況だった為、紫乃は苦し紛れに"女神の力"説で丸く収めようとした。

しかし、その話を聞いたラルフは何故か急に紫乃を抱きしめた。

そして、彼はまるで自分のことのように紫乃に感謝を伝える。


「‥ありがとう、シノ。本当にありがとう」と。

教会に出向いた際、辛かった時の自分と重ねていたのだろうか。

僅かに震える声で「ありがとう」を言い続けるラルフに、優しく腕を回し紫乃は応えた。


「みんな治って良かったね」と。


声は出さずに、紫乃を抱きしめながらコクコクと頷くラルフ。

そんな彼の姿に、紫乃は心からラルフを支えたいと思うようになっていった。








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