滅ぼされた国の最後の姫は、最強の治癒力を惜しみなく発揮する

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火の国【アレース】

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"ラスカルはどこ?"


床に手をかざし念じれば、大地がココに教えてくれる。
まるで、『ラスカルはここだよ~』とでも言うようにを作ってくれるのだ。

誘導されるように、示された場所へと向かっていく。
行き着いた先は間違いなく、王宮専用の…

だった。


こんなにも、複雑な心境は初めてだ。

子豚的には、仲間と一緒になれて嬉しいのだろう。
ぴったりと大きな豚に寄り添って離れない。ちょこちょこと短い足で後について回っている様子をみると…
なんとも離しがたい。

すぐに連れ戻そうかとも思ったのだが、先に報告することにした。
念のため、養豚場の担当者に声をかけて事情を説明すると飛び跳ねるように驚き「絶対に絞めません!!」と力強く約束してくれた。

これで、とりあえず大丈夫だろう‥。

そうして、一度王女宮に戻りメイド長に報告すると、直ぐさま王子宮より呼び出された。
急いで向かうと、王子宮の前には今か今かと待っているクリス王子と一緒に、何故か王太子までもが立っていた。


「お待たせしてしまい、申し訳ございません!」


慌てて、臣下の礼をとると王太子はゆっくりと手を上げ制した。


「挨拶はよい。それよりも、クリスの豚…ラスカルを見つけてくれたことに感謝する」


この人、今…豚っていった?


「貴方は、いつもシエルを探し出すメイドですよね?
僕のラスカルを見つけてくれてありがとうございます!すぐにラスカルの元に連れて行って下さい!!」


無表情で礼を言う王太子と、満面の笑みでメイドにまで敬語で礼を言うクリス王子。

この二人…本当に兄弟か?と、疑問を持ってしまうほど、醸し出す雰囲気が違っていた。

特に、
以前、兄から聞かされていた人と同一人物だとは思えない。
兄いわく、臣下にも分け隔てなく優しくて、とても奴なんだ!あいつといつるとこっちまで楽しくなるよ!と、言っていたのだが…
どう見ても、別人としか思えない。

アレースの王宮で、なんどか目にしたことがあったが、笑ったところなんて見たことが無い。

本当に兄の言っていた人は、この人なんだろうか?



火の国アレースの王太子こと、

カイル・グイード・アレース(21歳)


かつて、兄が紹介したいと言ったセリーナの婚約者候補だった男だ。



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