滅ぼされた国の最後の姫は、最強の治癒力を惜しみなく発揮する

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火の国【アレース】

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王女宮から、王太子宮へと移動したココを待ち受けていたのは…

先輩メイド達からの、熱烈な歓迎だった。

「貴女がココね!私は、朝の準備を担っていたサーシャです。これから、仕事内容の引継をしていくけれど、分からないことがあれば何でも聞いて頂戴!よろしくね!」


「私は、夜の準備を担当してユーリです!朝の引継を終え次第、夜の方も引き継いでいいかしら?」


「あ…はい。」


では、早速!と話を始める朝担当サーシャの話を聞きながら、ふと思う。

…なぜ、2人とも過去形なのだろうか?と。


でも、今はとりあえず引継内容を覚える方が先である。
必死にメモを取りつつ、分からないことはその都度質問していく。
そして、朝と夜それぞれの業務内容を一通り確認したのち、ココは疑問点を何個か上げていった。


・カイル殿下を基本的に起こすことはない
(今までは)
→「では、これからは?」

朝夜
・着替えの準備は夜担当の仕事であり、朝は脱いだ着替えを収集するのみ(ココは夜担当でもあるので要相談)
→「要相談とは…誰にでしょうか?」


・殿下の部屋の出入りは夕食時前まで(但し、ココは辞令が出ているので…たぶん大丈夫?)
→「誰に確認すればよろしいでしょうか?」

…etc


「…ごめんなさいね、そこら辺の細かいことは私達では判断しかねるわ。一度、総統括に確認が必要かもしれないわね」

「そうね。カイル殿下が、王太子宮に移られた初めの頃は、今のルールがなかったようだから…総統括様なら以前のルールをご存知かもしれないわ!」

「かしこまりました。
差し当たり、本日はどのように動けばよろしいでしょうか?サーシャさんの後にユーリさんにつけばよろしいですか?」


詳細に関しては、現在担当の2人では判断がつかない為、総統括様へ確認するように!と、指示を受けた。
それを了承しつつ、ココは今日の勤務をどうするのか、再度2人に指示を仰いだ。

しかし、その言葉に対し朝と夜担当の2人は不思議そうにココを見て伝えた。

「「私達、この後別宮勤務だから!」」


「…へ?」


「「「・・・・・」」」


3人の間に、暫し沈黙が流れたのは言うまでもない。

「どうゆうことでしょう…?」と、なんとか落ち着き払って聞き返したココに、2人は「まさか、何も聞いてないの?」と、信じられないといった様子で話し始めた。

そもそも、2人はそれぞれ朝と夜の担当をしているのだが、選ばれた理由は既婚者であることだった。
そしてサーシャさんが現宰相の妹で齢53、ユーリさんは執事長の妹さんで齢51である為、問題なく選ばれた。

要するに、王太子であるカイル殿下の""人選なのである。

その為、2人ともカイルに対して息子同然の様に世話を焼いてきたのだが、さすがに年齢的にも毎日のお勤めが大変になってきた為、交代要員を求めていた矢先、白羽の矢が当たった先がココなのだった。


「私達もね、1人で朝も夜もだと流石に大変過ぎる!と、いったんだけどね…」

「殿下ったら、嬉しそうに『朝早い場合は、泊まらせるから問題ない』って、おっしゃられるもんだから…
てっきり続き部屋で暮らすのかと思っていたのよ…」

「だから、私達は引き継ぎだけ済ませたら後は貴女と殿下で話し合ってやってもらおうかと思っていたのだけど…」

「「もしかして、違うのかしら?」」


息ぴったりに問いかけてくる2人からもたらされた想像を超える内容に、ココはただただ呆然と立ち尽くしていた。


…いったいどうなってるの?
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