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火と月
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各国の継承者達が消えたその場は、騒然としていた。
画面に映る月の国セリニの王妃始め、特に火の国では自国の王と王太子、そして特使としてやって来た月の国の王太子までもが、忽然と姿を消したのである。
「一体何が起きたのだ!?」
未だ状況が把握できていないなか、唯一冷静なものが一人だけいた。
セリーナだ。
彼女だけは、この空間に漂う魔力を感じ取っていたのだ。
そう、継承者だけが知り得ることの出来る"核"の魔力を…
そして、その中に混じるほんの僅かな懐かしい魔力を感じ、危険が無いことを察していた。
「恐らくですが‥それぞれの核に呼ばれたのだと思います」
ざわめく空間に向け、そうはっきりと告げたセリーナ。
「で、では、陛下やカイルはいつ戻るのかしら?」
目の前で、夫と息子が消えてしまったアレースの王妃が心配そうにセリーナに問いかけるも、セリーナは首を横に振るだけだった。
いつ戻るかなんて、セリーナ自身全く分からないのだから。
皆が、不安そうになる中、真っ先に前を見据えたのはアレースの王妃だった。
「わかりました。
"核"により使わされたのであれば、我々は待つほかありません。丁度、ここには資格を持つもののみです。
陛下達継承者がいつ戻られるのか定かで無い今、陛下と王太子、そしてハルシオン殿下の居場所は秘匿と致します。
ラスティリア様、それでよろしいですね?」
「えぇ、こちらとしてもそれで構いませんわ」
流石は、両国の王妃様方である。
慌てることも、動じることも無く、坦々とそれぞれに指示を出していく姿は大国の国母として相応しい姿だった。
そして、その姿に少しだけ亡き母を重ねて見てしまった。
胸を締め付けるような痛みと共に、懐かしさが込みあげ、思わず胸の前で祈るようにぎゅっと手を組んだ。
その時だった!
セリーナの頭に直接問いかけるような声が響く___
『我等と共に来るか』
その一言だけだったが、それが誰からのメッセージなのか、セリーナはすぐにわかった。
だから、セリーナはすぐに念じた。
届け!と。
響け!と。
共に参ります! と。
しかし、どれ程強く念じてみてもセリーナ自身に何か起こることはなかった。
諦めきれず、何度も何度も心の中で訴えかけた。
『共に行きたい』
『連れて行ってほしい』 と…
それでも、やはり何か起きることはなかった。無常にも、時間だけが過ぎていった。
画面に映る月の国セリニの王妃始め、特に火の国では自国の王と王太子、そして特使としてやって来た月の国の王太子までもが、忽然と姿を消したのである。
「一体何が起きたのだ!?」
未だ状況が把握できていないなか、唯一冷静なものが一人だけいた。
セリーナだ。
彼女だけは、この空間に漂う魔力を感じ取っていたのだ。
そう、継承者だけが知り得ることの出来る"核"の魔力を…
そして、その中に混じるほんの僅かな懐かしい魔力を感じ、危険が無いことを察していた。
「恐らくですが‥それぞれの核に呼ばれたのだと思います」
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皆が、不安そうになる中、真っ先に前を見据えたのはアレースの王妃だった。
「わかりました。
"核"により使わされたのであれば、我々は待つほかありません。丁度、ここには資格を持つもののみです。
陛下達継承者がいつ戻られるのか定かで無い今、陛下と王太子、そしてハルシオン殿下の居場所は秘匿と致します。
ラスティリア様、それでよろしいですね?」
「えぇ、こちらとしてもそれで構いませんわ」
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そして、その姿に少しだけ亡き母を重ねて見てしまった。
胸を締め付けるような痛みと共に、懐かしさが込みあげ、思わず胸の前で祈るようにぎゅっと手を組んだ。
その時だった!
セリーナの頭に直接問いかけるような声が響く___
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だから、セリーナはすぐに念じた。
届け!と。
響け!と。
共に参ります! と。
しかし、どれ程強く念じてみてもセリーナ自身に何か起こることはなかった。
諦めきれず、何度も何度も心の中で訴えかけた。
『共に行きたい』
『連れて行ってほしい』 と…
それでも、やはり何か起きることはなかった。無常にも、時間だけが過ぎていった。
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