【完結】浮気した婚約者を捨てた公爵令嬢は想いを寄せられていた男達に溺愛される

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66.アイシテル

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婚約披露最中の逢引騒動に、陛下のお怒りは大きく、シェリナスとその相手であるテオは直ぐに捕らえられ地下牢へと移された。
その為、披露パーティーは中止となったがそのまま通常の夜会扱いとして宴は続けられた。

公爵家である、ビビアンとアリスティアの両親は公務に戻り大忙しである。

しばらく三人でいたものの、シンシアは家族と共に行ってしまい、ビビアンの元にも婚約者のクリスがやってダンスをしに会場の中央へと向かっていった。
一人になったアリスティアは、賑やかな会場を離れ先程使っていた談話室へと戻ってきた。
部屋に用意されていたシャンパンを飲み、ふぅ~っと一息つく。

「こんな形で、婚約披露宴が台無しになってしまうなんて…大丈夫かしら」

「大丈夫だよ」

誰も居ない部屋で、ボソッと呟いたはずなのだが、何故か返事が返ってきた。
驚いて振り返ると、そこには陛下より"会ってはいけない"と言われている相手が立っていた。
セルジオの結婚式以来、久しぶりの再会にアリスティアの頬には涙が伝って行く。

「…っ、レオっ、ン。
…レオン殿下…ご無沙汰しております」

必死に紡ぎ出した言葉は、これが精一杯だった。そして、深々と臣下の礼をとるアリスティアをレオンハルトは抱きしめた。

「やっと…やっと会えた」

そう言うと、アリスティアの顎にそっと触れる。
そして、ゆっくりと唇に優しい口付けを落とした。
情事を盛り上げるための、荒々しい貪る様な口付けではなく、まるで相手を労り愛してやまないとでも伝える様な、そんな優しい口付けだった。


「ティア、君に伝えたい事がある」

「ティア、君を愛してる」


___アイシテル


今まで、何度その言葉を渇望していただろう。
そして、それと同じく何度その言葉を口にしてはいけないと我慢していたのだろう。


とても
とても
とても
嬉しい


でも…


「レオン…私も愛してる」


「ティア!」


「…いえ、
私はずっと貴方だけを見てきたの。
いつも貴方の愛だけを望んでた…
無理だと分かっていても、諦められなかった…」


「…ティアっ、まっ…てくれ」


話の展開に、不安を感じたレオンハルトが止めようとするが、アリスティアは首を横に振り話を続けた。


「初めて、真っ直ぐに好意を寄せられたとき、自分でも驚くほど嬉しかったの。
そして、寄せられる側にたって思ったわ。待たせてはダメだと…
今の私の様に、出口のない森を彷徨い続けることになるってね…

レオンの気持ちはとても嬉しいわ。
だって、ずっと待ち望んでいたもの。

でも、これからはどうするの?
私達は、絶対に婚約できない。
想いを伝えあっても結ばれることは永遠にない。
また、私に貴方の側で新たな婚約者を見ていろとでも?
…流石にそれはもう無理だわ」


「…そ、それは。
まだ分からない。でも、今回のこともある。もう一度陛下に…!」


アリスティアから紡がれる言葉に、レオンハルトは動揺を隠せなかった。
確かに、想いを伝えたからと言ってアリスティアと婚約できるわけではない。
今までの国の敷きたりを真っ向から変える必要がある。しかも、それが叶うかどうかも定かではない。
しかし、ようやく想いを伝えられたレオンハルトはアリスティアを失いたくなかった。
必死で、説得を試みたがアリスティアの意思は固かった。


「レオン、私は愛されることを知ったの。
私だけを見てくれる人がいるの。
私だけ欲しいと想ってくれる人がいるの。

だから、私はこの国を出ます」

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