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本編
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あれから、5年。
ダンジョンの攻略が、無事終わりを迎えたあと、貴族令嬢でありSランク冒険者である【フォルトゥナの剣】の4人は、大変素晴らしい成績で王立特別魔法学園を卒業し、其々の思い描いた道に向かって旅立っていった。
中でも、アルバスにかけた"病原体収集"で得られた研究成果により、幾つもの賞を受賞し、学園一の研究者として名実共に有名となったユーフォニアは、そのまま学園の研究室に研究員として残ることを決めた。
実はあの後、討伐後の慰労会にてアルバスから盛大な謝罪を受けたユーフォニアは、その場で彼にかけた魔法に関する事をポロッと話してしまったのだ。
決して、わざとではなく偶然だったのだが…
それにより、今までアルバスと関係を持ったとされる令嬢達をはじめ城内に勤めているメイドまでが、一斉に声をあげたのだ。
「自分にも、病原体を保有している確率があるのか確認してほしい!」と。
その数の多いこと…
しかし、サンプルが多く集まれば集まるほど嬉しいユーフォニアは、喜んでサンプル提供という形で病原体保有の有無を調べたのだ。
まぁ、婚約者としての立場では呆れてしまうが、研究者としての立場からすると、少しでもデータが集まれば集まるほど嬉しいものなのだ。
そして、その研究結果はとても良い成果をみせた。いままで、原因不明とされてきた病気が、性病からもたらされていた!との結論に至ったのだ。
今では、ユーフォニアを知らない人など居ないとされる程、彼女はその知名度をあげ続けている。
*****
「ナナ!そっちは任せる!」
「はい!」
その返事と共に、爆音と爆風が立ち上る。
広範囲の攻撃魔法を繰り出したのだ。
その攻撃を合図とし、他の冒険者達が標的に向かって一斉に走り出した。
「ナナ、怪我は無いな?」
「流石の攻撃だな!ナナ」
「ナナお疲れ~!!」
「みんな、お疲れ様!怪我は無いわ、ありがとうクレフ!」
共に戦った仲間たちと労い合う"ナナ"こと、ナナエラは現役で冒険者を続けていた。
しかし、それは【フォルトゥナの剣】としてではなく、ソロとして続けているのだ。
5年前のダンジョン討伐が無事に終わったあと、クロードとの婚約も戻ってきた頃には破棄が成立していた。
ナナエラは、晴れて自由の身になったのだ。
両親も、『家のことはいいから好きになさい』と、今まで我慢を強いられたナナエラを不憫に思い、自由を与えてくれた。
もちろん、伯爵令嬢として公の場に出ることはある。しかし、あれから父である伯爵はナナエラに対し婚約を進めることはなくなった。それは、母である伯爵夫人が言ったのだ。
「貴女の愛する人と結婚すればいいのよ」と。
その言葉に、ナナエラは今まで背負ってきた肩の荷を降ろした。
そして、家族に『私は冒険者を続けますわ』と宣言したのだった。
今までのパーティではなく、ソロとして始めた冒険者業は新たな発見がいっぱいだった。
ソロとして活動する者は多いが、そのランクがSランクという人はあまりいない。
どこかのパーティに助っ人として、入って欲しい!といった希望や、複数での護衛依頼等、今まで受けてこなかった仕事も沢山経験することができた。
そして彼女は今、同じSランクでソロとして活動する彼、クレフと行動を共にしている。
以前受けた依頼で、一緒に仕事をした際に意気投合しそれから何度か組むことがあったのだ。二人だけで受けた依頼も多々あり、危険な目にも何度もあった。その度、互いに支え合いながら依頼をこなしてきたのだ。
そんな二人が、お互いを想い合うのに時間はかからなかった。
色とりどりの花が咲き競う季節、ルーベルト伯爵家に一通の手紙が届いた。
そこには、最愛の娘からの近況と嬉しい報告が書かれていた。
~お父様、お母様
私も、お二人のように互いを想い合える最愛の人に出会えました。
もうすぐ、戻ります。
彼と一緒に… ナナエラ~
ダンジョンの攻略が、無事終わりを迎えたあと、貴族令嬢でありSランク冒険者である【フォルトゥナの剣】の4人は、大変素晴らしい成績で王立特別魔法学園を卒業し、其々の思い描いた道に向かって旅立っていった。
中でも、アルバスにかけた"病原体収集"で得られた研究成果により、幾つもの賞を受賞し、学園一の研究者として名実共に有名となったユーフォニアは、そのまま学園の研究室に研究員として残ることを決めた。
実はあの後、討伐後の慰労会にてアルバスから盛大な謝罪を受けたユーフォニアは、その場で彼にかけた魔法に関する事をポロッと話してしまったのだ。
決して、わざとではなく偶然だったのだが…
それにより、今までアルバスと関係を持ったとされる令嬢達をはじめ城内に勤めているメイドまでが、一斉に声をあげたのだ。
「自分にも、病原体を保有している確率があるのか確認してほしい!」と。
その数の多いこと…
しかし、サンプルが多く集まれば集まるほど嬉しいユーフォニアは、喜んでサンプル提供という形で病原体保有の有無を調べたのだ。
まぁ、婚約者としての立場では呆れてしまうが、研究者としての立場からすると、少しでもデータが集まれば集まるほど嬉しいものなのだ。
そして、その研究結果はとても良い成果をみせた。いままで、原因不明とされてきた病気が、性病からもたらされていた!との結論に至ったのだ。
今では、ユーフォニアを知らない人など居ないとされる程、彼女はその知名度をあげ続けている。
*****
「ナナ!そっちは任せる!」
「はい!」
その返事と共に、爆音と爆風が立ち上る。
広範囲の攻撃魔法を繰り出したのだ。
その攻撃を合図とし、他の冒険者達が標的に向かって一斉に走り出した。
「ナナ、怪我は無いな?」
「流石の攻撃だな!ナナ」
「ナナお疲れ~!!」
「みんな、お疲れ様!怪我は無いわ、ありがとうクレフ!」
共に戦った仲間たちと労い合う"ナナ"こと、ナナエラは現役で冒険者を続けていた。
しかし、それは【フォルトゥナの剣】としてではなく、ソロとして続けているのだ。
5年前のダンジョン討伐が無事に終わったあと、クロードとの婚約も戻ってきた頃には破棄が成立していた。
ナナエラは、晴れて自由の身になったのだ。
両親も、『家のことはいいから好きになさい』と、今まで我慢を強いられたナナエラを不憫に思い、自由を与えてくれた。
もちろん、伯爵令嬢として公の場に出ることはある。しかし、あれから父である伯爵はナナエラに対し婚約を進めることはなくなった。それは、母である伯爵夫人が言ったのだ。
「貴女の愛する人と結婚すればいいのよ」と。
その言葉に、ナナエラは今まで背負ってきた肩の荷を降ろした。
そして、家族に『私は冒険者を続けますわ』と宣言したのだった。
今までのパーティではなく、ソロとして始めた冒険者業は新たな発見がいっぱいだった。
ソロとして活動する者は多いが、そのランクがSランクという人はあまりいない。
どこかのパーティに助っ人として、入って欲しい!といった希望や、複数での護衛依頼等、今まで受けてこなかった仕事も沢山経験することができた。
そして彼女は今、同じSランクでソロとして活動する彼、クレフと行動を共にしている。
以前受けた依頼で、一緒に仕事をした際に意気投合しそれから何度か組むことがあったのだ。二人だけで受けた依頼も多々あり、危険な目にも何度もあった。その度、互いに支え合いながら依頼をこなしてきたのだ。
そんな二人が、お互いを想い合うのに時間はかからなかった。
色とりどりの花が咲き競う季節、ルーベルト伯爵家に一通の手紙が届いた。
そこには、最愛の娘からの近況と嬉しい報告が書かれていた。
~お父様、お母様
私も、お二人のように互いを想い合える最愛の人に出会えました。
もうすぐ、戻ります。
彼と一緒に… ナナエラ~
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