双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

28*双子と白の空間

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いよいよ、出陣だ。

名前を呼ばれたあと、会場内では何度も「静粛に!」と言った声があがっていた。
もちろん、セザールだけではなく、ダニエルやサイラス、エリザベスに向けた歓声もあるのだ。
そして、その中にはセザールとダニエルが連れ立っている相手がだと分かった者たちによる、嘲笑うかのような声もしっかりと混じっていた。
もちろん、この扉前にいる全員にその声は聞こえていた。

静かに怒っているのは、扉の一番前に立つ両親。
一番最後尾にサイラスと立つ、姉のエリザベスは、上品な口調ではあるものの「今夜の会場内には頭の悪い害虫しかいないのかしら?なんて卑しい夜会でしょう」と、かなりお怒りだった。
そして、アシュリーの隣では兄のダニエルが一言、「消すか?」と問いかけてくる。
答えようがなく、苦笑いをしていると、すかさず前方から「ご一緒しましょう」とセザールが答えた。

…うん、気持ちは嬉しいができれば穏便にお願いしたい。

「お兄様、大丈夫よ。ここまでの移動中の視線が何よりの証拠だわ」

そう言ったアシュリーの言葉に、その場にいた全員が満面の笑みで微笑んだ。

この会場の入り口にたどり着くまでに、アシュリーとナタリーに向けられた視線は、間違いなく好意的な視線だったからだ。

そして、会場内と双子を心配する皆んなが落ち着いたところで、入り口の扉が大きく開かれた。

真っ白な扉が開かれると、そこは…

煌びやかな、な世界だった…。

いや、本当に白いのだ。
恐らく、あえて白に白で白コーディネートであわせたのだろう。
白い部屋に、白いレースのような飾りが天井からぶら下がっており、テーブルクロスも白!椅子も白!お皿も白ければ、装花まで白い花が集められていた。
そして、会場中央にはホワイトダイヤモンドで作られた、シャンデリヤが光の雫をまき散らすかのように輝きを放っていた。

大変、幻想的ともとれるような空間ではある。

しかし、美的センス的には…少し悩ましくも思えた。

とにかく、白づくしのため光の反射で眩しいのだ。

雪のような銀世界!って訳でもなく、ただただ白いだけ。
ここ最近は、王妃様が白オンリーにはまっているらしく、双子以外の皆はこの白い夜会に何度も参加しているため、もう大分慣れてきたらしい。
とりあえず、アシュリーとナタリーはしばらく目を慣れさせるのに忙しかった。

まぁ、色味だけで言えば謎だが、全体的なセンスは流石王妃様である。
眩しいけれど上品だし、同じ白でも色々な素材感の白い生地を使っている。飾られている装花にも装飾でパールが添えられていたりと、本当にセンスが良かった。
由希ナタリーに至っては、「この感じネイルで出せそう!」とか「この組合せ可愛い!」と一人やけに盛り上がっていた。
しかしまぁ、ここまでするとは…
王妃様の怒りはまだ続いているようで、いわばこれは列席者に向けた戒めなんだそうだ。

そうして、漸く会場の雰囲気に目も慣れてきたところで、今度は周りからの視線に気がついた。
すっかり忘れていたのだが、この双子はかなりのBeforeAfterをしていたのだ。
前回のイメージが強すぎたのだろう。誰もが、口を開けたまま唖然とした様子で2人を見ていた。
そして、その中の誰かが不意に気づいたようだ。

『お、おい、あれって彼女たちじゃないか?
ほら、近衛隊長が連れていたあの美女達じゃないか?!』

『えっ!?』

直ぐさま、確認するかのような視線が双子へと浴びせられた。
そして、間違いなく本人達だと確証が持てたのだろう…
男性陣は、皆一様に双子を見つめる目に熱が籠もっていく。
隣に自ら手を引いたパートナーがいる者でさえ、ぽ~ッと顔を赤らめて見入っていた。

まぁ、無理もないだろう。

彼女たちは、全力でエロさを前面に出したスタイルなのだから…


ふわっふわのドレスを主流としている現在の社交界の中で、これだけ身体に沿うようなデザインのドレスは誰も来ていない。ましてや、コルセットを着けないなんて、本来なら常識的に考えてありえないのだ。
それを、さらりとやってのける事が出来たのは、由佳と由希の前世の記憶があってこそだろう。
どんなに、スタイルが良い人でもリボンやレース、パニエでふわふわにしていれば、正直スタイルの良さなんてわからない。人によっては、本来よりもふくよかに見えるひともいるだろう。

それを、ガラリと変えてしまうドレスは男女問わず、列席者全員の目を引くこととなる。

次々に、両親である辺境伯当主夫妻の元へ挨拶するための列ができはじめた。
そう、まずは当主への挨拶が基本なのだ。
それから、初めて連なる方へと挨拶ができる。
双子と話しがしたいのであれば、まずは当主への挨拶を済まさなければいけないのだ。

当主夫妻への挨拶も済ませ、漸くお目当ての双子へと近づくことができた。
そして、彼らは皆口を揃えて言う。

「アシュリー嬢、ナタリー嬢!お久しぶりですね!私のことは覚えてらっしゃいますでしょうか?」と。

その表情には、悪意なんて全くない清々しい程の笑顔を貼り付けて…

もちろん、アシュリーとナタリーもそれに満面の笑みで答えた。

「えぇ、もちろん覚えていますわ。貴方方が、私達のことを隅々まで、よ~くねぇ」

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