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Chapter 1
42*双子の追求にあった結果
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まぁ、結論からすると…
双子が期待した弁解劇は、呆気なく残念なくらい何事もなく幕を閉じた。
王太子にしろ兄ダニエルにしろ、これといった説得を試みることはできないまま地獄のような時間だけが過ぎていったのだ。
もちろん、後から何も知らずに愛しのエリザベスを探しにきたサイラスまでもが、訳もわからぬままにこの地獄のような時間を味わった。
ここで、3人の為にもはっきりと弁解しておくが…3人とも、決して娼館に入り浸っていたわけでは無い。
彼らが通い詰めていたのは、美しくそれはそれは艶めかしい体をした、第5王子自慢の愛馬を愛でていただけなのだ。若い彼らは、逞しい軍馬には目がない。
ただただ、それだけだったのに・・・
なぜ、こんなにも責め立てられているのだろうか。
王太子は、この時初めてダニエルが必死に止めようとしていたことを思い出した。
あの時、素直に話を終わらせておけば、双子の執拗な質問攻めに合うこともなかったはずだ。
いや、双子だけではなくダニエルのもう1人の妹エリザベスにも、そして今まさに自身の向かい側で冷ややかに微笑みながらお茶を嗜んでいる、自身の愛する婚約者アメリアにも・・・。
「・・・・・」
「・・・・・」
王太子のプライベートルームには、冷気が漂っているのではないかと思えるほどの沈黙が続いていた。
いつもであれば、アメリアの柔らかく愛らしい声に癒されているはずの時間であるはずが、今は・・・うん。何も言ってはダメだと直感的に理解できる。
ちなみに、クリストファーはサイラスに負けず劣らず婚約者であるアメリアを溺愛している。
それは、王太子に近しい臣下であれば誰もが知っているほどの溺愛っぷりなのだ。
正直、アメリア嬢がいるにも関わらず、王太子が他の令嬢に手を出したなどの噂が出たところで信じる者はほぼいないだろう。
しかし、アメリア本人にしてみれば違うのだ。
クリストファーの、目の前に座るアメリアは今日もとても美しい。
今すぐにでも自身の腕の中に閉じ込めて、その柔らかな唇を奪い、吸い付くような絹肌に触れ、甘い声をとめどなく響かせたい・・・
そんな、欲望を必死に抑えるようにクリストファーは首を振った。
そして、もう一度アメリアの誤解を解くために口を開いた。
「っ、アメリア!」
「クリストファー王太子殿下、お茶大変美味しかったですわ。では、私はこれで失礼いたしますわ。
あ、それと・・・ソニア様の件がはっきりするまでは、今後こちらに来ることはご遠慮させていただきますわ。
では、失礼。」
________は?
「え!?ちょっ、ちょっと待ってくれ!アメリアっ!!」
クリストファーが必死に止める声も聞かず、アメリアはその場を後にした。
「________っ!!くそっ!!」
クリストファーの、苦しげな声と共にその整えられた髪が乱れる。
あの後、何度も誤解を解きたくてクリストファーはアメリアに説明をしていた。
しかし、それはとても難しかった。
何せ、本当に高級娼婦の中に“ソニア”と言う名前の娼婦がいるのだから、いくら第5王子の愛馬の名前だと言ってもいまいち説得力に欠けるのだ。その為、残念なほどクリストファーの説明はアメリアには届かなかったのだ。
双子が期待した弁解劇は、呆気なく残念なくらい何事もなく幕を閉じた。
王太子にしろ兄ダニエルにしろ、これといった説得を試みることはできないまま地獄のような時間だけが過ぎていったのだ。
もちろん、後から何も知らずに愛しのエリザベスを探しにきたサイラスまでもが、訳もわからぬままにこの地獄のような時間を味わった。
ここで、3人の為にもはっきりと弁解しておくが…3人とも、決して娼館に入り浸っていたわけでは無い。
彼らが通い詰めていたのは、美しくそれはそれは艶めかしい体をした、第5王子自慢の愛馬を愛でていただけなのだ。若い彼らは、逞しい軍馬には目がない。
ただただ、それだけだったのに・・・
なぜ、こんなにも責め立てられているのだろうか。
王太子は、この時初めてダニエルが必死に止めようとしていたことを思い出した。
あの時、素直に話を終わらせておけば、双子の執拗な質問攻めに合うこともなかったはずだ。
いや、双子だけではなくダニエルのもう1人の妹エリザベスにも、そして今まさに自身の向かい側で冷ややかに微笑みながらお茶を嗜んでいる、自身の愛する婚約者アメリアにも・・・。
「・・・・・」
「・・・・・」
王太子のプライベートルームには、冷気が漂っているのではないかと思えるほどの沈黙が続いていた。
いつもであれば、アメリアの柔らかく愛らしい声に癒されているはずの時間であるはずが、今は・・・うん。何も言ってはダメだと直感的に理解できる。
ちなみに、クリストファーはサイラスに負けず劣らず婚約者であるアメリアを溺愛している。
それは、王太子に近しい臣下であれば誰もが知っているほどの溺愛っぷりなのだ。
正直、アメリア嬢がいるにも関わらず、王太子が他の令嬢に手を出したなどの噂が出たところで信じる者はほぼいないだろう。
しかし、アメリア本人にしてみれば違うのだ。
クリストファーの、目の前に座るアメリアは今日もとても美しい。
今すぐにでも自身の腕の中に閉じ込めて、その柔らかな唇を奪い、吸い付くような絹肌に触れ、甘い声をとめどなく響かせたい・・・
そんな、欲望を必死に抑えるようにクリストファーは首を振った。
そして、もう一度アメリアの誤解を解くために口を開いた。
「っ、アメリア!」
「クリストファー王太子殿下、お茶大変美味しかったですわ。では、私はこれで失礼いたしますわ。
あ、それと・・・ソニア様の件がはっきりするまでは、今後こちらに来ることはご遠慮させていただきますわ。
では、失礼。」
________は?
「え!?ちょっ、ちょっと待ってくれ!アメリアっ!!」
クリストファーが必死に止める声も聞かず、アメリアはその場を後にした。
「________っ!!くそっ!!」
クリストファーの、苦しげな声と共にその整えられた髪が乱れる。
あの後、何度も誤解を解きたくてクリストファーはアメリアに説明をしていた。
しかし、それはとても難しかった。
何せ、本当に高級娼婦の中に“ソニア”と言う名前の娼婦がいるのだから、いくら第5王子の愛馬の名前だと言ってもいまいち説得力に欠けるのだ。その為、残念なほどクリストファーの説明はアメリアには届かなかったのだ。
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