双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

44*双子窮地を逃れる

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その一言だけで、状況は一変した。

夜会に来ているものなら誰もが知っているからだ。
いつも、誰もエスコートしないはずのセザールがエスコートしてきた女性…
それが、今目の前にいるナタリーだということを…

益々、顔色が悪くなる彼女と、それに負けず劣らず顔色を悪くさせるセザール。
そんな2人に、ナタリーはゆっくりと歩み寄った。
いくら、が若いとはいえ、その中身は由希アラサーだ。
自分の魅せ方ぐらい理解している。

ナタリーこと由希は、ゆっくりとセザールの側へと歩み寄ると、そっと彼の腕に触れた。
そう、腕を組むのではない。指先で触れるだけ…
そして、未だセザールの腕を離さない彼女に見せつけるかのようにして、セザールの耳元で囁く。

『適当に合わせてくださいね!』と。

その言葉に、一瞬驚くもののナタリーがセザールへアイコンタクトをしたことにより、その意図を汲み取った。
そうなれば、あとは全力で芝居をするだけである。

「セザール様、そろそろお戻りになりませんと…」

そう、困った様子でナタリーが言えば、わかったとばかりにセザールが答える。

「待たせてすまなかったね。もう、終わったよ。さぁ、戻ろうか!」

そう言って、ナタリーの肩を優しく抱き寄せ見つめ合う2人は、まるで恋人同士の様に見える。

ここまでくると、流石の彼女も2人の醸し出す雰囲気にのまれてしまい、腕を離すしかなかった。
しかし、まだ諦めきれない彼女は胸の前で手を組み目に涙を溜めて悲願した。

「ーっ!セザール様っ!お願いです!もう一度、もう一度だけ、私に機会をくださいませ!!
私は…私は、貴方の事がっ!」

"好きです"なのか、"諦めない"と言いたかったのか…
彼女の話に、割り込む様にしてナタリーが話し始めた事で、彼女の気持ちは最後までセザールへ届くことはなかった。

「今夜は、セザール様が選んでくださったナイトドレスで可愛がってくださいね❤︎」

そんなことを、自分よりも若く美しい人に、さらっと言われてしまったら…

「あぁ、楽しみにしてるよ。」

そう言って、目の前の好きな男が他の女の頬へ愛おしそうに口づけをおくっていたら…

諦めもつくのではないだろうか。

寄り添う様に歩く2人の後ろ姿に、涙を流して見送る彼女を、アシュリーは少しばかり不憫に思った。

(演技だよ…アレ)


そして、なんとか窮地なのか、修羅場なのかを逃れた一行は会場へと戻っていった。
もちろん、その間セザールがアシュリーとナタリーから根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでもない。









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