双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

55*双子の恋バナ①

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会話の流れなど関係無く、由佳より突然放たれた言葉に由希は一瞬たじろいだ。

『ところで、由希じゃなくてナタリー的にとはどうなの?』

この、に当てはまる人なんて、今のところ1人しかいない。


マルクス侯爵家当主【セザール・マルクス】

この人だ。

実は、あの夜会の日、ナタリーはセザールと共に会場を後にしていた。
当初の予定では、入場時と同じく全員で会場を出るつもりだったのだが、あまりにも露骨に獲物を狙うような視線がずっと付き纏っていた為、2人は少し早めに切り上げることにしたのだ。

そう、セザールとナタリーの方が早く会場を出たはずなのだ。
しかし、アシュリーが兄ダニエルと共に戻った時点では、ナタリーはまだ帰ってきていなかった。
結局、ナタリーはアシュリー達よりも少し遅くれて帰ってきたのである。
胸元を抑え、頬を上気させる姿は、正直色気とフェロモンが全開だった。そんな、ナタリーの姿を見たアシュリーは、これはと、すぐにピンときていた。
アレキサンダーの衣装のこともあり、すぐに問い詰めたかったが何とか今日まで抑えていたのだ。

「で、本当のところ彼とはどうなの?」

アシュリーも、これで思う存分聞き出せると思ったのか、ストレートに言葉を繋げた。

「あー、実はね…」

そう言って、ナタリーが教えてくれた話は、前世の恋愛観に引っ張られたことが良く分かる内容だった。

「___ほら、あの2人のやり取り聞いた後、お兄様に止められるまで結構ガッツリ聞いたでしょ?根掘り葉掘り…
そうしたら、なんか向こうが気まずくなってしまったみたくて…何度も謝られるし、『未婚のレディに対して…』みたいになっちゃったから、思わずキスしちゃった!」

「おっ!やったじゃん♡」

「フフッ♡」

「で、どこまでしたのかなぁ~?」

嬉しそうに笑うナタリーに対して、アシュリーがニヤニヤしながら"続きが聞きたい!"と促した。

「どこまでって、キスしただけでめっちゃ怒られたわ…」

「…は?
 …え?
 …なんで?」

「ねー!!そう思うよね!?自分、散々食い散らかしてんじゃん!!って言いたかったわー」

そう言って、ぷんぷんと怒っているナタリーは、アシュリーにセザールが怒った内容を話し始めた。

なんでも、の常識では、未婚の女性からキスやハグをする事は非常識なことで、恥ずべきことらしいのだ。
もちろん、婚約さえしていればそのような行為をしても問題ないらしい…

ちなみに『え、相手の事が好きでもですか?』と、ナタリーが聞いたところセザールは困った顔をしながら『好きならば婚約すればいい』と答えたらしい。

・・・矛盾しすぎていないだろうか?

アシュリーも、その話に驚きを隠せなかった。

「意味がわからない!」とナタリーに訴えれば、ナタリーも「本当にね…」と呆れ気味に答えた。

「だから、私聞いたのよ?
『先ほどの女性との様な関係を、セザール様と結びたい場合はどうすれば宜しいですか?』って!」

「えっ!?それ、セザール様はなんで答えたの!?」

「驚いた顔をして…
『君は、何を考えている?』って目をまんまるに見開いてたわ~!
だから、わざと首に腕を回して唇を舌で舐め上げながら『こんな関係です』って言ったら、唖然としてた」

「ははっ!そりゃそうでしょ!」

ナタリーの話に、アシュリーは思わず吹き出してしまった。
だって、そうだろう?お互い、中身は30代アラサーなのだから…
自分から誘っても、は何も不思議じゃ無い。
寧ろ、それを拒まれる方が正直辛い。

しかし、セザールからすればそうもいかないだろう。
誘われる相手が違うのだ。
今までの様な、後腐れのない相手や未亡人などではない。
セザールよりも若くて…
初々しく(見た目だけは)…
可憐な(見た目だけは)…
乙女なのだ!

(見た目はね!!!)






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