双子の転生先は双子でした

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Chapter 1

59*欲の求める先

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目深くフードを被り、闇に紛れるようにその男は扉を叩いた。

中から、どこか艶っぽい声の了承の返事が聞こえて扉が開いた。

「ようこそ、旦那様」

そう言って、男を中へと招き入れると女は手慣れたように、自身が身に付けているスケスケの衣類を脱ぎ始めた。

最低限の明かりだけが灯された室内には、快楽に耽る女の喘ぎ声と、攻め動くたびギシギシと軋むベッドの音が響いている。

「あっ!ああ~んっ!いいっ!いい~っ!」

パンッパンッパンッ…
グチュ、グチュ、グリュッ…

「もっと!も…っと!…んんっ、っは!」

大きな声で喘ぐ女は、何度も何度も攻め立てられた快楽で頭のネジでも一本取れたのだろうか…口の端から涎をたらし、自らクネクネと尻を動かし、背後から打ちつける男のモノを必死になって咥え入れている。
その様子を、どこか冷めた目で見つめながら男は腰を打ち続けた。まるで、己に籠った熱を発散するかのように…



ドサッ!

ベッドで、気を失っている女の横には皮袋に入ったお金がジャリッと、音を立てながら落とされた。
そして、男はサッと衣類を整えると、まるで何事も無かったかのように部屋を後にした。


来た時と同様に、闇に紛れながら狭い路地を抜け大きな通りに出る。そこから、しばらく歩くとそれは見えてきた。
まるで人目から隠されるようにして、待機している馬車。それは、誰が見ても貴族のものだとは分からないようなデザインだった。

主人の帰還に合わせて、同じフードを被った従者の男はそっと馬車の扉を開けた。

「おかえりなさいませ」

「すまない、待たせた」

そう言うと、先ほど情事を済ませた男は当たり前のように馬車へと乗り込んでいった。
男が、何も言わずとも馬車は勝手知ったるかのように帰路へ着こうと動き出す。
その馬車に揺られながら、フードの男は窓越しに映る己の姿を嘲笑った。

今まで、幾度となくしてきた口付けさえ不要に感じた。
より行為が気持ち良くなるならば…と、腕に抱く女にかけていた甘い囁きすら必要なかった。
女の顔すら見たく無かった。
ひたすら背後から突き、喘ぐ声と彼女の姿を重ね合わせた。
しかし、彼女の愛らしい声には似ても似つかない。
喘ぐ女のお尻を叩き、中をしっかりと締めさせる。
腰を抑えて、打ち付けるように律動を速めなければ欲を発散することも難しかった。



「とうとう、性欲すらを求め始めたか…」


ボソッと呟くように出た言葉には、どこか哀愁さえも漂っているかのようだった。


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