77 / 112
Chapter 2
72*作戦と下準備
しおりを挟む
セザールが帰った後、屋敷の異様な雰囲気をいち早く察したエリザベスが、アシュリーの元を訪れ、ことの詳細を細かく聞き出した。
そして、双子の姉であるエリザベスもまた激怒する。
アシュリーは、エリザベスと共にナタリーの元へと向った。
あれから、部屋に引き篭もっているナタリーを見ながら、アシュリーはそっと前世を思い出していた。
なんでも口にする由佳と違い、由希はすぐ顔には出てしまうがあまり口には出さないタイプだ。
その為、恋人と別れる別れないとなった際…
由佳は、大抵はっきりと「別れよう」「別れたくない」と口に出すのだが、由希は「どうして?」「なんで?」といった様子で、相手の様子や出方をみてしまうのだ。
そして、大抵相手の判断をのんでしまう為、最後に言われるセリフが「お前、別に本当は俺のこと好きじゃないだろう」である。
由希からすれば、好きだからこそ相手を"煩わせたくない"と、いう思いからなのだが…
なかなかそれが通じないのだ。
そして、恋人と別れる度に部屋に引き篭もるか、反対に休む間もないほど仕事をするかのどちらかだった。
はっきりと口にするアシュリーからすれば、セザールとのことも、あの場ではっきりと「愛している」と口に出せば何かが変わったかもしれない…と、思ってしまう。
でも、それができないのが由希であるナタリーなのだ。
きっともう、セザールのことが好きで好きで仕方がないのだと思う。
そんな、自分とは違う感受性を持ったナタリーのことが、アシュリーは大好きなのだ。
だからこそ、アシュリーは許せなかった。
簡単に、若い男にナタリーを譲ろうとするセザールのことが…
アシュリーは、心に決めていた。
絶対に、何がなんでも…
"ナタリーを好きな人と結婚させる"と。
そのためにも、姉であるエリザベスに全てを打ち明け、手を組み策を練った。
全ては、セザールとナタリーをくっつけるために!
そして、現在。
アシュリーは自信満々で「私に任せなさい!」と断言するエリザベスと共に、ナタリーの部屋のベッドの上にいる。
泣き腫らしたナタリーを囲むようにして座わり、エリザベスはナタリーの背中を摩り、アシュリーは目元を冷やしていた。
未だ、ぐすんぐすんと涙を落とすナタリーにエリザベスが優しく声をかける。
「心配しなくても大丈夫よ、ナタリー。
結婚は好きな人とするものよ!
お父様とお母様がそうなのだから、いくら求婚されたかといって、無理やり婚約なんてさせないわ。
それに、私に少し考えがあるから…ね?
ほら、元気を出して!」
そう言って、ナタリーを慰めるとエリザベスはポツポツと作戦について語り始めた。
日頃から、神秘的で女神のようだと讃えられている姉からは想像もつかない、その作戦内容に双子は驚きつつも、アシュリーは全面的に賛成し、ナタリーもグッと拳を握りしめ「やるわ!」と意気込んだ。
そして、すぐに各々がその準備に取り掛かった。
まず、姉のエリザベスは直ぐに婚約者であるサイラスに連絡…
"ある物を準備して欲しい"と頼んだ。
アシュリーは、新しい服の準備に取り掛かりながら、セザールに対し"後日、無礼な振る舞いに対する謝罪がしたい"と文をしたためた。
そして、ナタリーは自身の店のお客である女性達に連絡をとり"特殊なレッスンを受けたい"と願い出た。
来たるべき作戦実行日に備え、着々と準備を始める辺境伯家の三姉妹。
その真剣な様子に、あの場に居合わせた侍女たちまでもが、こぞって準備に参加し始めた。
ある者は、セザールの家であるマルクス家の従者と連絡を取り合い、事前にアシュリーとの面会をセッティング。
また、ある者は辺境伯夫婦である旦那様と奥様に、それとなくナタリーが失恋して悲しんでいる事と、また引き篭もってしまうのではないか?といった不安を吐露した。
気がつけば、三姉妹だけでなく辺境伯家のほぼ全ての侍女達と、マルクス家の従者と執事を始めとする屋敷の者達全てを味方につけていた。
そして、双子の姉であるエリザベスもまた激怒する。
アシュリーは、エリザベスと共にナタリーの元へと向った。
あれから、部屋に引き篭もっているナタリーを見ながら、アシュリーはそっと前世を思い出していた。
なんでも口にする由佳と違い、由希はすぐ顔には出てしまうがあまり口には出さないタイプだ。
その為、恋人と別れる別れないとなった際…
由佳は、大抵はっきりと「別れよう」「別れたくない」と口に出すのだが、由希は「どうして?」「なんで?」といった様子で、相手の様子や出方をみてしまうのだ。
そして、大抵相手の判断をのんでしまう為、最後に言われるセリフが「お前、別に本当は俺のこと好きじゃないだろう」である。
由希からすれば、好きだからこそ相手を"煩わせたくない"と、いう思いからなのだが…
なかなかそれが通じないのだ。
そして、恋人と別れる度に部屋に引き篭もるか、反対に休む間もないほど仕事をするかのどちらかだった。
はっきりと口にするアシュリーからすれば、セザールとのことも、あの場ではっきりと「愛している」と口に出せば何かが変わったかもしれない…と、思ってしまう。
でも、それができないのが由希であるナタリーなのだ。
きっともう、セザールのことが好きで好きで仕方がないのだと思う。
そんな、自分とは違う感受性を持ったナタリーのことが、アシュリーは大好きなのだ。
だからこそ、アシュリーは許せなかった。
簡単に、若い男にナタリーを譲ろうとするセザールのことが…
アシュリーは、心に決めていた。
絶対に、何がなんでも…
"ナタリーを好きな人と結婚させる"と。
そのためにも、姉であるエリザベスに全てを打ち明け、手を組み策を練った。
全ては、セザールとナタリーをくっつけるために!
そして、現在。
アシュリーは自信満々で「私に任せなさい!」と断言するエリザベスと共に、ナタリーの部屋のベッドの上にいる。
泣き腫らしたナタリーを囲むようにして座わり、エリザベスはナタリーの背中を摩り、アシュリーは目元を冷やしていた。
未だ、ぐすんぐすんと涙を落とすナタリーにエリザベスが優しく声をかける。
「心配しなくても大丈夫よ、ナタリー。
結婚は好きな人とするものよ!
お父様とお母様がそうなのだから、いくら求婚されたかといって、無理やり婚約なんてさせないわ。
それに、私に少し考えがあるから…ね?
ほら、元気を出して!」
そう言って、ナタリーを慰めるとエリザベスはポツポツと作戦について語り始めた。
日頃から、神秘的で女神のようだと讃えられている姉からは想像もつかない、その作戦内容に双子は驚きつつも、アシュリーは全面的に賛成し、ナタリーもグッと拳を握りしめ「やるわ!」と意気込んだ。
そして、すぐに各々がその準備に取り掛かった。
まず、姉のエリザベスは直ぐに婚約者であるサイラスに連絡…
"ある物を準備して欲しい"と頼んだ。
アシュリーは、新しい服の準備に取り掛かりながら、セザールに対し"後日、無礼な振る舞いに対する謝罪がしたい"と文をしたためた。
そして、ナタリーは自身の店のお客である女性達に連絡をとり"特殊なレッスンを受けたい"と願い出た。
来たるべき作戦実行日に備え、着々と準備を始める辺境伯家の三姉妹。
その真剣な様子に、あの場に居合わせた侍女たちまでもが、こぞって準備に参加し始めた。
ある者は、セザールの家であるマルクス家の従者と連絡を取り合い、事前にアシュリーとの面会をセッティング。
また、ある者は辺境伯夫婦である旦那様と奥様に、それとなくナタリーが失恋して悲しんでいる事と、また引き篭もってしまうのではないか?といった不安を吐露した。
気がつけば、三姉妹だけでなく辺境伯家のほぼ全ての侍女達と、マルクス家の従者と執事を始めとする屋敷の者達全てを味方につけていた。
28
あなたにおすすめの小説
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】逃がすわけがないよね?
春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。
それは二人の結婚式の夜のことだった。
何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。
理由を聞いたルーカスは決断する。
「もうあの家、いらないよね?」
※完結まで作成済み。短いです。
※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。
※カクヨムにも掲載。
悪役令嬢に転生したみたいだけど、皇子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、皇帝が邪魔してくるんですけど……
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
お父様に助けられて公爵家の一員となって元気に暮らしていたユリアの元に、宗主国の皇帝から帝国の学園に留学するようにと使者がやってきた。お兄様はユリアを守ろうと四天王の一人の赤い悪魔に戦いを挑むが、負けてしまう。仕方なしに、ユリアは帝国に留学することに。一人で留学する事に不安を感じるユリアだが、兄姉達が一緒に留学してくれる事に!ハンブルク王国では無敵の5兄妹だが、宗主国の帝国ではどうなるのか? 銀色の髪のユリアの正体は如何に? 今全ての謎が解き明かされます。
『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』の続編で帝国留学編です。
無敵の5兄妹の前に現れる最凶の帝国四天王と極悪非道な皇帝。
ユリアとお兄様達の運命や如何に?
今回の敵は最凶です。
ラストは果たしてハッピーエンドかそれとも涙無しには読めない展開になるのか?
最後までお付き合い頂ければ嬉しいです
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる