青空サークル

箕田 悠

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 翌日は久しぶりの晴れということもあって、僕は昼休みに屋上へと上がることにした。
 活動は雨の日と土日を除いた平日ということになったからだ。
「あれ、ホッシーお昼食べないの?」
 手ぶらな僕を見て、なーこが不思議そうな顔をした。
 一人だけで食べるのは何だか心苦しくて、僕は手早く売店で買ったおにぎりを食べてから屋上へにきていた。
「食べないと午後がもたないんじゃないのか」
 眼鏡くんも現れて、渋い顔をした。
「食べてきたから……大丈夫です」
「えー、なんでよぉ。ここで食べれば良かったじゃん」
「そうだ。気兼ねする必要はない」
 僕が遠慮しているのを察してか、二人はそう言ってくれる。
「それに俺たちも、食に関してだけは知る事が出来ないから、ホッシーが見せてくれると助かる」
 確かに探究心のある眼鏡くんですら、メロンパンを知らなかったのだ。今の時代にある食べ物に関しては、知識を得る機会がないのかもしれない。
「……わかりました」
 僕は悩んだ末に頷く。
「それから、敬語は禁止ね。同い年なんだからさぁ」
「えっ……でも……」
 同い年だったとしても、自分以上に年月を重ねているのだから、先輩ではないのだろうか。
「私たちはピッチピチな永遠の十八歳なの。ね? 眼鏡くん」
「まぁ、ピチピチというのはよく分からないが、歳を重ねただけの人間を無駄に敬う必要はないからな。俺も賛成だ」
 大正生まれの眼鏡くんが、そう言うなら仕方がない。
 僕は「じゃあ……はい」と言ってしまい、二人に突っ込まれたのだった。
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