13 / 17
監禁
しおりを挟む
ジャラ……という重い鉄の音が、部屋に響く。
両手は後ろで拘束され、足にはそれぞれ足枷が付き、嵌められた首輪の鎖は部屋の柱に括りつけられている。
「言う事聞かないと殺すよ?」
首元に当てられたナイフが冷たい。それを握るみっちーの顔は、薄暗くて見えなけれど、きっと笑ってる。
何故こんな事になったのか……事の発端は、私が颯太と話している所をみっちーが目撃して嫉妬したという、痴話喧嘩のタネのようなものだ。
いつもなら見かけても「また喧嘩か」と納得するのに、何故か今回はやたら根に持っていた。その後、それを言われた私が逆ギレして喧嘩になり、殴られて気絶して目を覚ませばこの状態だった。
二人の寝室の隅で、私は体操座りをしてみっちーを見上げていた。ベッドの上には玩具と鎖とナイフ。これから何が起こるのか、見た瞬間直ぐに分かった。
物静かで私と普段からあまり話さないみっちーからしてみれば、犬猿の仲のように見えて喧嘩するほど仲が良いと言うか、そんな感じで私の隣にいる颯太が目障りだったのかもしれない。それで何故私を監禁するのかはまた別の話だけど。
「藍華は俺のこと好き?」
「……こんな事する人は嫌いって言ったら?」
「別にいいよ、殺すだけだから」
落ち着いた声は普段と変わらないし、ちゃんと名前も呼んでくれる。
……でも、殺気を感じる。
「俺は藍華の事を愛してるよ……殺したいくらいに」
鎖を引かれて、僅かにナイフが首筋にくい込んだ。じんわりと血が滲む感覚を覚えたが、彼の性格からして直ぐに殺す事は無い……ハズ。
「良いの?私を殺して」
「まさか、本当に殺したりなんかしないよ……まぁ、心臓が動いていれば殺したうちには入らないし」
「脳死くらいにはするのね」
「俺以外をその瞳に映すくらいなら、俺しか見えないようにするだけだ」
両手は後ろで拘束され、足にはそれぞれ足枷が付き、嵌められた首輪の鎖は部屋の柱に括りつけられている。
「言う事聞かないと殺すよ?」
首元に当てられたナイフが冷たい。それを握るみっちーの顔は、薄暗くて見えなけれど、きっと笑ってる。
何故こんな事になったのか……事の発端は、私が颯太と話している所をみっちーが目撃して嫉妬したという、痴話喧嘩のタネのようなものだ。
いつもなら見かけても「また喧嘩か」と納得するのに、何故か今回はやたら根に持っていた。その後、それを言われた私が逆ギレして喧嘩になり、殴られて気絶して目を覚ませばこの状態だった。
二人の寝室の隅で、私は体操座りをしてみっちーを見上げていた。ベッドの上には玩具と鎖とナイフ。これから何が起こるのか、見た瞬間直ぐに分かった。
物静かで私と普段からあまり話さないみっちーからしてみれば、犬猿の仲のように見えて喧嘩するほど仲が良いと言うか、そんな感じで私の隣にいる颯太が目障りだったのかもしれない。それで何故私を監禁するのかはまた別の話だけど。
「藍華は俺のこと好き?」
「……こんな事する人は嫌いって言ったら?」
「別にいいよ、殺すだけだから」
落ち着いた声は普段と変わらないし、ちゃんと名前も呼んでくれる。
……でも、殺気を感じる。
「俺は藍華の事を愛してるよ……殺したいくらいに」
鎖を引かれて、僅かにナイフが首筋にくい込んだ。じんわりと血が滲む感覚を覚えたが、彼の性格からして直ぐに殺す事は無い……ハズ。
「良いの?私を殺して」
「まさか、本当に殺したりなんかしないよ……まぁ、心臓が動いていれば殺したうちには入らないし」
「脳死くらいにはするのね」
「俺以外をその瞳に映すくらいなら、俺しか見えないようにするだけだ」
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる