草食系男子の旦那を誘惑してみました

ふくりあ

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媚薬1

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え?第一話のタイトルが媚薬はやばいって?

知らないよ(はぁと)

みっちーと結婚してから二週間。だいぶ部屋も片付いてきました。もちろんダブルベッドで毎晩一緒に寝ています。

だがしかし!まっっったく何もしてこない!

確かに私もみっちーも……その、ねぇ?そういう……あ、やばいなんか照れてきた。まぁ、とにかく経験が無いのも理由の一つだろう。DTと……そういえば女子ってなんて言うんだ?知識無さすぎてわかんねぇ。どうでもいいけど。

よくさ、「お互いやった事なくても、本番になればなんとかなるって!(裏声)」ってギャルが言ってますけどね。あれ絶対無理だからね。

例えばさ、未経験者歓迎みたいな事行ってる会社に入ってみるとするじゃん?入社当日はめっちゃ祝われてさ、翌日から大量の仕事を任されて「なんとかなる」発言されて、できなかったら怒られる理不尽なアレだよ。もう二日目でやる気失くすやつ。豆腐メンタルはそこで試合終了だよ。主に私ですね。

数メートル先にゴールがあって、落ち着いてシュートしたら絶対入る場所なのに、一人でも敵を見つけちゃったらパニックになって外すやつ。あれで精神的に死んじゃう。

だからね、もうこの際メンタルとかそういうの気にせずにさ、弾丸ツアーのノリで行くしかないと思うんだよね!

「お前、さっきから百面相してるけど大丈夫?」

「うわっ!?」

ソファに座って腕を組んだりガッツポーズをしていたら、いつの間にか隣にいたみっちーに真顔で見られていた。やばーい、超はずーい(棒)

「食器全部洗っといたけど、ココア飲む?もちろん今度は藍華が洗ってね」

いつの間に洗ってたんだ。てか、気の使い方がお母さんだわ。

「ありがとうございました……飲みます……」

「あっそう。お湯沸かしてくるね」

ダメだ、みっちーに任せていたら仮にも嫁の私の立場が無くなる!てか最初から私がやるべき仕事じゃん!

「待って待って!私がやるから、みっちーは座ってて!」

「はぁ?どうしたのいきなり」

「まぁいいじゃん、ね?洗い物してもらったし、休んでて!」

「……うん」

ほぼ強引にみっちーをソファに座らせ、テレビの方に視線を移したのを確認すると、猛スピードでキッチンの棚を見た。

……ありました、こないだネットで見つけた即効性の媚薬。

ポットに水をいれて沸くのを待っている間、媚薬(液体)が入っているビンの裏にある説明を読む。

『病人には絶対飲ませないでください。極度の興奮状態に陥り、意識を失う可能性があります』

なんか最初からめっちゃ怖い事書いてあるんですが()

『男女問わず、効果には個人差があります。草食系はなかなか行動に出ないため、多めに入れた方が良いでしょう。ただし、入れ過ぎて激しくなっても自己責任でお願いします』

いや何のアドバイスだよ。あと、入れ過ぎて激しくなっても自己責任とか当たり前でしょ、何のための媚薬だよ。

他にも色々書いてあるけど、面倒だしもういいや。三滴くらい入れたら大丈夫でしょ。

お湯が沸いた事を知らせるアラームが鳴り、慌ててスイッチを切る。コップにココアの粉を入れてお湯を注ぎ、みっちーのコップには媚薬を入れて……っと、よし、完璧!

「みっちーお待たせ。ココアできたよ」

「ん、ありがと」

夜だし少なめにしたけど、足りるかな。ていうか、どれくらいのスピードで効くんだろう。

「……っ」

「……?」

「……ん、うま」

「うん……?」

なんか、凄い間があった気が……はっ、もしかしてもう効いてきた!?

「ね、ねぇ……大丈夫?」

「……うん」

なんかめっちゃ頬赤いし、ていうか一口飲んでからずっと口抑えてるんだけど!?マジでなに!?媚薬いれたの自分だけど怖いよ!?

「……ねぇ」

「ハイッ!?」

やばい、すごい過剰に反応してしまった。

「風呂終わった?」

「え?……みっちーが帰ってくる前に入ったけど……」

「そ、俺もさっき晩御飯前に入ったし、いけるか」

いやいやいや、何がいけるんですかね??怖いよ??ずっと真顔で話してるから余計ホラーだし、てかなに、やっちゃう前提??貴方草食系男子ですよね??

媚薬ってすげぇ(震え声)

「寝室まで我慢できないし、もういいよね」

「えっ」

「あーでも、女の人って初めてやる時血が出るらしいし、汚れてもいいところじゃないとダメか」

どっからその情報仕入れたんだよ。みっちー殆ど携帯使わないし、パソコンも仕事のソフトしか使ってない……ってことは誰か知り合い?もしかして、貴一君(みっちーの兄)とか?

……ありえるな。貴一君なら言いそう。ほぼ初対面でうちに正しい性教育を教えてきた人だし。絶対ありえるわ。

「えっと……今から、その、やる……の?」

「うん、てかもうここでいい?いらないTシャツ持ってくる」

嘘だろ。普段のみっちーからは全く予想できないくらい、行動力が早すぎる。

呆然と見ていると、すぐにTシャツを持ったみっちーが戻ってきた。そして、私を見て何か考えたあと、小さな声で呟いた。

「脱いで」

「え」

「その服脱がせにくそうだから、自分で脱いで」

「……うん」

なんかめっちゃ雑くね??もう自分で脱ぐけどさぁ……

「……っ」

仕方なく一人で脱いでいると、みっちーが何か言った気がした。

「今なんか言った?」

「何も。俺も脱ぐね」

いやこっち見ながら脱ぐなよ。恥ずいわ(真顔)










「……媚薬入れたんだし、それなりの覚悟はあるよね……?」
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