草食系男子の旦那を誘惑してみました

カラオケ1

「愛華」

「ん？」

「せっかくの休日だし、カラオケ行かない？」

「いいねー、行こっか」

土曜日の午前中、二人で遅めの朝食を取っていると、みっちーがカラオケに行こうと提案してきた。普段はインドア派で買い物以外に出掛ける機会が殆ど無いので、これは結構レアなんじゃないだろうか。

「今十時半か……十一時からのフリータイム行く？」

待て、さすがに三十分は無理だ。起きてすぐ顔洗ってトーストとサラダ用意したからすっぴんだし……てか化粧するのめんどくさいです。マスクでいいかな。

「まだ洗濯機回ってるし、これ食べ終わったら食器洗わなきゃだし、そしたら結局昼になるよ？」

「いいじゃん、たまには外食しようよ」

「んー……分かった」

ああ、今月は節約してこっそり欲しい物買おうと思ってたのに……え？欲しい物は何かって？

媚薬です(はぁと)

こないだ台所の戸棚見たら空っぽだったんだよねー、マジで中身全部どこ行ったんだろうめっちゃ怖いんだけど。結構な量あったぞアレ。

最後の一口を食べて、急いでお皿を重ねて台所に持って行く。えーと、この後どうしよう。そろそろ洗濯機止まるよな……

「俺まだ果物食べてないし、食器洗うよ」

「本当？助かる～」

「洗濯物よろしくね」

「はーい」

私が返事をした瞬間、洗濯機が止まった音がした。タイミングばっちり！素晴らしいね！

洗濯物をカゴに入れて、それをベランダで干しながら空を見上げると、飛行機雲が見えた。

「愛華、それ終わったら買い物行こ」

「そうだね……今日はいい天気だなぁ」