友達以上、恋人未満の旦那様

ふくりあ

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#2

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「とりあえずビールで」のノリでドリンクバーを頼んだあと、私の目はメニュー表に釘付けになっていた。

「おぉ……っ!めっちゃ美味しそう!」

「太るよ」

「失せろ颯太」

腹立つイケメンを1発殴ってから、光り輝くメニュー表にもう一度目を通す。

あ、勿論太陽みたいに自分で光ってる訳じゃないですよ。月が太陽に照らされているのと同じ要領で、メニュー表が蛍光灯に照らされて輝いているっていう意味ね。

まぁこんな話は置いといて。メニュー確認しなきゃ。

ベルギー産チョコレートを使ったチョコレートケーキ、北海道産牛乳を使用したヨーグルト、シェフおすすめのロイヤルプリン、カロリー控えめの杏仁豆腐……

「どうしよう、決められないんだけど!」

「全部食べたら?」

向かいの席からみっちーが、天使の微笑みを浮かべながら悪魔の囁きをしてきた。こういう彼の発言というのは、罪の意識が全く無いからつらい。

「う"……っ今ここで、みっちーの言葉に甘えてしまえば、私は確実にあと1kg太ってしまう……」

「太ったら豚箱に送ってやるから安心しろ」

「颯太。お前はそんなに死にたいのかな?」

くろーーーい笑みを向けると、颯太は若干怯えながら「ドリンクバー取って来るわ……」と言って逃げた。

ざまあねえな、はっ!(ドヤ顔)

「そんなに颯太を殺したいなら、隙を見て飲み物に毒盛っちゃう?」

「七海ちゃんがそれ言ったらマジで冗談に聞こえないんだけど」

「勿論本気だけど?」

「……っ!(寒気)」

突然ですが、ここで一句。

帰りたい もう帰ろうよ 七海様。

「……あ、季語が無かったわ」

「また妄想してる……」

みっちーの視線がつらいです。泣きそう。妄想くらい許してほしいですね。
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