友達以上、恋人未満の旦那様

#11

今、私は猛烈に焦っている

「ここ何処だ！？(方向音痴)」

トイレから出たら来た方向が分からなくなりました。学校で迷子とか聞いたことないんだけど。てか自分方向音痴過ぎるでしょ。アホすぎる……いやまぁ実際そうなんだけど。そのおかげでI組だし。

「よぉ」

「へっ！？」

いきなり後ろから声をかけられてビビった……ここお化け屋敷？違うよね、フツーに廊下だよね。あと相手がヤンキー感丸出しなんですけど。怖い。

てか誰やねん貴様。名を名乗れ。

「お前可愛いな。赤色のリボンって事は3年か、俺とタメやな！　ちなみに何組？」

「ナンパは丁寧にお断りします」

「俺はH組」

こいつ話聞いてねぇ。そして名を名乗れ。

「いやいやいや……お断りしますって言ったよね？　てか、なんであんたがH組で私がI組なの。こんなヤンキーに学力負けるとか、もうプライドとか超えて泣きたいわ……」

「落ち着けよ。学力だけが全てじゃねえからな？」

ポンっと肩に優しく手を置いて励ましてくれるヤンキーに、思わず胸キュンし……ませんでしたが、まぁ少しは癒された。さすがにヤンキーに恋とかしたくないわ。

……ヤンキーに学力負けたとか、立ち直れない(真顔)