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21 ミルワールの館・Ⅲ
しおりを挟む「追って来ないわね」
ノワールは薄暗い部屋にいた。
「急いで入ったけど……」
部屋の暗闇からかたかたと金属が触れ合う音が聞こえた。
「何かいるにゃ」
部屋の中が突然、明るくなった。すると頭のない甲冑が姿を現し、甲冑には、頭の変わりに青白い炎が燈っていた。
「デュラハンだにゃ…」
ノワールは後退りで部屋から出ようとしたが、突然、扉に鍵がかかり、出られなくなった。
「力を使えないのにどうするにゃ?…」
ノワールは何か気付いた。
「……問題ないわ」
デュラハンは剣を構え、振り下ろしてきた。すると剣は宙を舞い、石畳の床に音を立てて落ちた。
ノワールの手にはいつもの大鎌が握られていた。
「力が…」
「どうやら此処では使えるみたいね」
ノワールは大鎌を振るい、デュラハンの胴を切り裂いた。するとデュラハンの頭の部分に燈っていた炎が勢い良く燃え上がり、天井一面に広がった。そして、炎の中から同じようなデュラハンが次々と出て来た。
「倒したのは間違えだったみたいにゃ」
「だったら逃げるまでよ」
ノワールは後ろに踵を返し、扉を大鎌で切り裂いて部屋から出た。
部屋から出ると大鎌は細かな砂となり消え、背後には部屋の入り口で虚空にぶつかるデュラハン達がいた。
「どうやら、何らかの力が働くのは部屋の中だけみたいね」
「これからどうするにゃ?」
「他の部屋も確認するしかないわ、目的のものも見つけていないんだから」
その後、ノワールは二階の左側にある部屋を見て回った。
ある部屋では、扉を開けた途端床が崩れ落ち、底が見えないほどの穴が現れたり、また別の部屋では、壁中に目があり、常に動くものを監視していたりなど用途不明な部屋ばかりあった。
「正面な部屋がないわね」
そして、最後の一番奥にある部屋まで来て扉の取っ手に手を掛けた。すると床が開き、ノワールは落ちた。
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