ShiningHeart

シオン

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第二章

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~廃墟~

「…まだ不完全だったか。だが、いいデータは採れたな」

ヴァルキリアは肘掛けを使い、頬杖をつきながら言う。

「奴らはいかがいたしますか?」

ユシードは恭しく聞いた。

「暫くは好きにさせておけ、位置は把握できている。今は他二つのオーブの探索だ」

「はい」

ユシードは暗闇へと消えた…



~フェレストア平野~

街を出たフェイ達は平野を歩いていた。

「まずはイフェリアの森か」

「そうっすね」

「体の方は大丈夫?フェイ」

「心配はいらんよ、多少の傷ならば立ち所に治癒する」

レイナの言葉にグレネリスが答える。

「へぇ、精霊様ってすごいんだ」

「火というのは世界を司る力の根源ですから」

クレイルはレイナに火の精霊であるグレネリスの説明していると何かに気がついた。

「おや?人がモンスターに襲われてますね」

「襲われてますねじゃないですよ、クレイルさん助けないと」

フェイは剣を構え走り出し他三人も続いて走り出した。

「大丈夫ですか?」

そういいながらフェイはその人とモンスターの間に立ちはだかり剣で切り付けるとモンスターは逃げていった。

「この度は助けて頂いてありがとうございます」

「どうやら無事だったようですね」

「見たところ商人のようっすね」

「えぇ、私ナーガと申しまして世界の珍品、名品を探し周っている商人です。まぁ普通のアイテムも扱っていますがね。これからイフェリアの森の近くのカシュア村に行く途中で」

「それだと方向がいっしょですね。私達はイフェリアの森に行く途中なんですよ」

「よかったらカシュアまで一緒に行きませんか?またモンスターに襲われるかもしれないですから」

「それはご親切にどうもありがとうございます。では、お願いします」

「それでは行きましょうか」

フェイ達は商人を送るため、カシュアに向けて平野を歩き始めた。

時が経ち日が暮れ始めフェイ達は野営することにした。

「日も落ちてきたしここらで野宿しよう」

「そうですね」

「早速、準備っす、レイナ」

「うん」

準備を終えて日が沈み、みんなが眠りにつきクレイルがひとり起きて見張りをしているとグレネリスが話しかけてきた。

「眠りから目覚めておったのじゃな、賢者クレイル」

「えぇ少し前に。それと賢者はよしてください、もう過去の話ですから。それでこの度の契約者はどうですか?」

「まだまだじゃが、エレメンタルブレードを扱える心の強さを秘めておる」

「そうですか」

「気になるのが奴らの動きじゃな 帝王の力が強まりつつある。それに霊獣との融合」

「霊獣との融合ですか…どうやらまだ不完全のようでしたが」

「あぁ 完成すれば恐ろしいほどの力を生むじゃろう」

話をしているとフェイは目を覚ましグレネリスに話しかけてきた。

「グレネリス…ふわぁぁ…何話してるんだ?」

「ただの世間話じゃ」

「そうなんだ、クレイルさん僕が見張りの交代しますからゆっくり休んでいてください」

「では、休ませて頂こう!じゃあ、頼んだよ~見張り」

クレイルはフェイに任せて眠り就いた。

「グレネリス、この剣のこと聞いてなかったよね?」

「その剣はな、己の強い心、強い想いに鼓応して力を解放する精霊と同じようにな」

「朱く染まったのは?」

「それは暁のオーブの影響じゃ、元々この石そのものに力がある。そこに大精霊を封じ込めたのじゃ」

「そうなんだぁ、契約の時にいってたけどグレネリスの他にもいるんだよね」

「あぁ、精霊自体はこの世界にたくさん存在するが大精霊は数が限られておる」

「精霊なんておとぎ話でしか聞いたことなかったよ」

「見える者も限られておるからな」

話をしていると日が徐々に昇り始め、みんなを起こした。

「もう朝っすかぁ」

「おはよう」

「皆様、おはようございます」

フェイはなかなか起きないクレイルの身体を揺さぶりながら声をかけた。

「クレイルさん!起きてください!」

「あれっ?もう朝ですか?これは失礼」

みんなはカシュアに向けて準備をし歩き始めた。



歩くうち日は高く昇った。

「カシュアはまだっすか?」

「あと半時ほど歩けば着きますよ」

「見えた、あれじゃない?」

「ホントだ村が見える」

「相変わらずレイナは目がいいっすね」

「まぁねぇ」

レイナは自慢気な笑顔を見せる。

そして、カシュアの村に着いた。

「お送りいただきありがとうございます、皆さまのおかげで無事着くことができました」

「いいんですよ、ちょうど通り道だったので」

「御礼にこれを受け取ってください」

「そんないただけないですよ」

「どうか受け取ってください」

「じゃあ、いただきます」

フェイは断り切れず商人からオートボウガンを貰った 。

「それでは、また会う機会があればどこかで」

商人ナーガは去っていった。

「これ、どう使うだろう」

「自装式の弓矢っすね」

「よくご存知なんですねぇ」

「父ちゃんが武器を卸してるから。フェイ、俺にくれないっすか?戦いで使えると思うんだ」

「うん、わかったよ」

フェイはリーシュにオートボウガンを渡した。

「じゃあ 森に向かおう」

「ちょっと待って、フェイ」

「なに?レイナ」

「何か村の方が騒がしくない?」

「どうしたんでしょうねぇ」

「行ってみよう」

フェイ達は何が起こっているのか気になり、カシュア村へと足を踏み入れるといきなり前からピエロのような仮面を付けた三人組が走って来た。

「どけどけぇ~」

三人組の一人がフェイとぶつかり仮面が落ちた

「やべぇ!」

「そんなの放っておきなさい!早く行きますわよ!」

「わかってますって!」

仮面を置いたまま走り去っていった。

「一体何なんだ?」

「この仮面は何なのかしら」

「居たぞ~」

「観念しろ泥棒め!」

フェイ達は村人に取り押さえられ捕まってしまった。



~カシュア村~

フェイ達はほの暗く薄明かりの地下牢に入れられていた。

「出してください」

「私たちが何をしたってゆうの?」

「とぼけるでねぇ」

「おめらも盗賊団の仲間だろうが」

「私たちはただぶつかっていった人が落とした仮面を拾っただけで」

「入れ代わりに逃げていった奴らが犯人っす」

「その仮面を付けた奴が家から出てくるとこ見た奴がいるんだ!」

「まぁ 落ち着きなさい」

そう村人達を宥めながら老人が姿を現した。
「村長!」

「若者よ、その者達はどこへ逃げたか分かるか?」

「それはわかりません、ぶつかってすぐ村の人達に来たので僕たちは断じて泥棒はしていません」

「そうか、どうやらこの若者達は犯人ではないようだ。目を見れば分かるこの目は真実をのべておる目だ」

「んじゃ、出してもらえるっすか?」

「すまんがそれは無理じゃ、村の者達はまだ疑っておるからな。このところ盗賊団がよく出て、みな気がたっているのじゃよ」

「では盗賊団を退治してくるってのは?」

「そうじゃのぉ」

村長は少し考え込んだ。

「お前らそんなこと言って逃げるつもりだろ!」

「まぁ落ち着きなさい。では、この者達の中から一人を置いて残りの三人で盗賊団の退治とゆうことでどうじゃ」

村長は村人達に提案する。

「…それならば」

「君達もそれでいいかね?」

「はい」

「今日はもう日が暮れる朝までに退治に行く三人を決めるといい」

村長はフェイ達にそう言い、村人に選ばれた三人を自分の元へ連れてくるように言った。

数時間後…

「フェイくん、どうするんだい?」

「ん~戦いになるのは確実だし…ここはクレイルさん、リーシュと僕で行こうと思う、レイナはここで待っていて」

「分かったわ…」

「メンバーも決まったことだし早く寝て明日に備えるっす」

「そうですね」

フェイ達は眠りにつきそして…朝。

「お前達!起きろ!」

村人は牢の鍵を開けた。

「退治に行く三人出ろ!」

クレイル、リーシュ、フェイの三人は牢から出た。

「フェイ!気をつけてね!」

「大丈夫だよ、グレネリスもいるんだし」

「ぐずぐずするな早く来い!」

三人は村人に連れられて地下から出て村長の家に到着した。

「連れてきました」

「さて、まずは武器を返えそう」

村人がフェイ達に武器を返す。

「あと盗賊団のねぐらじゃが前に一度さらわれた者がおってなその者から聞いた話じゃとどうやらここから北にあるクラビ洞窟のどこかにあるそうじゃ」

フェイ達は北にあるという盗賊団のアジトのクラビ洞窟へと向った。



~クラビ洞窟~

「全く面倒なことに巻き込まれおって」

「グレネリス、まぁそうゆうなって村の人達も困ってる訳だしさ。それにレイナを助けるには盗賊団を退治しないと」

洞窟内はひんやりしていて、奥の方は暗く闇に包まれており、天井にある鍾乳石から水滴が落ちる音が聞こえてくる。

「真っ暗で明かりがないと見えないっすね」

「しょうがない、我が明かりを出してやろう」

腕輪のオーブが朱く光り、オーブの上に火の球が現れて辺りを照らし出した。

「これで先に進めますね」

「なんだか入り組んだ洞窟っすね」

「皆さん、気をつけて下さい!何か来ます」

そこに現れたのは掌に乗るほどの大きさの生き物がだった。

「どうやらシュクリスのようですね」

「なんですか?」

「きわめて温厚な小型のモンスターですよ。でもおかしいですね」

「なにがっすか?」

「シュクリスはこのような場所に棲息するモンスターではないのですが」

「ココ~どこいったの?ココ~」

「子供の声?」

シュクリスは声を聞き洞窟の奥へと走って行った。

「行ってみよう」

シュクリスの後を追ってフェイ達も奥へと進んだ。

「あれ?何処に行ったたんだろ?」

ランタンを持った女の子が現れる。

「あ!こんなとこにいた。ココ、勝手に出歩いちゃだめでしょ」

女の子はしゃがみ込み、足元にいるシュクリスに片手を差し伸べる。するとシュクリスは女の子の手を伝い、肩まで駆け上がる。

「君は?」

「おにさんたち誰?」

「僕たちはその…」

「あっ分かったぁ~入団希望者ですねぇ~」

フェイ達は小声で話を始めた。

「どうやらこの子は盗賊団と関係があるようです、ここはこの子に話を合わせましょう」

「そうっすね」

「はい」

「あれ~どうしたんですかぁ~?」

「いえ、なんでもありませんよ」

「そうそう俺達、入団希望できたんっすよ」

「よかったら案内してもらえるかな」

「は~い、わかりましたぁ~」

フェイ達は女の子にアジトまで案内してもらうため入団希望者のフリをして女の子の後をついていく。



カシュア村~地下牢~

「フェイ達、大丈夫かな…」

レイナは一人、ほの暗い牢にいると突然、声をかけられた。

「おやおやどうしたんですかな?」

「あなたは!」

「なぜ?こんなところに」

レイナはこれまでの経緯を話した。

「そんなことがあったのですか」

「はい」

「ちょっと待ってくださいね」

「なにをしてるんですか?」

声の主は牢の鍵を開けた。

「はい、開きました。これで出られますよ」

「あなたは一体?」

「そんなことより他の皆さんが心配でしょう案内しますよ」

二人は誰にも気付かれず地下牢から出て村の外へ向かった。

クラビ洞窟~盗賊団のアジト~

フェイ達は盗賊団のアジトに辿り着いた、そこは開けた空間で円形のテーブルが並んでいて天井には蝋燭の灯ったシャンデリアが吊されている。

フェイ達はその奥にある部屋に通された。

「お父さ~ん」

「フィー どこに行ってたんだ」

そこには大柄で顎髭を蓄えた男がいた。

「入団希望者を連れてきましたぁ~」

女の子は満面の笑みで言う。

「ガハハハ…そうかそうか」

「あれ?みんなは?」

「いつものところへいっておる。おっと紹介が遅れたな、ガハハハ…わしが盗賊団の頭のクドルだ」

「これはどうも初めまして」

「そんなに固くならなくてもいいぞ、ガハハハ…」

「これからどうするんっすか」

「まさかあんな小さな子がいるとは、いまは少し様子をうかがいましょう」

リーシュとクレイルは小声で会話した。

「それにしてもあいつら遅いな何をやっているんだ」

「私が見てくるぅ~」

フィーはクドルの部屋から出て盗賊団の仲間いるところへと向かった。

突然、フィーの悲鳴が響いた。

「フィー!!」

クドルは部屋から飛び出し、フェイ達は隣の部屋を覗き込んだそこにはピエロのような仮面を付けたの者達が居て、一人の男がフィーの首筋にナイフを突き付けていた。

「ラスティス!?どうゆうつもりだ!」

「あんたの生ぬるいやり方に嫌気がさしてね」

「おめぇら、ラスティスを取り押さえろ」

盗賊団の者達は全く動く気配がない。

「どうしたんだ!?おめぇら」

「無駄ですよ、他の者も同じ意見なのですよ」

「くっなんてことだおめぇら恩を仇で返すつもりか」

「さて、盗んだ金品は何処に隠してある?早く言わないと娘がどうなるか」

「助けてお父さん!」

「フィー!!」

フェイ達は盗賊達にばれないように小声で会話を始めた。

「なんかヤバイっすよ、どうするっすか」

「なんとかしてあの子を助けないと放っておけないよ」

「同感ですね、では…」

三人は何かを話し合い、それが終わると三人は行動に移す。

「お話中すいません」

「なんだきさまらは?」

「さっき入団したばかりの新人です。よかったら俺達もそちらに入れてもらえないかなって」

「これは…傑作だな入ったばかりの新人にまで裏切られるとは、いいだろうこちらに来い!」

「おめぇらまで…」

クレイルとフェイはラスティス達がいる方へと向かった。

「さて、そろそろ言ってもらおうか盗品の在りかを」

「…分かった…分かったから娘をフィーを放してくれ、盗品は奥にある俺の部屋にある棚の隠し扉の中だ」

「そうか、隠し扉の中か」

「さぁ娘を放してくれ!」

「残念だがそれは…」

「やめろぉぉ」

ラスティスはナイフを振り上げフィーへと振り下ろそうとしたとき…

「リーシュ!!」

フェイの声を合図にリーシュは部屋の入口からボーガンで矢を放ち、放った矢はラスティスの手を掠めナイフが地面に落ちた。
フェイはラスティスがよろめいた隙を見てフィーを抱えてクレイルと一緒にクドルの方へ向かった。

「お父さん…」

フィーは泣きながらクドルに抱きついた。

「くっなんなんだ!」

手の傷を押さえながら言った。

「きさまら、裏切ったフリを」

「この子を助けるにはこれしかなかったからね」

「まぁいい盗品の在りかは分かったお前達こいつらを全員殺せ!」

フェイ達はあっとゆう間にクドルの部屋を背に武器を構えた盗賊団の者達に囲まれた。

「ありがとう…」

「礼はあとっす、今は目の前の状況を何とかするっす」

「うん」

「そうですね」

フェイ達は武器を構えた。

「この状況で武器を構えるか、なんと往生際の悪い素直に揃って死ねばいいのに」

フェイ達は取り囲む盗賊達を警戒しながら会話を交わす。

「どうしようか?」

「逃げるにしても…出口は反対ですしね」

クドルが会話に割って入って来た。

「すまねぇちっとの間こいつらを抑えててくれねぇか」

そう言ってクドルはフィーと一緒に部屋へと入っていった。

「ふん奥へ行っても逃げ場など無いというのに…お前達いつまでかかってやがる!早くたたいて盗品を手に入れるぞ!」

「おおぉ~」

ラスティスは奮起を促す言葉に盗賊達は答える。

フェイ達は盗賊達の切り掛かる剣を弾き返したり、かわしたりして時間を稼いでいると煙り玉が飛んで来た。

煙りは部屋中に充満しその場にいる者達は咳込んだ。

「ごほっ…なん…だこれはなにも見えな…い」

ラスティスは口許を塞ぎながら周囲に目を凝らす。

「おめぇら、こっちに来い」

フェイ達はクドルの呼び声の方へと向かった。すると地響きが鳴り響きクドルの部屋が崩れ始め、煙りが晴れる頃には部屋は土砂で埋まっていた。

「これは!?くそっ!クドルの野郎これじゃあ盗品が…」

ラスティスは憤慨して地面に転がっていた石ころを蹴り飛ばした。

「ちっいくぞ、お前達ここは用済みだ」

ラスティスを含む盗賊達はアジトを出ていった。

クラビ洞窟~隠されし坑道~

フェイ達は暗闇の中にいた。

「びっくりしたっすね」

「まさか、崩れるとはね」

「あれはいざっていうときの仕掛けを作動させたのだガハハハ…すごいだろう」

「それはすごいですけど…ここは?」

「ここは…っとその前におめぇたちは一体何物なんだ?娘を助けてもらったことには感謝しているが、本当は入団希望者じゃねぇんだろう?」

「それが…実は僕たち盗賊団の一味と間違えられて……」

フェイは本当のことを話した。

「……そうゆう理由であなた方、盗賊団を退治しに来たんです」

「そうか、すまない…だがわし達は悪徳な商人の積み荷などを襲ったりはするが善人からは取らないましてや村を襲うことなど言語道断だ、それにわしはあの村の出でな…」

『じゃあ、村であった三人組はいったい』

「おっとそういえばここはどこかだったな?ここはわしの部屋にある隠し扉の中だ」

「じゃあ、閉じ込められたってことっすか!?」

「ガハハハ…大丈夫だ。最近、発見したんだがここには抜け道が隠されとる」

クドルは暗闇の中 手探りで仕掛けを探した。

「あれ?どこじゃろうか、暗くて見つからんガハハハ…」

「グレネリス」

腕輪のオーブが光り火の球が出て辺りの物達が自ずと輪郭を表した。
そこには、壷や装飾を施された剣や杖などの武器、金銀の貨幣がたくさん置かれていた。

「おっすまんな」

明かりを燈したことに礼をいった。

「こんなにもあるとはすごいですね」

「ほんとっすねぇ」

「おう、あったこれだこれ!」

クドルが隠し部屋の壁にある仕掛けを押すと轟音と共に壁が下がり入口が現れた。

「クドルさんこの入口はどこに続いてるんですか?」

「ここは昔、炭坑でな、いたる所に道が枝別れしててな…実はな……わからんガハハハ…」

「もうお父さんったら…」

「そうなんですか…」

クドルの答えにフェイ達は苦笑いをした。そこへ緩やかな風が流れた。

「どうやら外へは通じてるようですね、さぁ皆さん行きましょう」

クドルをおいてフィーとフェイ達は通路を歩き始めた。

「あれ?お~いおまぇたちぃ~フィーちゃん…?」

クドルはおいてかれたことに気付きみんなの後を追い駆けた。

通路を歩く一行…

「あの~気になってたですけどその腕輪って不思議ですよね、火が出るなんて」

フィーがフェイに聞いた。

「あっ紹介するよ」

「しょうかい?」

「うん、グレネリス!」

「なんじゃ」

「うわぁ~喋るんだぁ~」

「グレネリスっていうだ」

「グレネリスっていうだぁ~じゃあ、グレちゃんだ」

「グッ!グレちゃん!!我は何千年も生きておる精霊じゃぞ!」

「まぁまぁグレネリス」

「私も紹介するね」

フィーのポケットからシュクリスが出てフィーの肩まで登った。

「この子、ココっていうのよろしくねっ」

「チィチィチィ~」

「皆さん!止まって下さい!」

クレイルの言葉にみんなは立ち止まった。

「どうしたんっすか?」

「別れ道のようですが、ほぼ埋まってますね」

みんなの目の前には三つの別れた道がありその内二つは瓦礫に埋もれ、残された一つから風が流れている。

「しっ!静かに!」

クレイルが真剣な顔をして言った、
その時、洞窟内に叫び声がコダマした。

「グゥウォォォ…」

「なんなんだこの声」

「クドルさんなにか知らないんっすか?」

「初めて入ったからな」

「どうやら外へと通じているであろう道の方から嫌な気配がしますね」

「戻ることは出来ないし進むしかない」

「武器をいつでも使えるように覚悟しておいて下さい」

「わかったっす」

「クドルさんとフィーちゃんは後ろに付いてください」

「いざという時はわしも戦うぞ!これでも盗賊団の頭だからな、おっと今はそうは言えないかガハハハハ…」

「いえ、その時はフィーちゃんを守ってあげて下さい。じゃあ、先に進もう」

フェイ達は警戒しながら嫌な気配の方へと歩き出した。

歩くにつれて嫌な気配が強くなり徐々に道が開けていき大きな明るい空間に出た。

そこには湖があり天井には一つの穴がありそこから光が差し込み宝石を散り嵌めたように水面が輝いている。

明るいところへ出たのでグレネリスは火の球を消した。

「やけに静かっすね」

「どうやら地底湖のようだけど」

「そのようですね…」

『おかしいですね、先程までしていた嫌な気配が消えた』

「…でも困りましたね」

「なにがですか?」

「あの天井の穴が風の流れを作っているとすれば出口は…」

クレイルは天井に開いた穴を見上げる。

「とりあえず、手分けしてこの地底湖を調べてみませんか?」

「えぇそうですね」

『どうも、いけません永く生きると諦め易く成りがちですね』

フェイ達は五人で手分けして地底湖の周囲を調べ始めた。
地底湖の周囲には石や岩が転がっていて遺跡の残骸のような物が多数点在している。

時が経ち五人は集まった。



クラビ洞窟~水面輝く地底湖~

「こっちには何もなかったよ」

「わしもだ」

「こっちには変な文字の書かれた岩ばっかりっす、なんなんっすかね」

「僕の調べてた所には他に通れるような道はなかったけど床に円形の文字盤があるぐらい」

「そうですか、こちらはなにもただ石や岩があるだけでした。いまはその文字などを調べてみましょう私はその類のものには詳しいので」

クレイルはリーシュとフェイの調べていた辺りにある文字の書かれた岩や床にある円形の文字盤を詳しく調べ始めた。

調べ始めて小一時間…

『なるほどそういうことですか、少し力を使いますかね』

「どうですか?クレイルさん」

「岩に書かれた文字にはこう書かれてました」

「……神が眠ると…天に舞う白銀…光が我に出会う時…眠…天使の施しにて天へと登る加護を得る…し それと共に…印され……目覚め……」

「後の文字や他の岩に書かれた文字は浸食が激しく読めませんでした」

「意味の方はどうなんっすか」

「意味は太陽が沈む夜、月の光がその円形の文字盤に降り注ぐと天井の穴への道が現れるってことでしょうね」

「おにいちゃん、すごぉ~い」

「それほどでもないさ」

『気になるのは後半の浸食部分、目覚めって所か』

「月の光が鍵なら夜になるのを待とう」

フェイ達、五人は地底湖の辺で少し休むことにしました。

~白き霧かかる森~

フェイ達がクラビ洞窟にいる頃、レイナは森の中に居た。

「フェイ達の場所にはまだ着かないんですか?」

「もう少しで着きますよ」

レイナと声の主は霧がかる森深くへと足を踏み入れる…。

クラビ洞窟~水面輝く地底湖~

地底湖の水面に月の光が差し込み始め、フェイ達は文字盤の近くに居た。

「クレイルさんは何処へ行ったんだろう?」

「ちょっと失礼って言って何処かへ行っちゃったっすからね」

その頃、クレイルは一人、皆と離れた場所に立っていた。

「さて始めますか」

クレイルが呪文らしき言の葉を詠唱を始めると光り輝く水面から無数の霧状の水滴が光の中を舞い上がった。

「ねぇあれ見てぇ」

「チィチィ~」

そして、天井の中央にある円形な穴に水滴が集まり、平らな膜が出来上がった。すると光が徐々に移動し文字盤へと重なり、文字盤が輝き膜が消えた。

「いよいよみたいだね」

地底湖は水が抜ける音と共に水位が下がり始めた。

「どうやら作動したみたいですね」

「何処へ行ってたんっすか?」

水が抜け切ると底には亀裂の入った水晶に閉じ込められた龍の骨が横たわっていた。

「これは!」

突然、水晶の亀裂が入る。

「嫌な予感がしますね…」

水晶の亀裂が広がり砕けた…。

破片は宙を舞い龍の骨があらわになった。そして、砕けた水晶は穴から射し込み、月の光の元に集まり螺旋階段になり上へと繋がった。
「グゥオォォォ…」

「またこの声か」

「何処からっすか」

「どうやらあれのようだ」

骨が怪しい光を放ち出し、地底湖内部が振動し徐々に落盤が起こり始めた。

「きゃっ」

「なんかやばいっすよ!」

「このままでは生き埋めです」

「早く中央の階段に向かいましょう」

フェイ達は急いで地底湖中央にある水晶の階段へと向かい走り出した。

地底湖中央の階段の元へ辿り着くと怪しい光を放っていた龍の骨が動き始めた。

「グゥオォォォ」

「クドルさんとフィーちゃんは早く登って下さい」

「おめぇ達は!」

「後から行くのでいいから早く先に行って下さい」

「フェイお兄ちゃん、必ず後からくるよね」

「もちろんだよ!さあ行って下さい」

フェイは笑顔で言った。

「すまねぇおめぇ達」

クドルとフィーは急いで階段を登り始めた。

『どうやら浸食で読めなかった部分はコイツことを示していたようですね』

龍の骨は徐々に筋肉や皮膚などが出来ていき姿は骨の姿から深い蒼の鱗を持った龍の姿へと変化した。

「グゥオォォォ…ダレダ…ワタシノ…フウインヲ」

龍はそう言いながらフェイ達を睨み付けた。
フェイ達を睨むその目は水のように透き通り、奥は深い闇に満ちていた。

「ニンゲン…ニンゲン… コノワタシヲ…コノワタシヲ…フウジタ…グゥオォォォ…」

龍は鋭い爪をフェイ達に振り下ろした。

「くっ!なんて力なんだ」

フェイは振り下ろされた爪を辛うじて剣で受け止めた。

「フェイ!!」

リーシュはボウガンで龍の腕を撃ったが硬い鱗に阻まれ、矢は弾かれる。
今度はクレイルが色の薄い腹部の鱗に剣で切りかかったが同じく弾かれた。

「腹部ならいける思ったんですがまったく刃が立ちませんね」

「なんて硬い体っす」

フェイは剣で受け止めていた龍の爪を受け流すと受け流した龍の爪は地面へと突き刺さった。

「どうすれば…」

「フェイ、我とオーブの力を使うんじゃ」

「そうか!炎斬か!」

フェイは剣に心を集中した、すると剣は徐々に朱く染まった。

「よし!リーシュとクレイルさんは敵の気をそらして下さい」

二人は龍の気を惹き付ける為にリーシュはボウガンでクレイルは剣で龍に攻撃し始めた。

「炎斬!」

フェイは再び心を集中して縦に剣を振り下ろし、剣から龍へと向かって朱い刃を放った。
朱い刃は龍の首元へと直撃したが刃は振動し、天井へと跳ね返り、天井の一部が崩れ落ち穴があいた。

「炎斬も効かないなんて!」

「ニンゲンゴトキガ…コザカシイ…」

龍が口を開くと光の粒子が口元へと集まり、紫色の球体が出来上がった。
そして、球体から雷撃が出て壁や地面を掘削し、リーシュとクレイルを吹き飛ばしてフェイへと襲いかかる。

「うわぁぁぁ…」

雷撃はフェイに直撃した。

「うぅぅ…身体が痺れて…リーシュとクレイルさんは……」

フェイは痺れる身体で起きながら降り注ぐ落盤の中、二人を探した。

二人は瓦礫の上に倒れている。

「チクショウ…このままじゃ…みんな…」

「諦めるな!諦めなければ活路は開ける」

「でも、あの硬い鱗じゃ…物理攻撃が全く効かない…」

「情けないのレイナという娘が帰りを待っておるのじゃろ」

『…そうだ…レイナが待っている!』

「俺はここで倒れるわけにはいかないんだ!」

その時、フェイの中で鼓動が鳴り響き、オーブと剣が強く朱い光り輝き辺りを包み込んでいく。

「いててて…さっきのは効きましたね。んっこの光はまさか…」

「コノヒカリハ…ナンダ…ナニモミエナイ…」

光の中でフェイは高速で龍に近付き、何度も切り抜いた。そして、光は収縮し輝きが収まるとフェイは力が抜けるように倒れた。

「ナニガ…オ……キ………タ…」

フェイの切り抜いた箇所に炎が走り、全身に炎が広がり燃え上がった。
炎の中で鱗が剥がれキラキラと舞い上がっていく。

「ありがとう」

炎の中から声が聞こえてきた。

「この感じはもしや精霊ですか?」

クレイルは炎の中へと声を掛ける。

「はい、闇に囚われあのような姿に」

「そうなのですか。話の途中で申し訳ありませんがここはもう持ちません」

天井に亀裂が走り崩れ落ち、落石により水晶の階段も崩壊した。

「これでは脱出もできない」

「私が力をお貸ししましょう」

光が三人を個々に包み、体が浮かび上がり崩落の中を擦り抜けるように、天井の空いた隙間から外へと抜け出した。



イフェリアの森~深き霧眠れる森~

三人は精霊の力で空に浮いている。
眼下には陥没した大地があり、朝霧包まれた森が見える。

「陥没した大地の淵に私たちを降ろしてもらえますか?」

「分かりました」

三人を陥没した大地の淵に降すと精霊は力を解いた。そして、精霊は蛍火のようになった。
クレイルは気を失っているフェイとリーシュを木にもたれかけ、精霊にお礼を言った。

「ありがとうございます」

「いえ、それを言うのは私達の方です」

「どうして闇に囚われて」

「それは人の負の影響を受けた精霊が水晶に封じられた龍の骨へと集まり、時を経て闇に侵食され囚われてしまったためです」

『やはり精霊は人の心の影響を受けやすいようですね。光であろうと闇であろうと…』

「貴方はなぜあの時、私の力を?貴方の力なら軽く抜け出せたはず」

「気付きましたか、実は封じられて制限がされているんですよ」

「そうなのですか」

陥没した大地から闇に囚われていた精霊達が開放され無数の蛍火のように空へと舞い上がる。

「私もこれで」

助けてもらった精霊もその中へと入って行った。

そこへフィーとクドルが現れた。

「うわぁ~綺麗」

「大丈夫だったか?」

「えぇ、まぁリーシュくんの方は気絶して眠っているだけですから。もうそろそろ目覚めるでしょう」

「んっ!いってぇ~」

リーシュは痛みで跳び起きた。

「思いっきり飛ばされましたからね」

「うぅ…クレイルさん…ここは?」

「さぁ 何処でしょうかねぇ~」

クレイルは微笑みながら言った。

「えぇぇ~あっいててて…」

「はいは~い、ここが何処だか解るよ~ここはねぇ~カシュア村の東にあるイフェリアの森だよ」

「ここがイフェリアの…」

「この霧が証拠だてイフェリアの森ってのは決して晴れない深い霧に覆われておるでよ」

「霧が晴れないんじゃどうやって抜けるんっすか」

「大丈夫、ここは霧が浅いからまだ入り口付近だろうで」

「ヂィーー!」

「どうしたの?ココ」

「どうやら早く脱出した方が良さそうですよ」

木の枝が折れる音がした。

「なん音っすか?」

全員、音がした方向を見た。そこには銀色の毛に覆われ、額に角が生えた狼のようなモンスターがいた。

「ガルム!」

「厄介な奴に見つかりましたね、奴らは群れで行動し脚が速く凶暴かつ残忍。そして、人を補食することもあります。ということで消しますか」

「こわっ!さらっと言うっすね」

「ちょっと待って!」

「フィーちゃん!?」

「怪我をしてるぅ」

フィーはそういうとガルムに近づいて行った。

「フィーちゃん危ないっすよ!」

「グルルゥルゥ……」

ガルムは歯を剥き出し唸り、フィーを威嚇している。

「だいじょぶだよ、そんな怖がらなくてもいいんだよ」

フィーはガルムに向かって手を伸ばすとガルムは匂いを嗅ぐ仕草をした。するとガルムは大人しくなり、フィーは怪我をしている脚に持っていたリボンを巻き付けた。

「これでよし」

ガルムは頭をフィーに擦り寄った。

「どこが凶暴なんっすか」

「そのはずなのですが…」

「フィーはものごころ付く頃から不思議とモンスターに好かれてるでよ」

「だからといって全てのモンスターがそうとは限りません。ここは早く森を出ましょう。レイナさんの事もありますし」

「でもこの霧でどう出るっすか?」

「この子に案内して貰おうよぉ~」

「だいじょぶなんっすか」

「聞いてみるぅ」

『聞いてみるって!?』

「ここの森から出たいんだけど外まで案内してくれないかなぁ~?」

フィーの言葉にこっちと言わんばかりに服を数回引っ張った。

「案内してくれるみたい~」

「では、ついていってみますか」

クレイルは気を失っているフェイを担いだ。

「そうっすね」

四人はガルムの後をついて霧の中を歩き始めた。

~白き霧かかる森~

レイナは霧に覆われた森を歩いていた。

「霧が深くなるばかりで何時になったらフェイ達の元へ」

「もう着きますよ」

声の主はそういいながらレイナの口を布で塞いだ。

「なっ!にを…す……」

いきなり口を塞がれ、レイナは抵抗したがもがくうちに意識が遠くなり気絶した。

「後はあいつらが…」

声の主はレイナを抱え、深い霧の中へと消えていった……。
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