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4 従者アレクシの苦悩
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私の父は家令としてこの公爵家に仕え、領地の屋敷とその領内を管理している。いや、正確にはしていただ。
公爵令嬢、しいては公爵の母としてこの家に生きこの家で亡くなられた奥様カルロッタ様の葬儀の後、長年の大きな心の重しが無くなり気が抜けたのか父はあっさりと逝ってしまった。
だが健康だったとはいえかなりの高齢だったのだ。むしろよくこれまでやれていたと感心する。
問題はこれからの事だ。
私はユーリウス様の従者として彼が幼い時から仕えてきたが、家令としての教育は受けていない。何故なら、私は父の実子ではなく養子だからだ。
王都の下町で拾われたみすぼらしい孤児、それが私だ。
養父は不遇なユーリウス様の誕生に合わせ、彼を守るため命さえ捨てられる従僕であれと私に徹底した教育を施した。そして彼が7歳になり乳母の手を離れると、彼の行く末を案じ私を御付きにしたのだ。
私はユーリウス様をお守りする事だけを考えて生きてきたし、それ以外考えなくとも良いと言われても来た。
私にとって最も優先されるべきこと、それは常にユーリウス様を守る事なのだ。
領地の屋敷にはやはり高齢とはいえ執事のオスモもいるし大公様もご助力下さるだろう。王都邸に巣食う悪鬼共は近寄れないはずだ。
そのために大公様は多少の散財には目を瞑っているのだ。満足しているうちは大人しくしているだろうと。
無事成人するまで私がなんとかしなければ…なのに現実はどうだ。
カルロッタ様は徹底してユーリウス様を意識下に入れなかった。
ユーリウス様の誕生を機に夫は本性を露わにした。
それは公爵位が手に入らなかったことの結果であるのだが、カルロッタ様の怨嗟はその赤子へと向かったのだ。
正式な公爵に無体な真似こそされなかったが、存在を無いように振舞う…それは無体な真似とは言えないだろうか。
そしてあのマァの村での決定的な出来事。
朝から母の後を追い、いつものように無視をされ、泣きながら屋敷から駆け出して行った。
探しても探しても見つからず途方に暮れ憲兵に連絡しようかと思った頃、自らお戻りになり、心配していた私に少し上気した顔で嬉しそうに言ったのだ。
「友達と遊んでいた」
そしてそれを報告するのだと夫人の私室へ向かったのだ…。
何故あの時止めなかったのか…。返事が返らないことは分かっていたのに。だがまさか、あんなことになっているとは…。
横たわる夫人以上に顔色をなくしたユーリウス様。泣きも叫びもせず…。それこそが彼の絶望を物語っていたようだ。
カルロッタ様の葬儀、養父の葬儀と続いた、領地でのあの数日間は悲惨だった。
涙さえ流さない彼が真夜中になると思い出したように半狂乱になるのだ。
カルロッタ様の愛した薔薇園を見渡せる大きな窓の裏庭に面したサロン。調度品に傷をつけカーテンを引き裂き、
そして自慢の庭は彼の毒素により全て枯らされた…。
実父であるマテアス様は領地での葬儀には呼ばれなかった。あの男はリッターホルムへは立ち入り禁止となっているのだ。
王都で行われた大公を交えた父親との会談の場、ユーリウス様はあの男の酷い言い草に一度も涙を流さなかった。それどころか領地のサロンで暴れて以来、彼は言葉を発していないのだ。
食事も最低限しかとることは出来ず、すっかりその身体は瘦せてしまった。
感情を失ったその瞳は色を失ったまま何も映すことは無い。まるでただ息をするだけの人形のようだ。
これからどうすれば…
己の無力さに打ちひしがれながら領地邸に戻る。そこに思ってもみない奇跡があるとも知らずに。
「おかえりなさいませユーリウス様。アレクシ、何も問題はないか」
「ええオスモ。何も問題はありません、大公様がすべて取り計らって下さいました。何も問題など…ユーリウス様のご様子以外…。」
「ああ…こればかりはどうにもならない。ユーリウス様はカルロッタ様に似てお心が脆いのだ…。そう言えば…」
執事のオスモがなにやら箱を運ばせる。片手で持てる程度の、だが背負って運びやすいよう紐が付けられている。
その箱を見てもユーリウス様の瞳に変化はない。なんの感情の色も垣間見えない。
「ユーリウス様、これはアッシュという子供が持ってきたのです。貴方との約束だとそう言って。お分かりになりますか?栗毛の子供です。存じないと言うことならばこれは処分を…」
だがその箱の中にある赤いトマトを見た途端、瞳にほんのわずかだが小さな光が灯ったのだ。
小さな小さなほんのわずかな淡い光。ユーリウス様は箱に括りつけられた長い筒を手に取り小さくつぶやいた…
「アッシュ……」
ご不幸以来、久しぶりに聞く叫び声以外の彼の声。
あの時ユーリウス様は何と言ったのだったか。友達と遊んだと言ったのだ。アッシュ…それがその友達なのか?名前を呼んだ、瞳に感情が宿ったのだ!これは好機なのではないか。その彼はどこに居るんだ…。
「あと半日早ければ…。彼は今朝これを持ってきたのです。」
「オスモ!彼はいつ帰ると?乗合馬車なら早馬を飛ばせば間に合うかもしれない!」
「し、しかし彼は翼竜の空輸便で帰ると…」
私はユーリウス様の手を取り馬車へと戻った。
「翼竜の停泊所だ!急げ!陽の落ちる前が最終の便だ!」
少しばかり上乗せをして飛ばしてもらうか。いや、それか2騎立て飛べば追いつけないか。隣に座るユーリウス様はその筒を握りしめている。まるでそれがこの世に彼を結びつける最後の糸であるかのように。
「着きました!ユーリウス様、お早く!」
公爵の手を掴んで走らせるなど無茶苦茶やってる事は分かっている。だけど今は必要なのだ、この無茶こそが!
「どうされました?無理に走らせたりしたから息があがりましたか?」
ユーリウス様がいきなり立ち止まる。そ目の前には、旅客のかごにもたれかかって一心不乱に何かを書き留めている小さな少年の姿があった…。
公爵令嬢、しいては公爵の母としてこの家に生きこの家で亡くなられた奥様カルロッタ様の葬儀の後、長年の大きな心の重しが無くなり気が抜けたのか父はあっさりと逝ってしまった。
だが健康だったとはいえかなりの高齢だったのだ。むしろよくこれまでやれていたと感心する。
問題はこれからの事だ。
私はユーリウス様の従者として彼が幼い時から仕えてきたが、家令としての教育は受けていない。何故なら、私は父の実子ではなく養子だからだ。
王都の下町で拾われたみすぼらしい孤児、それが私だ。
養父は不遇なユーリウス様の誕生に合わせ、彼を守るため命さえ捨てられる従僕であれと私に徹底した教育を施した。そして彼が7歳になり乳母の手を離れると、彼の行く末を案じ私を御付きにしたのだ。
私はユーリウス様をお守りする事だけを考えて生きてきたし、それ以外考えなくとも良いと言われても来た。
私にとって最も優先されるべきこと、それは常にユーリウス様を守る事なのだ。
領地の屋敷にはやはり高齢とはいえ執事のオスモもいるし大公様もご助力下さるだろう。王都邸に巣食う悪鬼共は近寄れないはずだ。
そのために大公様は多少の散財には目を瞑っているのだ。満足しているうちは大人しくしているだろうと。
無事成人するまで私がなんとかしなければ…なのに現実はどうだ。
カルロッタ様は徹底してユーリウス様を意識下に入れなかった。
ユーリウス様の誕生を機に夫は本性を露わにした。
それは公爵位が手に入らなかったことの結果であるのだが、カルロッタ様の怨嗟はその赤子へと向かったのだ。
正式な公爵に無体な真似こそされなかったが、存在を無いように振舞う…それは無体な真似とは言えないだろうか。
そしてあのマァの村での決定的な出来事。
朝から母の後を追い、いつものように無視をされ、泣きながら屋敷から駆け出して行った。
探しても探しても見つからず途方に暮れ憲兵に連絡しようかと思った頃、自らお戻りになり、心配していた私に少し上気した顔で嬉しそうに言ったのだ。
「友達と遊んでいた」
そしてそれを報告するのだと夫人の私室へ向かったのだ…。
何故あの時止めなかったのか…。返事が返らないことは分かっていたのに。だがまさか、あんなことになっているとは…。
横たわる夫人以上に顔色をなくしたユーリウス様。泣きも叫びもせず…。それこそが彼の絶望を物語っていたようだ。
カルロッタ様の葬儀、養父の葬儀と続いた、領地でのあの数日間は悲惨だった。
涙さえ流さない彼が真夜中になると思い出したように半狂乱になるのだ。
カルロッタ様の愛した薔薇園を見渡せる大きな窓の裏庭に面したサロン。調度品に傷をつけカーテンを引き裂き、
そして自慢の庭は彼の毒素により全て枯らされた…。
実父であるマテアス様は領地での葬儀には呼ばれなかった。あの男はリッターホルムへは立ち入り禁止となっているのだ。
王都で行われた大公を交えた父親との会談の場、ユーリウス様はあの男の酷い言い草に一度も涙を流さなかった。それどころか領地のサロンで暴れて以来、彼は言葉を発していないのだ。
食事も最低限しかとることは出来ず、すっかりその身体は瘦せてしまった。
感情を失ったその瞳は色を失ったまま何も映すことは無い。まるでただ息をするだけの人形のようだ。
これからどうすれば…
己の無力さに打ちひしがれながら領地邸に戻る。そこに思ってもみない奇跡があるとも知らずに。
「おかえりなさいませユーリウス様。アレクシ、何も問題はないか」
「ええオスモ。何も問題はありません、大公様がすべて取り計らって下さいました。何も問題など…ユーリウス様のご様子以外…。」
「ああ…こればかりはどうにもならない。ユーリウス様はカルロッタ様に似てお心が脆いのだ…。そう言えば…」
執事のオスモがなにやら箱を運ばせる。片手で持てる程度の、だが背負って運びやすいよう紐が付けられている。
その箱を見てもユーリウス様の瞳に変化はない。なんの感情の色も垣間見えない。
「ユーリウス様、これはアッシュという子供が持ってきたのです。貴方との約束だとそう言って。お分かりになりますか?栗毛の子供です。存じないと言うことならばこれは処分を…」
だがその箱の中にある赤いトマトを見た途端、瞳にほんのわずかだが小さな光が灯ったのだ。
小さな小さなほんのわずかな淡い光。ユーリウス様は箱に括りつけられた長い筒を手に取り小さくつぶやいた…
「アッシュ……」
ご不幸以来、久しぶりに聞く叫び声以外の彼の声。
あの時ユーリウス様は何と言ったのだったか。友達と遊んだと言ったのだ。アッシュ…それがその友達なのか?名前を呼んだ、瞳に感情が宿ったのだ!これは好機なのではないか。その彼はどこに居るんだ…。
「あと半日早ければ…。彼は今朝これを持ってきたのです。」
「オスモ!彼はいつ帰ると?乗合馬車なら早馬を飛ばせば間に合うかもしれない!」
「し、しかし彼は翼竜の空輸便で帰ると…」
私はユーリウス様の手を取り馬車へと戻った。
「翼竜の停泊所だ!急げ!陽の落ちる前が最終の便だ!」
少しばかり上乗せをして飛ばしてもらうか。いや、それか2騎立て飛べば追いつけないか。隣に座るユーリウス様はその筒を握りしめている。まるでそれがこの世に彼を結びつける最後の糸であるかのように。
「着きました!ユーリウス様、お早く!」
公爵の手を掴んで走らせるなど無茶苦茶やってる事は分かっている。だけど今は必要なのだ、この無茶こそが!
「どうされました?無理に走らせたりしたから息があがりましたか?」
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