161 / 277
連載
180 彼と交わした聖約
しおりを挟む
あれから散々どうするべきか考えた。そして思い出せる限りの役立ちそうな描写を書き出していく。有効かそうじゃないかは後で考えれば良い。
WEB小説には時々差し込まれる補足的なストーリーがいくつかある。
アデリーナに教えた地滑りのネタもその一つだ。
〝南の地で起きた暴風雨という自然の驚異はいくつかの領地を壊滅させた。
その中でも最も悲惨なのは南東の端にあるもっとも小さな伯爵領。
その景観を風光明媚と大層気にいった何代目かの領主は山の麓に屋敷をかまえ、秋には狩猟を楽しんだ。
だが大雨による地滑りは土石流となって領主の屋敷をなぎ倒した。そしてその土砂に埋もれるように、当主と嫡男が抱き合ったままの姿で発見されたと言う…”
無慈悲にもそんな描写があったのだ。
南東の端の一番小さな伯爵領。そんなのペルクリット伯領しかない。
何故なら大公が以前言っていたからだ。前ペルクリット伯は財政難でなんども領地を切り売りし今では男爵領よりも小さな領だって。
うっすらと聞こえてきた噂では、思った通り、やっぱりペルクリット領で土砂災害があったらしい。
間接的に領民の助けになったのならいいんだけど…どうだろうか…。
そして書き出したいくつかのエピソード。
ひとつは勇者の仲間ハーフリングがが何度も使っていた王城までをショートカットするための小さな抜け道。
その抜け道とは王都中から王城までもをつなぐ…いわゆる下水道だ。
何度も言うが、水回りだけは現代風で本当に助かった…。
大人には通るのがけっこう困難な臭くて暗くて狭い道。僕は大人で人間だけど…、走れるかもしれない…不本意ながら…。
それからあれだ。勇者が持ってた勝利の剣。
ケネスは言った。旅に出る勇者には王家の宝物庫から剣を渡したと。
「呆れるほどなまくらな剣を持っていたからな。あれではネズミも切れぬ」
プータローは現代っ子のチャラ男だからネズミも切らないと思うけどね。
とにかく、プータローが持ってないならあの剣はまだあそこにあるはずだ。
そしてその場所は…、当然僕には分かっている。
そして最大の可能性として…、貴族学院の教授の部屋ですり替えた勇者の書。
あれはエスターのスキルで表紙を変えて今もこの屋敷の書庫内に眠っている。
反転スキルを伝えるための勇者の書。別名、夏休みの観察日誌。
反転、転送、転移、共通項は転!ワンチャンあるか?
「アレクシさんにはこの本を託す。なんとかしてものにして。」
「アッシュそれは…」
「アッシュくん、これは一体…」
「これはね、全ての術を無効にする反転スキルを会得するための本だよ。僕の考えが正しければ、アデリーナを倒す鍵はこのスキルだ」
「アッシュ、ならば何故君がそれを会得しない。アデリーナが敵と見なしているのは君ではないか」
「ダメなんだ。これは本来勇者にしか発現しないスキルで…、僕も全部読んでみたけどダメだった」
「だからって何故私が?」
「家令の言葉を忘れたの?アレクシさんこそが切り札だ!切り札に切り札を重ねたら…、スッゴい切り札になると思わない?」
その事はユーリやみんなの慰めになったみたいだ。
ただ一人、今この微妙な雰囲気の公爵邸にあって唯一冷静なエスターを除いて…。
「君は時々頭のネジが緩むよね。転、ね…。僕はむしろ……、だがいいさ。僕は君にある種の確信を抱いているんだ。君を信じるよ。たとえ何があろうともね」
「確信…?なんの確信だって?でもまぁいいや。信じてくれるならそれでいい。それにもう一つ手札がある。」
「手札だって?」
「今回の件でアデリーナがアルパ君を大事に思ってる事だけはハッキリした。付け込むならそこだ。それからこれ。」
「それはなんだい?」
「採れたてフレッシュなユーリの毒だよ。」
「わぁ~、ホントにフレッシュ~」
「ナッツ、君ね…。こんな時に不謹慎だよ!」
「まぁまぁノールさん、それよりエスター見てよ、大分薄まってると思わない?#33333が#55555になってきた。もう黒とは言えないよね」
「確かに…これは黒ではなく灰色だ。効果も薄まっているのかい?」
「ノールさんいわく瞬殺では無くなってるって…」
「今まで瞬殺だったのか…、とんでもない代物だな」
「だからね、もし奪えなくても隙を見て毒だけは取り換える。持ち歩いてはいない、どこかで保管してるはず。ユーリの毒はあの白銀の小瓶でしか耐えられないしあの瓶の蓋はそれほど頑丈じゃない。最悪それだけは絶対成功させる。アデリーナが僕を殺すつもりなら必ずユーリの毒を使う。ならこの灰色の毒で致命傷さえ回避出来れば…」
「アッシュ!」
「ユーリ、僕には黄金のリンゴがある」
この言葉は揺れるユーリの背中を押した。ようやくユーリは僕の王都行を不承不承うなずいたのだ。
ユーリ…、あのリンゴはね、苦痛を取り除くだけなんだよ……
約束よりも2週ほど遅れてアデリーナの使いは僕を迎えにやってきた。明日の昼まで、それが僕に残されたリミットだ。
コンコン
「アッシュ様、ユーリウス様と共に教会へ参りますのでご用意ください。」
「え?教会?ヴェストさんそれって…」
「お早く」
「ああ、ハイハイ」
馬車にはすでにきょとんとしたユーリが乗り込んでいた。え?何その顔?かっ!可愛い!
夫夫となった今でもこうして日々新しい発見がある。これをリアルタイムで拝めないのは本当に辛い…
「アッシュ、私はまだ全てに納得したわけじゃない。だが大叔父は…」
「分かってる。ユーリの大切な肉親だもんね」
「私は君の言葉に甘えたんだ。賢者であろうがなかろうが君には強い力を感じる、それに…」
「それに?」
「絶対無事に帰って来るといった、約束すると。君は私との約束は絶対に破らない」
そうか…、ユーリが僕の予想に反して思ったよりも冷静だったのは僕への信頼あってこそか…
なら絶対元気に帰って来なくっちゃね!
そんな神妙な僕たちを乗せて、馬車は共同区横の教会へと到着した。
「教会に来たけど…、ユーリも聞いてないの?」
「さあ、なんだろうね。だがヴェストがすることは常に私の最善だ。そうだろう?」
ユーリの言う通りだ。ユーリに関する事で言ったら、ヴェストさん程信じられる人物はいない。
「お二人には今からここで聖約の誓いをしていただきます」
「聖約の誓い?」
「ヴェスト、私たちは誓いなら既に…」
「聖なるスキルは教区外の者に対して十全では無いのです。スヴェン兄さんは神の思し召しによりこのリッターホルムの司祭となりました。そしてこの1か月禊をして聖のスキルを最大まで高めておいでです。もう一度重ねておかれるのが最善です」
「それは分かったけど何で…?」
「聖約とは互いを決して離れ離れにはしない、死んでも離れることを許さない究極の誓いです。」
「つまりどっちかが死んだらもう一人も死ぬ…一蓮托生の誓いってことでしょ」
「そうです。ですがユーリウス様には呪いを子孫に受け継がせるための呪いがあります。」
「そうか!子を生していない私は肉体の終わりまで簡単に死ぬことは無い。つまり聖約を交わしているアッシュも簡単には死なないと言うことだな!」
「その通りです」
「アッシュ…」
「ユーリ…」
そして交わされる厳かな誓い。今度ばかりはさすがの僕も居眠りなんかしなかった。
あの時は(寝てて)分からなかった…。このスキルはどこまでも清浄でどこまでも荘厳で…そしてどこまでも優しい…。
大神殿は南の賢者、クルポックルを始祖とする神殿。
それならこの教えはクルポックルの想いから出来ているんだな…。
「ヴェストさんありがとう。このひと月で一番勇気付けられた!ああ…ホッとした。ユーリ大好きっ!」
「…だが何を保証するものでも無いのだ。私はアデリーナと違い人より長命なだけで不死ではない。この呪いと聖約がどれほど君を護れるか…、無理はしないで欲しい。」
優しく僕を抱きしめるユーリ。ほんとは怖がってたのバレちゃったかな…。でも保証なんか無くったって良いんだ。こうして生存確率が上がるだけでも。それに…
ユーリが小説のユーリと違っている。その事実がなによりの切り札なんだよ!
WEB小説には時々差し込まれる補足的なストーリーがいくつかある。
アデリーナに教えた地滑りのネタもその一つだ。
〝南の地で起きた暴風雨という自然の驚異はいくつかの領地を壊滅させた。
その中でも最も悲惨なのは南東の端にあるもっとも小さな伯爵領。
その景観を風光明媚と大層気にいった何代目かの領主は山の麓に屋敷をかまえ、秋には狩猟を楽しんだ。
だが大雨による地滑りは土石流となって領主の屋敷をなぎ倒した。そしてその土砂に埋もれるように、当主と嫡男が抱き合ったままの姿で発見されたと言う…”
無慈悲にもそんな描写があったのだ。
南東の端の一番小さな伯爵領。そんなのペルクリット伯領しかない。
何故なら大公が以前言っていたからだ。前ペルクリット伯は財政難でなんども領地を切り売りし今では男爵領よりも小さな領だって。
うっすらと聞こえてきた噂では、思った通り、やっぱりペルクリット領で土砂災害があったらしい。
間接的に領民の助けになったのならいいんだけど…どうだろうか…。
そして書き出したいくつかのエピソード。
ひとつは勇者の仲間ハーフリングがが何度も使っていた王城までをショートカットするための小さな抜け道。
その抜け道とは王都中から王城までもをつなぐ…いわゆる下水道だ。
何度も言うが、水回りだけは現代風で本当に助かった…。
大人には通るのがけっこう困難な臭くて暗くて狭い道。僕は大人で人間だけど…、走れるかもしれない…不本意ながら…。
それからあれだ。勇者が持ってた勝利の剣。
ケネスは言った。旅に出る勇者には王家の宝物庫から剣を渡したと。
「呆れるほどなまくらな剣を持っていたからな。あれではネズミも切れぬ」
プータローは現代っ子のチャラ男だからネズミも切らないと思うけどね。
とにかく、プータローが持ってないならあの剣はまだあそこにあるはずだ。
そしてその場所は…、当然僕には分かっている。
そして最大の可能性として…、貴族学院の教授の部屋ですり替えた勇者の書。
あれはエスターのスキルで表紙を変えて今もこの屋敷の書庫内に眠っている。
反転スキルを伝えるための勇者の書。別名、夏休みの観察日誌。
反転、転送、転移、共通項は転!ワンチャンあるか?
「アレクシさんにはこの本を託す。なんとかしてものにして。」
「アッシュそれは…」
「アッシュくん、これは一体…」
「これはね、全ての術を無効にする反転スキルを会得するための本だよ。僕の考えが正しければ、アデリーナを倒す鍵はこのスキルだ」
「アッシュ、ならば何故君がそれを会得しない。アデリーナが敵と見なしているのは君ではないか」
「ダメなんだ。これは本来勇者にしか発現しないスキルで…、僕も全部読んでみたけどダメだった」
「だからって何故私が?」
「家令の言葉を忘れたの?アレクシさんこそが切り札だ!切り札に切り札を重ねたら…、スッゴい切り札になると思わない?」
その事はユーリやみんなの慰めになったみたいだ。
ただ一人、今この微妙な雰囲気の公爵邸にあって唯一冷静なエスターを除いて…。
「君は時々頭のネジが緩むよね。転、ね…。僕はむしろ……、だがいいさ。僕は君にある種の確信を抱いているんだ。君を信じるよ。たとえ何があろうともね」
「確信…?なんの確信だって?でもまぁいいや。信じてくれるならそれでいい。それにもう一つ手札がある。」
「手札だって?」
「今回の件でアデリーナがアルパ君を大事に思ってる事だけはハッキリした。付け込むならそこだ。それからこれ。」
「それはなんだい?」
「採れたてフレッシュなユーリの毒だよ。」
「わぁ~、ホントにフレッシュ~」
「ナッツ、君ね…。こんな時に不謹慎だよ!」
「まぁまぁノールさん、それよりエスター見てよ、大分薄まってると思わない?#33333が#55555になってきた。もう黒とは言えないよね」
「確かに…これは黒ではなく灰色だ。効果も薄まっているのかい?」
「ノールさんいわく瞬殺では無くなってるって…」
「今まで瞬殺だったのか…、とんでもない代物だな」
「だからね、もし奪えなくても隙を見て毒だけは取り換える。持ち歩いてはいない、どこかで保管してるはず。ユーリの毒はあの白銀の小瓶でしか耐えられないしあの瓶の蓋はそれほど頑丈じゃない。最悪それだけは絶対成功させる。アデリーナが僕を殺すつもりなら必ずユーリの毒を使う。ならこの灰色の毒で致命傷さえ回避出来れば…」
「アッシュ!」
「ユーリ、僕には黄金のリンゴがある」
この言葉は揺れるユーリの背中を押した。ようやくユーリは僕の王都行を不承不承うなずいたのだ。
ユーリ…、あのリンゴはね、苦痛を取り除くだけなんだよ……
約束よりも2週ほど遅れてアデリーナの使いは僕を迎えにやってきた。明日の昼まで、それが僕に残されたリミットだ。
コンコン
「アッシュ様、ユーリウス様と共に教会へ参りますのでご用意ください。」
「え?教会?ヴェストさんそれって…」
「お早く」
「ああ、ハイハイ」
馬車にはすでにきょとんとしたユーリが乗り込んでいた。え?何その顔?かっ!可愛い!
夫夫となった今でもこうして日々新しい発見がある。これをリアルタイムで拝めないのは本当に辛い…
「アッシュ、私はまだ全てに納得したわけじゃない。だが大叔父は…」
「分かってる。ユーリの大切な肉親だもんね」
「私は君の言葉に甘えたんだ。賢者であろうがなかろうが君には強い力を感じる、それに…」
「それに?」
「絶対無事に帰って来るといった、約束すると。君は私との約束は絶対に破らない」
そうか…、ユーリが僕の予想に反して思ったよりも冷静だったのは僕への信頼あってこそか…
なら絶対元気に帰って来なくっちゃね!
そんな神妙な僕たちを乗せて、馬車は共同区横の教会へと到着した。
「教会に来たけど…、ユーリも聞いてないの?」
「さあ、なんだろうね。だがヴェストがすることは常に私の最善だ。そうだろう?」
ユーリの言う通りだ。ユーリに関する事で言ったら、ヴェストさん程信じられる人物はいない。
「お二人には今からここで聖約の誓いをしていただきます」
「聖約の誓い?」
「ヴェスト、私たちは誓いなら既に…」
「聖なるスキルは教区外の者に対して十全では無いのです。スヴェン兄さんは神の思し召しによりこのリッターホルムの司祭となりました。そしてこの1か月禊をして聖のスキルを最大まで高めておいでです。もう一度重ねておかれるのが最善です」
「それは分かったけど何で…?」
「聖約とは互いを決して離れ離れにはしない、死んでも離れることを許さない究極の誓いです。」
「つまりどっちかが死んだらもう一人も死ぬ…一蓮托生の誓いってことでしょ」
「そうです。ですがユーリウス様には呪いを子孫に受け継がせるための呪いがあります。」
「そうか!子を生していない私は肉体の終わりまで簡単に死ぬことは無い。つまり聖約を交わしているアッシュも簡単には死なないと言うことだな!」
「その通りです」
「アッシュ…」
「ユーリ…」
そして交わされる厳かな誓い。今度ばかりはさすがの僕も居眠りなんかしなかった。
あの時は(寝てて)分からなかった…。このスキルはどこまでも清浄でどこまでも荘厳で…そしてどこまでも優しい…。
大神殿は南の賢者、クルポックルを始祖とする神殿。
それならこの教えはクルポックルの想いから出来ているんだな…。
「ヴェストさんありがとう。このひと月で一番勇気付けられた!ああ…ホッとした。ユーリ大好きっ!」
「…だが何を保証するものでも無いのだ。私はアデリーナと違い人より長命なだけで不死ではない。この呪いと聖約がどれほど君を護れるか…、無理はしないで欲しい。」
優しく僕を抱きしめるユーリ。ほんとは怖がってたのバレちゃったかな…。でも保証なんか無くったって良いんだ。こうして生存確率が上がるだけでも。それに…
ユーリが小説のユーリと違っている。その事実がなによりの切り札なんだよ!
371
あなたにおすすめの小説
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい
発光食品
BL
『リュミエール王国と光の騎士〜愛と魔法で世界を救え〜』
そんないかにもなタイトルで始まる冒険RPG通称リュミ騎士。結構自由度の高いゲームで種族から、地位、自分の持つ魔法、職業なんかを決め、好きにプレーできるということで人気を誇っていた。そんな中主人公のみに共通して持っている力は光属性。前提として主人公は光属性の力を使い、世界を救わなければいけない。そのエンドコンテンツとして、世界中を旅するも良し、結婚して子供を作ることができる。これまた凄い機能なのだが、この世界は女同士でも男同士でも結婚することが出来る。子供も光属性の加護?とやらで作れるというめちゃくちゃ設定だ。
そんな世界に転生してしまった隼人。もちろん主人公に転生したものと思っていたが、属性は闇。
あれ?おかしいぞ?そう思った隼人だったが、すぐそばにいたこの世界の兄を見て現実を知ってしまう。
「あ、こいつが主人公だ」
超絶美形完璧光属性兄攻め×そんな兄から逃げたい闇属性受けの繰り広げるファンタジーラブストーリー
キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
BL
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。