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188の頃 父からの手紙
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ユーリウスよ息災か。
この手紙は王の勅使により届けさせたゆえ無事に届いている事と思う。が、急場ゆえ手短がよかろう。
まず恥を忍ばねばならんな。私は臓腑の不調も癒え既に執務へと復帰しておる。殿下の見違えるような活躍がなければ私の危機はここまで抑えられなかったであろう。
侮っていたと言うより他は無い。あれほどあれに油断はするなと言われていたというに情けない事だ。
だが王たるもの見苦しい姿は家臣に見せられぬ。身を守るためとはいえ怯えた羊のように群れるわけにはいかぬのだ。そのような王では人を率いる事は出来ぬ、詭弁であるがな。
そのアッシュがリッターホルムを離れてどれほどになるか。だがあれはケリをつけるとそう申したのだな。
ユーリウス、お前がどうであるかは知らぬが私も同意である。この様な因縁をこれ以上持ち越すことは出来ぬ。
アッシュという存在がこの世に居る。ならば今が好機なのであろう。
始まりの一族を基とした12家、王家、そしてお前の抱える呪い、その全ては根源、つまり北の一族、最後の生き残りを失えば終わりを告げよう。
良いかユーリウスよ。躊躇うでない、そして怯えるでない。
私の事は家臣が守ってくれよう。そして王都はこの私が守るとお前に、そしてアッシュに誓う。
こちらの事は構うでない。お前はしっかりとお前の住まう地、リッターホルムを護り抜くのだ。
あれの帰る場所はそこにしか無いのだと言うことをもう一度心に刻んでおくのだ。
ユーリウスよ。お前はもう一人ではない。膝を抱えて竦んではならぬ。
繋いで放さぬと誓ったその手を決して汚してはならぬ。忘れるでない。
お前を見守る者 父ヴェッティ
ノールや、元気に過ごしているだろうか。お前の事だ。カレッジの運営は大変だろうが責任を持って真摯に取り組んでいるのだろう。
なにやら風の噂でアッシュ君は今リッターホルムに不在と聞いたのだが、アッシュ君の居ないリッターホルムで公爵閣下は気を落としていないだろうか。
そうならばお前が代わりにしっかり閣下を支えてやりなさい。
さて、今私は東の端にあるピーターズ子爵家に来ているところだ。
ここにはとても素晴らしい宝があると以前聞いたのでね。見事な宝飾のついた白い剣だそうだ。ぜひ見せて頂こうと、あわよくば売っては頂けないかと手紙を出したところ招待を頂いたのだよ。
ピーターズ子爵も先だっての長雨でかなり困窮していると聞く。わが身の過去を思い出して身につまされる思いだ。
だがこうして美術品を買い付けるまでに暮らしが持ち直せたのも、すべてお前のおかげだ、ノールや、私はいつでも感謝を忘れてはいないよ。
そうそう、これは私用ゆえ商会からは休暇を貰うつもりで居たのだがね、遠出のついでに方々で質のいい美術品を買い付けてこいと会頭に言われたのだよ。ありがたいことだ。のんびり色々な場所を見て回るつもりでいるから王都に戻る前にお前の所にも顔を出すとしよう。
仕事だと言うのでお前の母もロビンも快く送り出してくれた。正々堂々と後ろめたさを感じずに美術品を嗜めるのは実にいいものだね。
独りでリッターホルムを訪れたと知ったらロビンが怒るだろうから、ノールや、ロビンへの土産を見繕っておいてくれるかい。
ひと月は後になるだろうか、お前に会えるのを楽しみにしている。ピーターズ領の土産を楽しみにしていなさい。
お前の未来に幸多からんことを。 父より
この手紙は王の勅使により届けさせたゆえ無事に届いている事と思う。が、急場ゆえ手短がよかろう。
まず恥を忍ばねばならんな。私は臓腑の不調も癒え既に執務へと復帰しておる。殿下の見違えるような活躍がなければ私の危機はここまで抑えられなかったであろう。
侮っていたと言うより他は無い。あれほどあれに油断はするなと言われていたというに情けない事だ。
だが王たるもの見苦しい姿は家臣に見せられぬ。身を守るためとはいえ怯えた羊のように群れるわけにはいかぬのだ。そのような王では人を率いる事は出来ぬ、詭弁であるがな。
そのアッシュがリッターホルムを離れてどれほどになるか。だがあれはケリをつけるとそう申したのだな。
ユーリウス、お前がどうであるかは知らぬが私も同意である。この様な因縁をこれ以上持ち越すことは出来ぬ。
アッシュという存在がこの世に居る。ならば今が好機なのであろう。
始まりの一族を基とした12家、王家、そしてお前の抱える呪い、その全ては根源、つまり北の一族、最後の生き残りを失えば終わりを告げよう。
良いかユーリウスよ。躊躇うでない、そして怯えるでない。
私の事は家臣が守ってくれよう。そして王都はこの私が守るとお前に、そしてアッシュに誓う。
こちらの事は構うでない。お前はしっかりとお前の住まう地、リッターホルムを護り抜くのだ。
あれの帰る場所はそこにしか無いのだと言うことをもう一度心に刻んでおくのだ。
ユーリウスよ。お前はもう一人ではない。膝を抱えて竦んではならぬ。
繋いで放さぬと誓ったその手を決して汚してはならぬ。忘れるでない。
お前を見守る者 父ヴェッティ
ノールや、元気に過ごしているだろうか。お前の事だ。カレッジの運営は大変だろうが責任を持って真摯に取り組んでいるのだろう。
なにやら風の噂でアッシュ君は今リッターホルムに不在と聞いたのだが、アッシュ君の居ないリッターホルムで公爵閣下は気を落としていないだろうか。
そうならばお前が代わりにしっかり閣下を支えてやりなさい。
さて、今私は東の端にあるピーターズ子爵家に来ているところだ。
ここにはとても素晴らしい宝があると以前聞いたのでね。見事な宝飾のついた白い剣だそうだ。ぜひ見せて頂こうと、あわよくば売っては頂けないかと手紙を出したところ招待を頂いたのだよ。
ピーターズ子爵も先だっての長雨でかなり困窮していると聞く。わが身の過去を思い出して身につまされる思いだ。
だがこうして美術品を買い付けるまでに暮らしが持ち直せたのも、すべてお前のおかげだ、ノールや、私はいつでも感謝を忘れてはいないよ。
そうそう、これは私用ゆえ商会からは休暇を貰うつもりで居たのだがね、遠出のついでに方々で質のいい美術品を買い付けてこいと会頭に言われたのだよ。ありがたいことだ。のんびり色々な場所を見て回るつもりでいるから王都に戻る前にお前の所にも顔を出すとしよう。
仕事だと言うのでお前の母もロビンも快く送り出してくれた。正々堂々と後ろめたさを感じずに美術品を嗜めるのは実にいいものだね。
独りでリッターホルムを訪れたと知ったらロビンが怒るだろうから、ノールや、ロビンへの土産を見繕っておいてくれるかい。
ひと月は後になるだろうか、お前に会えるのを楽しみにしている。ピーターズ領の土産を楽しみにしていなさい。
お前の未来に幸多からんことを。 父より
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