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216 彼と文字の魔術師 ②
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「準備が出来ただって、早くしろって言ってるよ。」
「ではどうする?」
「準備が出来た…か。僕の準備も万端だけどね。アデリーナを倒してユーリの呪いを解いて、肝心なその後のイメトレももう出来た」
「その後か…、それなら私も既に準備は出来ている。」
「そうなの?」
「ああ。リッターホルムを出てからの道中その事を考えていた。」
「じゃぁ僕とユーリの熟成期間はもう終わりだ。〝しかれども高慶忽に純熟して”…最終章だ…」ジーン…
「純熟?」
ついにここまで来たんだ…。そう感慨にふける僕に怪訝そうなユーリ。そりゃそうだ。『ぶんがくさん』おすすめの平家物語、その難文は現代人が見たって分からない…。
「十分に事が整い時が充ちる事だよ」
「純熟…、良い言葉だ。純熟…時が満ちる…、時が充ちた…、そうか!」
気に入ったらしいその言葉を何度も舌で転がすユーリ…、そのうち何かに気付いたみたいだ。
独り言みたいに呟いた言葉はユーリの思考を正確に教えてくれる。教えて…おしえ…
「ん!んんう!」
「さあ行こうアッシュ、今なら月の光で私のスキルも充ちている…。ご覧、〝純熟”」
ユーリってば…秒で舌まで…もう…
月の美神と称えられた悲劇の末子、その末裔であるユーリの光は青白く、そしてどこまでも静かに篝火の消えた闇夜を照らしている。なんて幻想的…
そして目の前にはその光景に目を奪われるノールさんとアレクシさん。何故か腕を組んでどや顔のケネスと、したり顔のエスター…、え?エスター!?
「エ、エスター!? 何やってんのここで!どうやって来たの⁉」
「殿下の引率で堂々とさ。いや実に乗り心地の良い馬車でね、銀のカツラが無ければ文句なしだ」
「そりゃ王家の馬車だから、ってそうじゃなくて!」
「アッシュ、土産は彼女を消滅させる方法だ。そんな訳で事前にタピオ君には手紙を出しておいたのさ。魔女を生け捕りにして僕を村に入れてくれってね。」
「流石エスター!サイコーだよ!って言うか兄さんに手紙…!? アレクシさんに次いでいつの間に…。兄さんにモテ期が…、 ま、まぁいいや。で、何が分かったって⁉」
満を持してやってきた真打エスターが言うには、全て揃った寓話の背表紙、そこにはうっすらと何かの文字が読み取れたって…。
「それを読み取るのは苦労したよ。僕の持てるあらゆる修復技術を駆使してようやく明確になったその文字は〝エクストラ”。その彼がどういう気持ちで〝過剰な”と題したのかはしらないが…、誰かさんの過剰な愛情を指したのかもしれない。」
エクストラ…エクストラ…それって…
「だがエクストラにはもう一つの意味がある。それは〝余計な”と言う意味だ。彼にとって長すぎた生は余分だったのかもしれないね」
「や、止めて!そんな事を言うのは止めて頂戴!わたくしたちは愛し合った!彼は後悔などしていないと、そう言ってくれたわ!」
「無論そうだろうとも。だがアッシュ覚えてるかい?僕は言ったろう、この寓話を書いたのは魔女を手助けした者だと。神殿の記録はクルポックルの教えを守る者たちが書き残したもの。その文章はクルポックルを讃えるものが中心だ。それに対してあの寓話は大部分が魔女、そこの夫人を擁護するかのように記述されていた。人の良い末子の従者によって書かれた寓話、いや、彼の日記…。その文章は当初、時事の覚書から始まっている。恐らく読み書きの練習でもしていたんだろう」
僕がリッターホルムの使用人達にやらせた方法だ…。日記を書いて文字に慣れろって…。
「それは途中から彼女への思慕がところどころ見え隠れし始め、そして…争いが起こってからは同情的な傾向が強くなっていった。夫人、彼は真実あなたを想っていたんだろう。悪趣味だなどとは言わないさ。当時はまだあなたも人間だったろうからね」
「ああ愛しい人…あなた…あなた…」
「だがあの寓話は後半になるにつれ、彼の心情、彼の主観はどこにも出てこなくなる。ひどく客観的に事柄だけが羅列してあり…抒情的な描写は姿を消した。それは何故か。僕はこう思う。夫人、彼は不死となり人であることを捨てたとき、すなわち一族との誓いを捨てたとき、自分自身をも捨てたんじゃないか、とね。」
「何を言うの!ち、違うわ!そ、そのようなこと言わないで!」
「違うと言い切れるかい?彼は不死を得た代わりに自我を殺した。だからこそあなたの聖王国への悪しき干渉にも彼は目を瞑った。そうでなければ耐えられなかったんだろうさ。聖王国は彼にとって大恩ある一族を始祖にもつ国。その心痛は計り知れない。彼は誓った相手に己の全てを捧げる、恐らくそういう人だ。そう、まるでそこにいるアレクシのように」
「わたくしはそんな…そんな、彼を傷つけようだなんて…」
「〝余計な話”…。あの背表紙を実際彼が書いたのかどうかそれは分らない。だがアッシュ、君があの石板を引っ張り出した時からこれは君の為の物語だ。」
エスターは凄い…。なぜそこに到達したのか。やっぱりエスターは文字の魔術師…。
エクストラ、エクストラエディション…、その言葉の持つ意味は…
〝番外編”
「ここまで言えばもうわかるだろう?終わらせられるのは君だけだ、アッシュ…。発芽、生長、花芽、開花、結実、老化、枯死、種子、この世の条理だ。彼女の書き写した呪い、足りないものはなんだった」
「足りないものは…種子…」
「大司教に確認したのさ。賢者のスキルは再生だった。彼は土地を動かし、そして時に水や空気さえも自在に操り植物を生み育てた。だがそこに無いものを生み出す事だけは出来なかった。彼が生み出すもの、それはすべてそこに種があった。大司教はこうも言った。全ての生き物には命の種が宿る。我らはそれを咲かせるだけ。自然の摂理に逆らわず輪廻に身をまかせる、それがクルポックルの教えだと。」
マァの村に継がれる輪廻の教え、命は巡る、死を恐れるな。それこそが賢者の教え。
僕はさっき知ったじゃないか。僕の中にクルポックルの意思は受け継がれた。それこそが彼が不死である証。そして誰かの中に僕が残れば…、いずれまた僕も不死となるのだ…。
「だからこそ疫病に多くの者が倒れる中、彼は、彼の意思を継ぐ時代時代の賢者は、苦痛を取り除き、少しでも病が癒えるよう献身的に尽力したが、決して奇跡のような不死は与えなかった。それこそがクルポックルの悟りだ。条理を歪ませればその報いは必ずやその身に降りかかる。今ならあなたにもその意味がわかるだろう?2000年の魔女、アデリーナくん」
「う…うぅぅ…」
「クルポックルは救済の賢者。恐らく彼がここに居たならあなたでさえ救済するだろうさ。だが理の歪んだ彼女の中に命の種は無い。いいかアッシュ!君のスキルは何だ!」
「そ、創造…。〝種子創造”」
「そうともアッシュ!それこそが君と賢者の大きな違いだ。君の創造は無から有を生み出せる。創造するんだ!君は君の思い描いたものを!」
僕の種子創造…、それは僕が明確に知っている植物なら何だって創造する。それなら僕の思い描く植物は…
『名前をいってはいけないあの人』の熱弁してたユグドラシル…
『ぶんがくさん』が珍しく(チャットで)饒舌だった仏陀の菩提樹…
『ただのしかばね』さんは朝までエヴ〇を語ってたっけ…カバラの樹…
そのどれもこれも、僕はありったけネットでも文献でも調べ尽くした。ヲタクなら当然の習性だ。だから…、だから…、これは空想なんかじゃない!隅々まで克明に思い出せる!
僕の思い描く植物…、それは…、〝生命の樹”
「無から有…。僕は創造出来る!『種子創造!』いでよ!みんな大好き、ヲタクの妄想を満たす〝生命の樹”」
「ではどうする?」
「準備が出来た…か。僕の準備も万端だけどね。アデリーナを倒してユーリの呪いを解いて、肝心なその後のイメトレももう出来た」
「その後か…、それなら私も既に準備は出来ている。」
「そうなの?」
「ああ。リッターホルムを出てからの道中その事を考えていた。」
「じゃぁ僕とユーリの熟成期間はもう終わりだ。〝しかれども高慶忽に純熟して”…最終章だ…」ジーン…
「純熟?」
ついにここまで来たんだ…。そう感慨にふける僕に怪訝そうなユーリ。そりゃそうだ。『ぶんがくさん』おすすめの平家物語、その難文は現代人が見たって分からない…。
「十分に事が整い時が充ちる事だよ」
「純熟…、良い言葉だ。純熟…時が満ちる…、時が充ちた…、そうか!」
気に入ったらしいその言葉を何度も舌で転がすユーリ…、そのうち何かに気付いたみたいだ。
独り言みたいに呟いた言葉はユーリの思考を正確に教えてくれる。教えて…おしえ…
「ん!んんう!」
「さあ行こうアッシュ、今なら月の光で私のスキルも充ちている…。ご覧、〝純熟”」
ユーリってば…秒で舌まで…もう…
月の美神と称えられた悲劇の末子、その末裔であるユーリの光は青白く、そしてどこまでも静かに篝火の消えた闇夜を照らしている。なんて幻想的…
そして目の前にはその光景に目を奪われるノールさんとアレクシさん。何故か腕を組んでどや顔のケネスと、したり顔のエスター…、え?エスター!?
「エ、エスター!? 何やってんのここで!どうやって来たの⁉」
「殿下の引率で堂々とさ。いや実に乗り心地の良い馬車でね、銀のカツラが無ければ文句なしだ」
「そりゃ王家の馬車だから、ってそうじゃなくて!」
「アッシュ、土産は彼女を消滅させる方法だ。そんな訳で事前にタピオ君には手紙を出しておいたのさ。魔女を生け捕りにして僕を村に入れてくれってね。」
「流石エスター!サイコーだよ!って言うか兄さんに手紙…!? アレクシさんに次いでいつの間に…。兄さんにモテ期が…、 ま、まぁいいや。で、何が分かったって⁉」
満を持してやってきた真打エスターが言うには、全て揃った寓話の背表紙、そこにはうっすらと何かの文字が読み取れたって…。
「それを読み取るのは苦労したよ。僕の持てるあらゆる修復技術を駆使してようやく明確になったその文字は〝エクストラ”。その彼がどういう気持ちで〝過剰な”と題したのかはしらないが…、誰かさんの過剰な愛情を指したのかもしれない。」
エクストラ…エクストラ…それって…
「だがエクストラにはもう一つの意味がある。それは〝余計な”と言う意味だ。彼にとって長すぎた生は余分だったのかもしれないね」
「や、止めて!そんな事を言うのは止めて頂戴!わたくしたちは愛し合った!彼は後悔などしていないと、そう言ってくれたわ!」
「無論そうだろうとも。だがアッシュ覚えてるかい?僕は言ったろう、この寓話を書いたのは魔女を手助けした者だと。神殿の記録はクルポックルの教えを守る者たちが書き残したもの。その文章はクルポックルを讃えるものが中心だ。それに対してあの寓話は大部分が魔女、そこの夫人を擁護するかのように記述されていた。人の良い末子の従者によって書かれた寓話、いや、彼の日記…。その文章は当初、時事の覚書から始まっている。恐らく読み書きの練習でもしていたんだろう」
僕がリッターホルムの使用人達にやらせた方法だ…。日記を書いて文字に慣れろって…。
「それは途中から彼女への思慕がところどころ見え隠れし始め、そして…争いが起こってからは同情的な傾向が強くなっていった。夫人、彼は真実あなたを想っていたんだろう。悪趣味だなどとは言わないさ。当時はまだあなたも人間だったろうからね」
「ああ愛しい人…あなた…あなた…」
「だがあの寓話は後半になるにつれ、彼の心情、彼の主観はどこにも出てこなくなる。ひどく客観的に事柄だけが羅列してあり…抒情的な描写は姿を消した。それは何故か。僕はこう思う。夫人、彼は不死となり人であることを捨てたとき、すなわち一族との誓いを捨てたとき、自分自身をも捨てたんじゃないか、とね。」
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エスターは凄い…。なぜそこに到達したのか。やっぱりエスターは文字の魔術師…。
エクストラ、エクストラエディション…、その言葉の持つ意味は…
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「足りないものは…種子…」
「大司教に確認したのさ。賢者のスキルは再生だった。彼は土地を動かし、そして時に水や空気さえも自在に操り植物を生み育てた。だがそこに無いものを生み出す事だけは出来なかった。彼が生み出すもの、それはすべてそこに種があった。大司教はこうも言った。全ての生き物には命の種が宿る。我らはそれを咲かせるだけ。自然の摂理に逆らわず輪廻に身をまかせる、それがクルポックルの教えだと。」
マァの村に継がれる輪廻の教え、命は巡る、死を恐れるな。それこそが賢者の教え。
僕はさっき知ったじゃないか。僕の中にクルポックルの意思は受け継がれた。それこそが彼が不死である証。そして誰かの中に僕が残れば…、いずれまた僕も不死となるのだ…。
「だからこそ疫病に多くの者が倒れる中、彼は、彼の意思を継ぐ時代時代の賢者は、苦痛を取り除き、少しでも病が癒えるよう献身的に尽力したが、決して奇跡のような不死は与えなかった。それこそがクルポックルの悟りだ。条理を歪ませればその報いは必ずやその身に降りかかる。今ならあなたにもその意味がわかるだろう?2000年の魔女、アデリーナくん」
「う…うぅぅ…」
「クルポックルは救済の賢者。恐らく彼がここに居たならあなたでさえ救済するだろうさ。だが理の歪んだ彼女の中に命の種は無い。いいかアッシュ!君のスキルは何だ!」
「そ、創造…。〝種子創造”」
「そうともアッシュ!それこそが君と賢者の大きな違いだ。君の創造は無から有を生み出せる。創造するんだ!君は君の思い描いたものを!」
僕の種子創造…、それは僕が明確に知っている植物なら何だって創造する。それなら僕の思い描く植物は…
『名前をいってはいけないあの人』の熱弁してたユグドラシル…
『ぶんがくさん』が珍しく(チャットで)饒舌だった仏陀の菩提樹…
『ただのしかばね』さんは朝までエヴ〇を語ってたっけ…カバラの樹…
そのどれもこれも、僕はありったけネットでも文献でも調べ尽くした。ヲタクなら当然の習性だ。だから…、だから…、これは空想なんかじゃない!隅々まで克明に思い出せる!
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