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227 彼は驚く
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「兄さん!タピオ兄さん!いらっしゃ…って、わあっ!な、なんでシャツ一枚!コートは?」
「昼だからもういいかと思ってさ。夜間の就寝時には役に立ったよ。さすがに」
お、恐るべしタピオ兄さん…。新陳代謝が良いのにも限度ってもんが…。まるで一年中Tシャツ着てるコーラとハンバーガーで出来た国の人みたいだ。
「タピオ君ようこそ。どうだった翼竜は?」
「サイコーだった。アレクシも乗ってみたら良いのに。今度マァの村に来るときは翼竜で来いよ」
「は、はは…」
「そ、そんなことより王子もうお屋敷で待ってるんだよ。兄さんどこに泊まるの?お屋敷に泊まる?」
「泊まらないって言ったろ?領都の宿屋をとってくれって。さみしいならアッシュが宿屋へ泊まりに来たらいいじゃないか」
「そうしたいのはやまやまなんだけどね…ユーリがね…」
「はは、しょうのない公爵様だな」
待ちに待った兄さんのスキー合宿がついに始まった。兄さんは母さんからの芋料理をこれでもかとたくさん持参していた。胸に染み入る母の愛…
翼竜の停泊所と馬車で領内に入る道とは正反対の方向だ。兄さんの初めて見る景色を案内…、と言っても木しかないから木の分類を説明しながら一旦馬車はお屋敷へ。
そこにはいつの間にか友達面したケネスが両手を広げて待っていた。
「よく来たタピオ。なんだ、ここには泊まらぬのか。遠慮など必要ないというに。それにしてもお前は気持ちの良い男だ。このアッシュでさえ頭が上がらぬというのがまた実に良いではないか。そういえばノールもお前には気を遣っていたな?あれは何故だ?」
「あれは気を遣うというよりタイプが違いすぎて困惑してるんだよ。何話していいか分かんないんだって」
「そうかそうか、まあゆっくりしていけ」
「あのねぇ、まるで自分ちみたいに…」
「殿下は領都に来ないのか?以前来たとき上手い飯屋を見つけたんだ。一緒に行かないか?」
「おお!では出向くとするか」
「アレクシ!お前も来いよ!」
「あ、いや、私は…」
「いいから来いよ!」
「そうだぞアレクシ、遠慮はいらぬ!」
カオス…
え…?兄さんとケネスとアレクシさんで?い、意味不明…
「凄いなタピオ君は…」
どこかで聞いたユーリの台詞…
結局兄さんに連れられて行ったケネスとアレクシさんは夕食に戻ってこなかった。ちょっとジェラシー、僕の兄さんなのに。キィィ!
ち、ちょっと一旦落ち着こうか…
「王子が言うには冬が明けたらシグリット姫と一緒にヘンリックさんがやって来るんだって。」
「どうしてこっち見るのさ?良いからほら、母上からの返事だよ。御受けいたします、って書いてある」
食後のサロン、だらだらと話し込む僕とノールさんを横目にユーリは僕が提出した開拓計画書に目を通している。
ぼちぼち切り開いているとは言っても、未だ領の半分は未開の山々。せめてそのうちの半分くらいは開拓地として、そしてあわよくば内の一部をいずれショーグレン子爵領に…
僕の思惑を動かす主、ショーグレン夫人はビョルンさんのお母さんを王都のお屋敷で引き受けてくれたのだ。
子爵家とは言え王都にある貴族の屋敷に侍女として住み込めるのは彼女の虚栄心を存分に満たすだろう。
ショーグレン母は決して甘ったるい人ではない。貴族としての在り方には人一倍うるさい人だ。ビョルン母が本当に貴族になることを望むのならば避けては通れない道。せいぜい頑張ってもらいたいものだ。
ビョルンさんを呼び出しその旨を告げると、彼は心底ホッとしていた。苦労してきたんだろうな…
「どれだけオーケソン領に居座ってもルサンブール領は戻って来ないからね。ルサンブール侯爵位はいま空位なんだし、よしんば将来的に再編纂があったところで他の領地をあてがわれると思うけど?無駄だよ無駄。でも派手好きで見栄っ張りなら王都で貴族家で女主人の侍女…、文句なしだと思うけど、あ、ごめん」
「いえ、その通りですからお気になさらず。でもこれでようやく弟と妹をここに呼んでやれます。私は弟までもが母の犠牲になるのかと気が気でなく…」
「そ、そっか…」
「その…アレクシ様がその際は領都に部屋を探してくださるというので…色々揃えてやらなくては。」
「ビョルンさんは住み込みでしょ?弟さんたちはどうするの?」
「弟は来月16になり洗礼を受け成人となります。妹ももう13、幼くはありません。同じ領内に居るのだし二人で大丈夫でしょう。私は引き続きここに。それが従士としての務めですから」
それを聞いていたユーリがふいに反応する。
「ちょうどいい。ヘンリックが姫の別荘地で働く従僕を探していた。弟を推薦しておこう。お前の弟ならば大層見目も良いのだろう」
「兄の欲目ではありませんがスラリとして整っております。」
「カイやダリとも歳が近いのか。ここで少し研修してからってとこかな。」
「そうだね。ヘンリックは4月になったら来ると言ってるからまだ時間が…、何その顔…」
「いや別に。詳しいな…と思って。しかしさぁ…こんな冬場にあんなに手紙寄越して…郵便屋さん可哀そうだと思わないのかなぁ…」
「ぼ、僕から催促したわけじゃ…」
「あの…、ノール様はヘンリック様とその…」
「ち、違うよ!まだ違うから!」
「まだ…」
慌てて席を外すノールさんの背を見つめながらビョルンさんは素朴な疑問を口にする。
「私はてっきりアレクシ様と良い仲なのかと…違ったのですか?」
「あれ?気付いてたの?でも違うよ。仲の良い友人止まり。噂が出てたら否定しといてね」
その直後、宿舎に戻るというビョルンさんが小さく、本当に小さく
よかった…
そう呟いたのを僕の優れた耳は聞き逃さなかった。そしてユーリの耳もエンジン音を聞き分ける名整備士のように鋭敏だった…
ビョルンさんいつの間に…。
その僕からの問いにお茶のお代わりを淹れながらヴェストさんは衝撃的な事実を教えてくれる。
僕とユーリ、それからナッツたちの影響でこの屋敷は男同士の過剰な友情に目覚めてしまった人が多いのだとか。
「う、嘘だっ!」
「本当です。特にビョルンは母親、そしてビルギッタ嬢のこともあり女性不信気味でしたので。そうなるのも必然かと」
な、な、何てことだ…。
僕が跡形もなく根絶したはずのカルロッタさんの薔薇園がこんな形で花開くなんて…、リッターホルム自慢の薔薇園…、現公爵の薔薇園は…まさに薔薇の園!
「何が問題なのだ?私が姫殿下やノールの御母堂を受け入れたからと言って女性への嫌悪が無くなったと思うのは間違いだ。」
「それはまぁそうだろうけど」
「ここに居る限りその愛の形を責める者など誰も居ない。自由に想いを育むがいい」
まぁ世界中を見渡しても?男だらけの閉塞的な場所では多いと『愉快な堀の中 受刑者の描く刑務所のリアル』あの本にも書いてあったし?…イギリスのパブリックスクールを舞台にしたそんなお話もあったしね?
これもある意味伝統…それこそ遡れば平安時代から続く文化の一つ。そもそもお前が言うな、って話なわけで。
それにしても気付かなかったな…
僕のお話が異世界転生ファンタジーじゃなくBでLなファンタジーだったなんて…
「昼だからもういいかと思ってさ。夜間の就寝時には役に立ったよ。さすがに」
お、恐るべしタピオ兄さん…。新陳代謝が良いのにも限度ってもんが…。まるで一年中Tシャツ着てるコーラとハンバーガーで出来た国の人みたいだ。
「タピオ君ようこそ。どうだった翼竜は?」
「サイコーだった。アレクシも乗ってみたら良いのに。今度マァの村に来るときは翼竜で来いよ」
「は、はは…」
「そ、そんなことより王子もうお屋敷で待ってるんだよ。兄さんどこに泊まるの?お屋敷に泊まる?」
「泊まらないって言ったろ?領都の宿屋をとってくれって。さみしいならアッシュが宿屋へ泊まりに来たらいいじゃないか」
「そうしたいのはやまやまなんだけどね…ユーリがね…」
「はは、しょうのない公爵様だな」
待ちに待った兄さんのスキー合宿がついに始まった。兄さんは母さんからの芋料理をこれでもかとたくさん持参していた。胸に染み入る母の愛…
翼竜の停泊所と馬車で領内に入る道とは正反対の方向だ。兄さんの初めて見る景色を案内…、と言っても木しかないから木の分類を説明しながら一旦馬車はお屋敷へ。
そこにはいつの間にか友達面したケネスが両手を広げて待っていた。
「よく来たタピオ。なんだ、ここには泊まらぬのか。遠慮など必要ないというに。それにしてもお前は気持ちの良い男だ。このアッシュでさえ頭が上がらぬというのがまた実に良いではないか。そういえばノールもお前には気を遣っていたな?あれは何故だ?」
「あれは気を遣うというよりタイプが違いすぎて困惑してるんだよ。何話していいか分かんないんだって」
「そうかそうか、まあゆっくりしていけ」
「あのねぇ、まるで自分ちみたいに…」
「殿下は領都に来ないのか?以前来たとき上手い飯屋を見つけたんだ。一緒に行かないか?」
「おお!では出向くとするか」
「アレクシ!お前も来いよ!」
「あ、いや、私は…」
「いいから来いよ!」
「そうだぞアレクシ、遠慮はいらぬ!」
カオス…
え…?兄さんとケネスとアレクシさんで?い、意味不明…
「凄いなタピオ君は…」
どこかで聞いたユーリの台詞…
結局兄さんに連れられて行ったケネスとアレクシさんは夕食に戻ってこなかった。ちょっとジェラシー、僕の兄さんなのに。キィィ!
ち、ちょっと一旦落ち着こうか…
「王子が言うには冬が明けたらシグリット姫と一緒にヘンリックさんがやって来るんだって。」
「どうしてこっち見るのさ?良いからほら、母上からの返事だよ。御受けいたします、って書いてある」
食後のサロン、だらだらと話し込む僕とノールさんを横目にユーリは僕が提出した開拓計画書に目を通している。
ぼちぼち切り開いているとは言っても、未だ領の半分は未開の山々。せめてそのうちの半分くらいは開拓地として、そしてあわよくば内の一部をいずれショーグレン子爵領に…
僕の思惑を動かす主、ショーグレン夫人はビョルンさんのお母さんを王都のお屋敷で引き受けてくれたのだ。
子爵家とは言え王都にある貴族の屋敷に侍女として住み込めるのは彼女の虚栄心を存分に満たすだろう。
ショーグレン母は決して甘ったるい人ではない。貴族としての在り方には人一倍うるさい人だ。ビョルン母が本当に貴族になることを望むのならば避けては通れない道。せいぜい頑張ってもらいたいものだ。
ビョルンさんを呼び出しその旨を告げると、彼は心底ホッとしていた。苦労してきたんだろうな…
「どれだけオーケソン領に居座ってもルサンブール領は戻って来ないからね。ルサンブール侯爵位はいま空位なんだし、よしんば将来的に再編纂があったところで他の領地をあてがわれると思うけど?無駄だよ無駄。でも派手好きで見栄っ張りなら王都で貴族家で女主人の侍女…、文句なしだと思うけど、あ、ごめん」
「いえ、その通りですからお気になさらず。でもこれでようやく弟と妹をここに呼んでやれます。私は弟までもが母の犠牲になるのかと気が気でなく…」
「そ、そっか…」
「その…アレクシ様がその際は領都に部屋を探してくださるというので…色々揃えてやらなくては。」
「ビョルンさんは住み込みでしょ?弟さんたちはどうするの?」
「弟は来月16になり洗礼を受け成人となります。妹ももう13、幼くはありません。同じ領内に居るのだし二人で大丈夫でしょう。私は引き続きここに。それが従士としての務めですから」
それを聞いていたユーリがふいに反応する。
「ちょうどいい。ヘンリックが姫の別荘地で働く従僕を探していた。弟を推薦しておこう。お前の弟ならば大層見目も良いのだろう」
「兄の欲目ではありませんがスラリとして整っております。」
「カイやダリとも歳が近いのか。ここで少し研修してからってとこかな。」
「そうだね。ヘンリックは4月になったら来ると言ってるからまだ時間が…、何その顔…」
「いや別に。詳しいな…と思って。しかしさぁ…こんな冬場にあんなに手紙寄越して…郵便屋さん可哀そうだと思わないのかなぁ…」
「ぼ、僕から催促したわけじゃ…」
「あの…、ノール様はヘンリック様とその…」
「ち、違うよ!まだ違うから!」
「まだ…」
慌てて席を外すノールさんの背を見つめながらビョルンさんは素朴な疑問を口にする。
「私はてっきりアレクシ様と良い仲なのかと…違ったのですか?」
「あれ?気付いてたの?でも違うよ。仲の良い友人止まり。噂が出てたら否定しといてね」
その直後、宿舎に戻るというビョルンさんが小さく、本当に小さく
よかった…
そう呟いたのを僕の優れた耳は聞き逃さなかった。そしてユーリの耳もエンジン音を聞き分ける名整備士のように鋭敏だった…
ビョルンさんいつの間に…。
その僕からの問いにお茶のお代わりを淹れながらヴェストさんは衝撃的な事実を教えてくれる。
僕とユーリ、それからナッツたちの影響でこの屋敷は男同士の過剰な友情に目覚めてしまった人が多いのだとか。
「う、嘘だっ!」
「本当です。特にビョルンは母親、そしてビルギッタ嬢のこともあり女性不信気味でしたので。そうなるのも必然かと」
な、な、何てことだ…。
僕が跡形もなく根絶したはずのカルロッタさんの薔薇園がこんな形で花開くなんて…、リッターホルム自慢の薔薇園…、現公爵の薔薇園は…まさに薔薇の園!
「何が問題なのだ?私が姫殿下やノールの御母堂を受け入れたからと言って女性への嫌悪が無くなったと思うのは間違いだ。」
「それはまぁそうだろうけど」
「ここに居る限りその愛の形を責める者など誰も居ない。自由に想いを育むがいい」
まぁ世界中を見渡しても?男だらけの閉塞的な場所では多いと『愉快な堀の中 受刑者の描く刑務所のリアル』あの本にも書いてあったし?…イギリスのパブリックスクールを舞台にしたそんなお話もあったしね?
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