街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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51 15歳 vs オスカー

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ひゃぁぁぁ!右を向いても左を向いてもーーー!

「気持ちいいっすかー?」
「さ、最高…うさ耳は最高だよ…」スリスリ…
「レジー様、こっちこっち」
ボフッ
「フガフガ…う~ん、このブワッっとした尻尾がなんとも…」
「レジー様、私のお尻も触らしてあげるっ!」
「せ、セーブルの毛触り…」

「おっと、そいつは禁止だ。レジー、こっちに来い!」

「えぇー!」

うるさいなぁヴォルフは…。今日は凄く疲れたんだから少しくらい良いじゃないか。けち臭い…


結局僕はあのあと夕方まで各所を監督し、初日と言う事でまずは四人揃ってのダイニングディナーを見届け、ようやくヴィラを後にした。
あそこにはコーエン夫人に付き従ってやって来た元コーエン家執事が副支配人として常駐している。彼に任せておけば何も心配はない。まったくコーエン家はいい人材を連れてきてくれたものだ。

美味い美味いとお皿しか見ていないオスカーはいいとして、なにか意味ありげに僕を見つめる殿下も、チラチラと様子を窺うように僕を覗き見るローレンスも、どっちもうっとおしくて仕方ない。

そんな中で唯一僕を和ませてくれたのが優雅な貴公子セザールだ。
ゲームのスチルを見たときは、うわっ…ベルばら、って思ったものなんだけどね。実際って分からないものだな。

とにかく今僕は心身ともに疲弊しきってるんだ!許してよ!これくらい!


「なんでオオカミの隣なんだよっ!レジー!こっちに来いよ!お前は俺の飼い主だろっ!」
「アーニー、だから飼い主はヤメテって…、あ、ちょうどいいや。アーニーここに頭乗せて」

「膝…?なにすんだよ。乗せるけど…」
「こうするの」ナデナデ「アーニーの髪って手触りイイよね」

「し、仕方ねぇな…。お、俺は酔ったからしばらく寝る!勝手にそうしてろよ…」

「膝の温もりが尊い…、あっ!ヴォルフ!尻尾巻き付けんのヤメテよ!」
「お前の手がこれ以上おかしな真似をしないようにだ」

人を変態みたいに…否定はしないけど…



この地に初めて作った記念すべき建物。それがこの共同食堂。
ここは今でもみんなで食事を持ち寄り集まるみんなの溜まり場。集会場兼避難所みたいなものだ。

東の難民もスラムの子供も、獣人からエトゥーリアの亡命兵まで全員が初めはここでお腹を満たして明日への希望に胸躍らせた。そんな場所で今僕はうだうだとくだを巻いている。

僕が獣人、それも耳と尻尾の毛並みが良さそうな人を指定してお誘いしたことで、何かを察した村人たちは一人、また一人と集まって気が付いたら外まで溢れる大宴会会場みたいになってしまった。
もちろんヴィラでお仕事に従事する人は来れないけどね。

その中には当然アーニーや、獣人の方々を僕の毒牙から守るヴォルフも居る訳で…、…飼い猫と飼い犬に浮気現場を見られるのはどうなんだろう…、と思わないでもない。


「おっ!なんだよここ。俺も混ざって良いか?」

「うん?オスカー…、様。」
「いいって様とか。お前の方が偉いんだし」

「一応お客様ですから。でもお言葉に甘えて。オスカー、こんな時間に何を?」
「せっかくだからな。夜のウエストエンドも見ておこうと思って出てきたんだよ」

「ナイトツアーは四日後に用意があると従者の方にお伝えしましたが?」
「あいつらにもそう言って止められたけどさ。やっぱり自然な状態を見てみたいだろ?ここはもともと魔のベルト地帯の脅威にさらされてた土地、色々気になる。視察だっていきなり行かなきゃ意味無いじゃないか」

…正しいみたいに聞こえるけど…、全然関係ないからね、それ。
見なよ、お付きの従者たちのうんざりした顔。
十五日間も馬車に揺られてようやく着いた西の果て。お坊ちゃまは昼間極上のベッドでグーグー寝てただろうけど、彼らはその間もずっとお仕事してるんだからね。さっさと休ませてやりなって。

「オスカー、これは視察じゃなく休暇中の保養だからね?急襲しなきゃならない理由がない。ましてやどうしてわざわざこうして日程が組んであると?」

「俺たちを楽しませるためだろ?」

「…あなたの従者たちが貴方に危険が無いよう事前に十分準備が出来るようにですよ。曲がりなりにもウエストエンドなので。うちはいいんですよ?別にいつどこを見られたって困りませんし。けどあなたの従者は困るんです。何かあったら彼らの責任問題ですからね」

ほら見ろよ!オスカーの後ろで首が折れそうなぐらい頷いてるじゃないかっ!

「行きたいって言ったのは俺だし何かあったって俺のせいだろ?そん時は俺から言うさ、責任は俺にあるって」

…悪い奴じゃない…。悪い奴じゃないのは分かる。けど甘いんだよ!

「そういう訳にはいかないんですよ、お坊ちゃま…」
「お坊っ…!言っとくが俺をその辺に居る貴族の息子と一緒にするな。俺はこう見えても剣の腕には自信がある。学院内で俺に適う奴なんて上級生にも居ない。これでも子供の頃から騎士に混ざって稽古をつけてきたんだ!」

「はぁ…」

「父上の部下にも今すぐダンジョンにいける程だと言われている。何も危険はない!」

「へぇ?」

「バカにしてんのか!」

「馬鹿になんかしてませんよ。むしろ感心してます。子供の頃から大人に混じって真面目に鍛練してみえたのですね。偉いなぁ…って。僕は頑張り屋は大好きですよ。で、どこのダンジョンに行くつもりです?初心者向けのグリーンダンジョンですかね?あそこならそれほど強い魔物は出ませんし一通りの定石を学ぶには良いですよね」

「絶対ばかにしてるだろ!何がグリーンダンジョンだ!俺が行くのは『強化のダンジョン』だ!」
「ほほう?」

「何がおかしい!言っとくがいくらお前が狂魔力を持ってようと魔法を使わなきゃ関係ない!わかってんのか!」

これはつまり…、魔法さえ使わなきゃ自分の方が強いと、そういう主張かな?

「重ねて言いますけど馬鹿になんかしてませんよ。あなたが強いのは知ってますって。ですが現実の見えていないあなたに色々危惧しています。それはあなたのことじゃなく、あなたの浅はかさのせいでいつか辞めさせられるか、最悪生命の危険にさらされかねないあなたの従者のことです」

「ど、どういう意味だよ…」


この怖いもの知らずのお坊ちゃんには一皮むけてもらう必要がある。事実ゲームの中にはこいつが原因で発生したトラブルも存在するのだ。正義感も有り腕もある。けど無謀なんだよ。素材は良いのにもったいない。

「いいですか?なんの力もない学生が軽々しく責任なんて言葉を使うんじゃありません。こんな時間に制止も聞かずフラフラ出歩いて…、あなたが転んでケガをしたって知られれば彼らは当主から何らかの叱責を受けるんですよ?あなたがどう言おうともです!それを分かってます?」

「お、大袈裟なんだよ…。怪我ぐらいダンジョンへ行けば普通するだろ…」
「そう言う意味じゃ、…いいでしょう。それほど『強化のダンジョン』に行きたいなら連れて行って差上げます」

「え…っ?ほんとかそれ?」
「お、お待ちください、ハミルトン侯爵!」

「心配無用!責任は僕がとります。ここの当主であるこの僕が。随行するのは当家自慢の騎士団長二名!そして…」

ゴクリ…

「この狂魔力の継承者、レジナルド・ハミルトンだ!」



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