街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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79 16歳 Let's play コモンダンジョン

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ここでの滞在期間、彼らは各々自由に過ごしていた。いちいちベッタリしないところがこの三人の良いところだ。

いや、乙女ゲーのシナリオなんだから当たり前っちゃ当たり前だけど、攻略対象者たちって基本ヒロインと一緒に居たんだよね。友人同士でつるんでる姿なんてクエストの場面しかないって言う…

ま、そんなことは置いといて、オスカーはほとんどダンジョンか騎士団の修練場にいたし、セザールは卒業後の住居や仕事について打ち合わせるためほとんどをタウンで過ごしていた。
ローランドに至っては言わずもがなだ。あれ以来この屋敷には近づきもしない。ぷぷ…、時間が惜しいんだね。そっとしとこう。

そんな休暇の中日にあたるある日の午後。僕は全員引き連れベターライフ神殿へと礼拝、そしてニコと引き合わせるためにやって来た。ローランドに誘われたパーヴェルも一緒だ。


「ニコ、こちらはローランド・カニンガム侯爵子息、オスカー・ブランフォード伯爵子息、それからこっちがセザール・ド・デュトワ、ウルグレイス聖王国の侯爵子息だよ」

「こんな煌びやかな皆さんにお集まりいただき眼福、あ、いえ、恐縮です」

「…ゴホン、みんな。こっちが僕の恩人でこの度晴れて女神官になったニコね。時々言動がおかしいけど気にしないで」

「ピンク髪…。そうか。君が探していたのは彼女だったのか…」
「そう。ローランドは覚えが良いよね」

「礼、レジー君に会えて良かったです。間一髪で公爵様の治癒にも間に合いましたし」

「随分顔色も良くなっていたよ。凄いんだね、君の治癒は」
「セザール様、あれはレジー君の魔力あっての成果ですよ?どうやったかというと…手をお借りしても?」
「あ、ああ」
「レジー君も手貸して」
「はいどうぞ」

ギュゥゥゥゥ…

「こうして手を握り合わせてですね、あ、そうじゃなくて指と指をもっと搦めて…」
ペイッ!
「実演要らないでしょうが!」
「ふふ、愉快な神官様だね」

この奇行を愉快…で片付けるセザールは器がデカい!


「それよりレジー君、推し、ゴホン、ローランド様の背後に居るそちらのベージュの彼は…」

「えっとパーヴェルはね」
「彼は裁判所を任されている優秀な文官シュバルツの弟でパーヴェルという。とても聡明で教養に長けた人だ。文学に造詣の深いところもまた素晴らしい。それから彼は」

「ロ、ローランド様、それくらいで…」

暴走するローランド。恋とは人をここまで変えるのか…

「はっはーん。ビビっときたわ。このBLアンテナがビビっとね。そう言うこと。あー、でも…年下クーデレ攻めに年上繊細受けか…。クーデレには天然小悪魔受けのほうが…でもイケるか…?………うんイケる!」

「ちょっとー!だれかバケツに水持って来てー!神官様が禊をしたいってー!」
「これでいいですか?」
「あれ?エルじゃないの。何してんのここで」

バケツを持ってアーニーの妹分、エルがやってきたのには驚いた。なんでも一番弟子だとか何とか…ここで妹のアイとニコのお世話をするらしい。

「でもカプ被りはしてないんですよ?」

何の話かな?悪影響でしかないだろうに、恐ろしい…


これ以上の長居は危険と神殿を後にする僕達。すると護衛に付いていた騎士リマールがこんな提案を口にした。

「いつもはバイヤールをお供にオスカー様だけが『強化のダンジョン』へと向かわれますが、レジー様、せっかくご友人と過ごす大切な時間です。4人でコモンダンジョンになどへ遊びに行かれてはいかがですか?何も困難なダンジョンに行くばかりが『近道の鍵』の使い方ではないでしょう」

「おっ!それ良いな。友達とパーティ組んでダンジョンか…。アルバートが居るとそれもなかなか出来ないしな。いこうぜ!」

友達とパーティ組んでだと…?中身大学生の僕が今さらそんなこと…

正直言って気分が上がる!これがファンタジーの醍醐味と言っても過言ではない。
僕はフルカンストの封印を心に誓った。


ふと気になり、盛り上がる三人の後ろでコッソリパーヴェルと内緒話。

「そう言えばパーヴェルは属性とかってあるの?」
「ふふ。僕たちの母国ではみな基本的な生活魔法しか使えないのですよ。」

「知ってる。シュバルツはここに来てから属性が生えたって。それってシュバルツは生活魔法で戦線の最前線に居たって事でしょう?」

酷い軍部だよ。

「生活魔法とは言っても兄さまはレベルを上げておいでだったので…中位レベルはありましたから心配には及びませんよ」
「真面目だもんねシュバルツは」

それにしてもさっきからこっちをチラチラチラチラ…、やきもち焼きめ。ローランドは器が小さい。



さて。パーヴェルと別れリマールの提案に従いやって来たのはコモンダンジョン。ゲームの中だとチュートリアルに出てくるダンジョンだ。

コモンダンジョンは階層によってCクラスの冒険者からAクラスの冒険者まで、幅広く誰でも楽しめるバラエティ豊かなダンジョンである。
落ちるアイテムもごく普通のアイテムが多い。お屋敷で使う『牛乳石鹸』そして湯上りの必需品『ニ・ベア』なんかはここの上級コースで手に入れた代物だ。おかげで今日もモチモチのお肌が維持できている。ありがたい。

「王都の店でもごくまれに店頭に並ぶという『ニ・ベア』…。ここで落ちるアイテムだったのか」
「別に難しいダンジョンじゃないけどやっぱり数がね。集荷のために雇われた冒険者が必死に回ったとしても毎回落ちる訳じゃないし、コスパ悪いよね」
「お前の屋敷には積んであったけどな」

そりゃぁ…ねぇ?

「ではパーヴェルも使っていたのか?」
「うんまぁ。結構気に入ってたかな。ウエストエンドは乾燥してるから」
「差し上げたら喜んでくれるだろうか…」

「あーはいはい。じゃあ上級コースに決定ね」

人の恋路にケチはつけられない。『ニ・ベア』が欲しいというなら協力しますか。



「セザール、溜めて溜めて…そうそこ!まだ終わってない!右から切りつけて!そう、その調子。とってもいいよ!」

「ローランド、怖いのはわかるけどもう少しギリギリまで敵の動きを見て。うん、良くなった。ほら的中率が上がった」

「馬鹿オスカー何やってんの!その程度三秒で倒せなくてどうすんの!こんなの目を瞑っても倒せるでしょ!ふざけてんの!」

「ふざけてない!レジー、お前俺にだけ厳しくないか?」
「バイヤールから言われてんの。オスカーは褒めて伸ばすなって」
「鬼教官め…大体あいつは、」
「バイヤールはオスカーの事筋が良いって期待してたよ?」
「見どころのある良い教官だよな」

オスカーの器はシリコンラバー製、サイズは自由自在である。



僕のコーチングを受けながらゴールにたどり着いた彼ら、だけどローランドは不満そうだ。

「こんなに頑張ったのにこれは…」
「赤い缶…バッタもんだね。それはそれで使えるけど保湿力が劣るんだよ」
「私は青い缶が欲しいのだが」

「そんなこと言ったって…。落ちるアイテムはランダムだから…」
「レジナルド、もう一周だ」

「ええー!」


その後三周ほど全員で周り、疲れたというセザールと手ごたえが無くて飽きたというオスカーが一足先に脱落した。

それでも諦めないローランドとその後延々まわった僕は付き合いが良いと思わない?これもローランドの恋路の為。


ようやく青い缶を手に入れた時にはすでに日が暮れる頃。
僕の器は無限大…



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