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モルボー子爵がご用意くださったのは縁者が使っていたという今は無人の小さな屋敷。僕の来訪に合わせ、何カ所かの修繕までしてくださったらしい。
この子爵とは例の投資事件で知り合ったわけだが、抱えた負債を肩代わりして差し上げた僕は恩人同然。
滞在中の世話は子爵家から数人の使用人を寄越してくださるというし、まさに至れり尽くせりである。
「では君たち、滞在中よろしく頼むよ」
「何なりとお申し付けくださいませ」
恥ずかしながら逸る気持ちが抑えきれない。
僕は休憩もそこそこにさっそく温泉の確認へ出向くことにした。
「おおー!本当に温泉じゃないか!」
「これが効能のある暖かい泉ですか…」
「鉄臭いな…」
「温泉に含まれる有効成分の匂いだよ」
そこは屋敷裏手から程近い山麓にある、今にも天女が舞い降りそうな、幻想的にして非常に風情のある、静かでひなびた森林の中ほどである。
モルボー子爵の機転により、この辺り一帯は僕の滞在中立ち入りが禁じられている。そのためここには僕と二人の従者、護衛として同伴した先輩とゴーディエ、ピエールとフィリップしか居ない。(え?ちゃっかりしてるって?何のことかな?リオネルの手配だよ)
ここを用意したモルボー子爵家の執事は僕の、「人気の無い手付かずの自然が見事な泉」という要望を正確に理解してくれたらしい。
鬱蒼とした緑の中には土俵ほどの大きささをもつ小さな泉。その泉からは湯気があがり、触れてみれば幸いにして適温に感じられた。
あの後セドリックに確認したところ、この国には温泉の湯を飲んで日々の体調不良や、病気とまでは言えないけれど継続的に不快な症状を治すという、飲泉治療の文化が一部地域にあるらしかった。
要するにディディエの話した「弱った身体に良い暖かい泉」の意味とは、入浴でなく飲用による効果効能を指すのだろう。
確かにこの国の入浴事情は貧相である。大衆浴場すらないのが実情なのだ。
浴槽を持つ富裕階級はまだいい。庶民層ではたらいに水を汲んで顔や身体を洗う程度なのだからお笑い草だ。
そんな衛生観念の中で〝入浴を楽しむ”という文化など花開こうはずがない。
そして飲泉治療とは温泉の湧く地域に限られ、王都などではほとんど認知されていないという。
国中を周る行商などから伝え聞いた僅かな者が知るだけなのだとか。
ふむ…
「リオネル」
「なんでしょう」
「とても気に入った。出来たらあの屋敷とこの温泉を丸ごと買い入れたい。すぐに手配を」
「畏まりました」
ふふ、ついに僕も隠し湯を持つに至ったか…これぞ武将の嗜み…
僕はまた一つ憧れを手に入れた。
「ディディエ。この泉を平らな石や腰掛けられる岩で囲いたい。子爵家の執事に相談して早急に人夫の手配を」
「このままじゃダメなのか?」
「駄目だね」
必要でしょうが!身体を預けられる場所が!
「ディディエ。数日で終わらせてほしい」
「ああ分かった」
「…なるほど待てませんか」
「リオネル?」
「ふふ…」
「…」タラリ
察しのいい従者である。
屋敷周辺にはこれといって集落も無いことから、あっさりと購入の要望は受け入れられた。
石を配置するだけとはいえ普請には数日を要する。そこでその間、僕は挨拶も兼ねて領主のモルボー子爵を訪ねていた。
「ほほう?あの泉を入浴に使うと言うのですか」
「ええ。そこであの一帯を専用の別荘地にしたいと考えたんですよ」
「この子爵領に別荘をお持ちいただけるとは…光栄の至りでございます。それにしても湯治…ですか」
「ええ。飲泉でなく入泉による湯治療です」
教会の教えにより他者に肌をさらす事が憚られるこの国では、皆で入る、いわゆる僕の知る温泉の形は難しいだろう。が、貸切風呂や家族風呂なら問題ない。それなりに需要はあるのではなかろうか。
僕はモルボー子爵にも勧めることにした。
数年後、この領はコーニンレイク国初めての湯治領として名を馳せていくことになるのだが…それはまた別のお話。
それはさておき、温泉の良さが一般的に広まれば、湯の花や温泉卵など、そこには様々な付加が生み出される。
また、これが上手くいけばオルガ夫人の『解毒サロン』にも『セドリック美容商会』にも利点があるはずだ。
僕は温泉事業に確かな商機を見出していた。
そうして待つこと五日間。思ったより日数がかかったのは雨の日があったためだ。
「着替えは持ったディディエ?」
「もちろん持ったさ。飲み物と軽食も籠に入れた」
「リネンの類もお持ちしましたよ」
「ありがとうリオネル。さあ行こうか」
念願の露天風呂、そして悲願の衆道に向かって!
「おおー!いいねぇ。思った通りの出来栄えだ」
「満足したか?」
「この岩なんかまさに理想的な形だ。それよりリオネル、いつの間に四阿を…」
「必要かと思いまして」
「すっかり失念していたよ。さすがだ」
「それはどうも」
用意されていたのは風情を損なわない竹で組んだ四阿。そこにはティーテーブルと背もたれの無いカウチがすでに設置してある。
さらにリオネルは運び入れたファブリック類によってそこを整えていく。
「これでいい。おかけくださいベル様」
「うん」ノシ「良い椅子だ。うん?」
ギシ…
僕を挟み込み左右に腰掛ける二人の従者。
右にはいつ何時も冷静な自慢の家令候補、リオネルが。
左にはどこか素朴で温かみのある執事見習い、ディディエが。
「ところで良い機会ですので伺いましょうかベル様」
「なにを?」
「初めてのお相手にはどちらを御所望か」
「あ…」
しまったー!!!温泉に浮かれてその問題をすっかり忘れていたー!!!
「え、あの、その」
「なるほど。何もお考えで無かったのですね」
いや、舞台作りに頭がいっぱいいっぱいでね。
「であれば手ほどきの問題もありますし私にお任せくださいますかベル様」
「え…」
その言葉に左からはどこか拗ねたような声がとぶ。
「くそっ!けどこればっかりは仕方ないよな…」
「言った通りだ。これもベル様の身体を想えばこそ。ディディエ、よく手順を見ておくように」
「わかったよ…」
「は…は…は…」
はぁぁぁーーー!!!
見られながらしろと!それちょっと敷居が高すぎるんじゃないのか!!!
リオネルお前ーーー!凄いなっ!
この子爵とは例の投資事件で知り合ったわけだが、抱えた負債を肩代わりして差し上げた僕は恩人同然。
滞在中の世話は子爵家から数人の使用人を寄越してくださるというし、まさに至れり尽くせりである。
「では君たち、滞在中よろしく頼むよ」
「何なりとお申し付けくださいませ」
恥ずかしながら逸る気持ちが抑えきれない。
僕は休憩もそこそこにさっそく温泉の確認へ出向くことにした。
「おおー!本当に温泉じゃないか!」
「これが効能のある暖かい泉ですか…」
「鉄臭いな…」
「温泉に含まれる有効成分の匂いだよ」
そこは屋敷裏手から程近い山麓にある、今にも天女が舞い降りそうな、幻想的にして非常に風情のある、静かでひなびた森林の中ほどである。
モルボー子爵の機転により、この辺り一帯は僕の滞在中立ち入りが禁じられている。そのためここには僕と二人の従者、護衛として同伴した先輩とゴーディエ、ピエールとフィリップしか居ない。(え?ちゃっかりしてるって?何のことかな?リオネルの手配だよ)
ここを用意したモルボー子爵家の執事は僕の、「人気の無い手付かずの自然が見事な泉」という要望を正確に理解してくれたらしい。
鬱蒼とした緑の中には土俵ほどの大きささをもつ小さな泉。その泉からは湯気があがり、触れてみれば幸いにして適温に感じられた。
あの後セドリックに確認したところ、この国には温泉の湯を飲んで日々の体調不良や、病気とまでは言えないけれど継続的に不快な症状を治すという、飲泉治療の文化が一部地域にあるらしかった。
要するにディディエの話した「弱った身体に良い暖かい泉」の意味とは、入浴でなく飲用による効果効能を指すのだろう。
確かにこの国の入浴事情は貧相である。大衆浴場すらないのが実情なのだ。
浴槽を持つ富裕階級はまだいい。庶民層ではたらいに水を汲んで顔や身体を洗う程度なのだからお笑い草だ。
そんな衛生観念の中で〝入浴を楽しむ”という文化など花開こうはずがない。
そして飲泉治療とは温泉の湧く地域に限られ、王都などではほとんど認知されていないという。
国中を周る行商などから伝え聞いた僅かな者が知るだけなのだとか。
ふむ…
「リオネル」
「なんでしょう」
「とても気に入った。出来たらあの屋敷とこの温泉を丸ごと買い入れたい。すぐに手配を」
「畏まりました」
ふふ、ついに僕も隠し湯を持つに至ったか…これぞ武将の嗜み…
僕はまた一つ憧れを手に入れた。
「ディディエ。この泉を平らな石や腰掛けられる岩で囲いたい。子爵家の執事に相談して早急に人夫の手配を」
「このままじゃダメなのか?」
「駄目だね」
必要でしょうが!身体を預けられる場所が!
「ディディエ。数日で終わらせてほしい」
「ああ分かった」
「…なるほど待てませんか」
「リオネル?」
「ふふ…」
「…」タラリ
察しのいい従者である。
屋敷周辺にはこれといって集落も無いことから、あっさりと購入の要望は受け入れられた。
石を配置するだけとはいえ普請には数日を要する。そこでその間、僕は挨拶も兼ねて領主のモルボー子爵を訪ねていた。
「ほほう?あの泉を入浴に使うと言うのですか」
「ええ。そこであの一帯を専用の別荘地にしたいと考えたんですよ」
「この子爵領に別荘をお持ちいただけるとは…光栄の至りでございます。それにしても湯治…ですか」
「ええ。飲泉でなく入泉による湯治療です」
教会の教えにより他者に肌をさらす事が憚られるこの国では、皆で入る、いわゆる僕の知る温泉の形は難しいだろう。が、貸切風呂や家族風呂なら問題ない。それなりに需要はあるのではなかろうか。
僕はモルボー子爵にも勧めることにした。
数年後、この領はコーニンレイク国初めての湯治領として名を馳せていくことになるのだが…それはまた別のお話。
それはさておき、温泉の良さが一般的に広まれば、湯の花や温泉卵など、そこには様々な付加が生み出される。
また、これが上手くいけばオルガ夫人の『解毒サロン』にも『セドリック美容商会』にも利点があるはずだ。
僕は温泉事業に確かな商機を見出していた。
そうして待つこと五日間。思ったより日数がかかったのは雨の日があったためだ。
「着替えは持ったディディエ?」
「もちろん持ったさ。飲み物と軽食も籠に入れた」
「リネンの類もお持ちしましたよ」
「ありがとうリオネル。さあ行こうか」
念願の露天風呂、そして悲願の衆道に向かって!
「おおー!いいねぇ。思った通りの出来栄えだ」
「満足したか?」
「この岩なんかまさに理想的な形だ。それよりリオネル、いつの間に四阿を…」
「必要かと思いまして」
「すっかり失念していたよ。さすがだ」
「それはどうも」
用意されていたのは風情を損なわない竹で組んだ四阿。そこにはティーテーブルと背もたれの無いカウチがすでに設置してある。
さらにリオネルは運び入れたファブリック類によってそこを整えていく。
「これでいい。おかけくださいベル様」
「うん」ノシ「良い椅子だ。うん?」
ギシ…
僕を挟み込み左右に腰掛ける二人の従者。
右にはいつ何時も冷静な自慢の家令候補、リオネルが。
左にはどこか素朴で温かみのある執事見習い、ディディエが。
「ところで良い機会ですので伺いましょうかベル様」
「なにを?」
「初めてのお相手にはどちらを御所望か」
「あ…」
しまったー!!!温泉に浮かれてその問題をすっかり忘れていたー!!!
「え、あの、その」
「なるほど。何もお考えで無かったのですね」
いや、舞台作りに頭がいっぱいいっぱいでね。
「であれば手ほどきの問題もありますし私にお任せくださいますかベル様」
「え…」
その言葉に左からはどこか拗ねたような声がとぶ。
「くそっ!けどこればっかりは仕方ないよな…」
「言った通りだ。これもベル様の身体を想えばこそ。ディディエ、よく手順を見ておくように」
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