転生子息は選ばれたい お家のために頑張ります

kozzy

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王子が四人

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コテージに戻った僕たちはそれぞれが今度は個人のレポートを書き上げていく。
それを提出したら最後殿下方とお話をして三次は終わりだ。

だけどコテージにはいくつかの変化があった。
三つほどのチームがいくら待っても戻って来ないのだ。

「なんでも王子妃たる資質に不適格って途中脱落だって」
「よく知ってるねヘンリー」
「自業自得だよね。ざまあみろ」
「口悪いよデイビッド」

「けどチーム全員なの?」
「例の不埒な真似は全員の共謀ではなかったようだが諌めも制止もしなかったということで連帯責任だ」

「虎之助さま…そう…ですね」

あのチームにはもう一人残ってた平民位の女の子が混じってたのに…。彼女じゃ貴族の令嬢に意見なんて出来っこないよ。気の毒だな。

「あと二チームは?」
「僕分かるかも」
「デイヴィッド?」

「僕たちが野草採ってるときや困ってるときに陰で笑ってた人たちだよ。どこで審査されてるかわからないのに迂闊だよね」
「そう…」

どこにもいるな…こういうタイプ。

「逆にデボン侯爵家のマーガレット様は僕たちに追加の予算をって直談判してくれてたらしい」
「えー?優しい…」
「ダービー侯爵家のソフィア様も食材だけでも出せないかって頼みに行ってくれたって」
「本音か計算かは不明だけど…これが賢いやり方だよね」

この二人こそきっと本命だろう。最終まで残るのはきっとこの二人だ。そう感じた。



さて、今から一人づつ殿下からのお言葉をいただき審査は終わりとなる。
十五人減ってるから待つこと…二十五人か。最後の最後が僕の番だ。


「オリヴィエ・スターリング。来なさい」
「はい!」

もうかなり目的は果たした気がするし…この辺で落としてくれないかなぁ…

「失礼します…、あ、あれ?虎之助さま…」
「やあオリヴィエ」

どうして三人の王子と共に虎之助さまが…

「これ以上は隠しておけないのでね、いっそ同席させたのだよ」

肩をすくめながら軽く笑うのが第二王子のジェラルド様。

「本人はかなり渋っていたがタケチヨ殿下からも早く帰すようきつく言われているのでね」

渋面でそう言うのは王太子のベネディクト様。

「オリヴィエ、君の言うトラノスケは正式な名をトラチヨというんだよ。聞いたことはあるかな?」

おかしそうに言うのがカーネル様。この第三次審査をずっと見守って下さった気さくな第三王子だ。
トラチヨ…トラチヨ…どっかで聞いたような…

「んー…あ、あれ?たしかゴールドスタインの王太子殿下が竹千代じゃなかったっけ…?」

「美しい発音だオリヴィエ。この国の人々は我が国の名を発音するのは上手くないのだがね」

満足そうにうなずく虎の…、いや、虎千代さま。え?ってことは…え?え?まさか…

「かけなさいオリヴィエ」
「は、はい…」

神経質そうな声に思考は中断される。話し出したのは気難しいベネディクト様だ。

「オリヴィエ。色々と報告は聞いているが、先ずは此度の計画まことに見事だった」
「あ、ありがとうございます…」

「一貫した創意工夫、諦めぬ姿勢、緊急時の適切な対応、そして真の慈しみとは何か、未来を見据えた深い考え。全てにおいて感心した」

「み、みんながいてくれたからで…僕一人じゃ何も出来なかった…です」
「だが君が皆を奮い立たせた、トラチヨ殿下からはそう聞いている」

え、ええー!今殿下って…。やっぱりぃ?ゴールドスタインの王太子が竹千代なら虎千代も王子だよねー!
けど淡々と続く言葉に狼狽える暇すら与えられない…

「言葉を飾っても仕方がない。はっきり言おう。私は君を依然観察対象だと思っている」
「は?」

観察って…いや、審査中だから間違ってないけど…

「共に国を治める妃としての資質を感じる部分もあり、一方でまたひどく不足も感じさせる。君は実にアンバランスだ」

多分不足サイドが真の姿だから。

「正直王太子妃には向かぬだろう。が…ジェラルド、いやカーネル、弟たちの妃として迎えることはやぶさかでない」
「えぇ!」

「ふふ、そんなに驚くことかい?」
「カーネル殿下…」
「君はこの選考会の参加者だろう?」

「そうですけど…」

ど、どうしよう…。いっそ自分で辞退するべき?そうしたらアンディは僕を怒るだろうか?根性無しって見損なうだろうか…?
彼に軽蔑されるのだけは嫌だ!ああもう!

「そうしたらなんと横槍が入ってね」
「よこやり?」

「ここにいるトラチヨが君をゴールドスタインに連れて帰りたいんだとさ」
「ジェラルド馬鹿者!」

「なんですって!」

驚愕の事実!目の前では虎千代さまが見たこともないくらい真っ赤になっている…。もしや彼は僕を…え?え?待って!

「こうなっては仕方がない」
「おやトラチヨ、どうする気だい?」
「己の口から告げる!人伝など…男ではない!オリヴィエ!」

「は、はいっ!」

いきなり取られる両の手。包み込むその手は強く…そして汗ばんでいる。

「私は君が好きだ。どうか私の伴侶となってゴールドスタインへ来て欲しい」
「はうっ!」

「オリヴィエ。そういうことだ。今ここで選びたまえ。選考会に残るのか、それともゴールドスタインの民になるのかを」

うそぉぉぉ!人生初の…モテ期到来ー!




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